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‘売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その10
そもそも、なぜ、重回帰分析をすると売上予測ができるのか?
重回帰分析とは、重回帰モデルを作る解析のことを言う。
重回帰モデルというのは、実績値(売上や客数)を用いて、理論値が実績値と限りなく近い値になるように
多元1次関数でできた数式の各係数を数学計算によって導くもののことを言う。
多元1次関数とは、Yt=a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0 という形式のことだ。
ここで、Ytは理論値、a1、・・・・an、およびa0は、各係数、X1、X2、・・・Xnは、各サンプルの項目データということになる。
ここでYmを実績値(売上や客数)とすると
「理論値が実績値と限りなく近い値になる」とは、
|Ym-Yt| ・・・ YmとYtの差の絶対値、
または、
(Ym-Yt)の2乗 のいずれかの値が、「最小に」なることを意味している。
計算は後者のほうがやりやすいので、後者を使う。
最初は、Ymは実績値(売上や客数)で、分かっている数値だが、Ytはまだわかっていないので、Ytの代わりに
上記の多元1次関数を入れる。
つまり、[Ym-(a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0)]の2乗 のほうだ。
ちなみに、「最小に」するのは、1サンプルだけではない。用いているすべてのサンプルについて、「最小に」しなければならない。
これは、(Ym-Yt)の2乗 の合計(すべてのサンプル)を「最小に」するという意味だ。
分かりやすくするために、サンプル数は4つ、変数を2つにしよう。
すると、
F1=(Ym1-Yt1)の2乗
F2=(Ym2-Yt2)の2乗
F3=(Ym3-Yt3)の2乗
F4=(Ym4-Yt4)の2乗
F=F1+F2+F3+F4
=(Ym1-Yt1)の2乗+(Ym2-Yt2)の2乗+(Ym3-Yt3)の2乗+(Ym4-Yt4)の2乗
=[Ym1-(a1・X11+a2・X21+a0)]の2乗+[Ym2-(a1・X12+a2・X22+a0)]の2乗
+[Ym3-(a1・X13+a2・X23+a0)]の2乗+[Ym4-(a1・X14+a2・X24+a0)]の2乗
この式で、a1、a2、a0 はまだ決まっていない数値。
Ym1、Ym2、Ym3、Ym4 は、既に判明している数値、実績値(売上や客数)
X11、X21、X12,X22,X13,X23、X14、X24 も既に判明している数値、説明変数(各種立地指数)だ。
ということは、この式は、a1、a2、a0 が未知の2次関数であることがわかる。
ここで、a1、a2、a0 が未知の2次関数であるから、それぞれ a1、a2、a0 を変数とした2次曲線で
それぞれが、
F(a1)=p1×(a1-q1)の2乗+r1 (p1、q1、r1は固定値、p1>0)という形式に変換できる(放物線である)。
Fが最小値をとるということは、その放物線において、もっとも低い値をとる時、つまり、a1=q1 になる時を意味する。
これを数学的に表現すれば
F(a1)の微分=0
同様に
F(a2)の微分=0、F(a0)の微分=0
この3つの微分=0 がすべて成り立つことを意味する。
すなわち、F(a1)=p1・a1の2乗ー2・p1・q1・a1・・・・なので
F(a2)の微分=2p1*a1ー2・p1・q1=0
a1=q1 となり、上記を証明できる。
もちろん、a2=q2、a3=q3 である。
サンプル数は4つ、変数を2つだから、これで良いのだが、サンプル数が4つのまま、変数が3になったりすると
実は解けない。
それは、サンプル数が2つで変数が1の場合を考えれば容易にわかるはずだ。
それは、YとXの1次曲線、すなわち、常に直線になってしまう。
直線になってしまうということは、x、yの値がどんなものであろうと、直線が描けるのであるから、
xに何の意味もないデタラメを入れても良いということになる。
つまり、もしサンプル数がn個あるなら、変数はn-2個以下でなければならない。
「エクセルの活用法」の関連記事 ●売上予測のフォーマット(売上予測を重回帰分析で行う手法14) ●エクセルを活用しよう 1(売上予測を重回帰分析で行う手法16) ●エクセルを活用しよう 2(売上予測を重回帰分析で行う手法17) ●売上予測をエクセルで実現する (売上予測を重回帰分析で行う手法20) ●売上予測はエクセルの関数を使ってもできることはできる。 ●高精度/売上予測モデルはエクセルで分析したら、エクセルで運用した方が良い2つの理由。 ●エクセルで用いる角度の単位は「度」ではない。売上予測の基礎の基礎(3) ●エクセルの関数で描ける”減衰曲線”が売上予測に役立つ。売上予測の基礎の基礎(4) ●売上予測に役立つエクセルで表す「成長曲線」の関数 売上予測の基礎の基礎(5) ●エクセルで最も重要な関数は「IF」と「VLOOKUP」だ。売上予測の基礎の基礎(6) ●VLOOKUP関数は、エクセル最強の武器だ。売上予測の基礎の基礎(7) ●VLOOKUP関数(エクセル)の兄弟、HLOOKUP関数も使えるとなお良い。売上予測の基礎の基礎(8) ●VLOOKUP関数によく似た便利なエクセルの関数、INDEXに注意せよ。売上予測の基礎の基礎(9) ●エクセルの関数、SUMPRODUCT関数も売上予測に役立つ 売上予測の基礎の基礎(10) ●エクセルの数字や関数は、数値と文字(文字列)の2種類ある。売上予測の基礎の基礎(11) ●エクセルの文字列関数で、地点座標を変換する 売上予測の基礎の基礎(13)前半 ●エクセルの文字列関数で、地点座標を変換する 売上予測の基礎の基礎(13)後半 ●変数が多くなり、エクセルの重回帰分析が嫌いにならない内に行動すべし ●売上予測モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その1 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その2 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その3 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その4 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その5 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その6 ●売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その7 マクドナルド1987年
有限会社ソルブ
電話番号:048-711-7195 住所 〒338-0002 埼玉県さいたま市中央区下落合四丁目17番18号
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重回帰モデルというのは、実績値(売上や客数)を用いて、理論値が実績値と限りなく近い値になるように
多元1次関数でできた数式の各係数を数学計算によって導くもののことを言う。
多元1次関数とは、Yt=a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0 という形式のことだ。
ここで、Ytは理論値、a1、・・・・an、およびa0は、各係数、X1、X2、・・・Xnは、各サンプルの項目データということになる。
ここでYmを実績値(売上や客数)とすると
「理論値が実績値と限りなく近い値になる」とは、
|Ym-Yt| ・・・ YmとYtの差の絶対値、
または、
(Ym-Yt)の2乗 のいずれかの値が、「最小に」なることを意味している。
計算は後者のほうがやりやすいので、後者を使う。
最初は、Ymは実績値(売上や客数)で、分かっている数値だが、Ytはまだわかっていないので、Ytの代わりに
上記の多元1次関数を入れる。
つまり、[Ym-(a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0)]の2乗 のほうだ。
ちなみに、「最小に」するのは、1サンプルだけではない。用いているすべてのサンプルについて、「最小に」しなければならない。
これは、(Ym-Yt)の2乗 の合計(すべてのサンプル)を「最小に」するという意味だ。
分かりやすくするために、サンプル数は4つ、変数を2つにしよう。
すると、
F1=(Ym1-Yt1)の2乗
F2=(Ym2-Yt2)の2乗
F3=(Ym3-Yt3)の2乗
F4=(Ym4-Yt4)の2乗
F=F1+F2+F3+F4
=(Ym1-Yt1)の2乗+(Ym2-Yt2)の2乗+(Ym3-Yt3)の2乗+(Ym4-Yt4)の2乗
=[Ym1-(a1・X11+a2・X21+a0)]の2乗+[Ym2-(a1・X12+a2・X22+a0)]の2乗
+[Ym3-(a1・X13+a2・X23+a0)]の2乗+[Ym4-(a1・X14+a2・X24+a0)]の2乗
この式で、a1、a2、a0 はまだ決まっていない数値。
Ym1、Ym2、Ym3、Ym4 は、既に判明している数値、実績値(売上や客数)
X11、X21、X12,X22,X13,X23、X14、X24 も既に判明している数値、説明変数(各種立地指数)だ。
ということは、この式は、a1、a2、a0 が未知の2次関数であることがわかる。
ここで、a1、a2、a0 が未知の2次関数であるから、それぞれ a1、a2、a0 を変数とした2次曲線で
それぞれが、
F(a1)=p1×(a1-q1)の2乗+r1 (p1、q1、r1は固定値、p1>0)という形式に変換できる(放物線である)。
Fが最小値をとるということは、その放物線において、もっとも低い値をとる時、つまり、a1=q1 になる時を意味する。
これを数学的に表現すれば
F(a1)の微分=0
同様に
F(a2)の微分=0、F(a0)の微分=0
この3つの微分=0 がすべて成り立つことを意味する。
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F(a2)の微分=2p1*a1ー2・p1・q1=0
a1=q1 となり、上記を証明できる。
もちろん、a2=q2、a3=q3 である。
サンプル数は4つ、変数を2つだから、これで良いのだが、サンプル数が4つのまま、変数が3になったりすると
実は解けない。
それは、サンプル数が2つで変数が1の場合を考えれば容易にわかるはずだ。
それは、YとXの1次曲線、すなわち、常に直線になってしまう。
直線になってしまうということは、x、yの値がどんなものであろうと、直線が描けるのであるから、
xに何の意味もないデタラメを入れても良いということになる。
つまり、もしサンプル数がn個あるなら、変数はn-2個以下でなければならない。
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