1にTG、2に動線。3番目に重要な立地のキーワード 視界性評価の妙。連載9

(有)ソルブ 林原安徳

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1にTG、2に動線。3番目に重要な立地のキーワード 視界性評価の妙。連載9

店長の立地,立地について,視界性・看板,飲食店経営

2020/10/26 1にTG、2に動線。3番目に重要な立地のキーワード 視界性評価の妙。連載9

もうそろそろクリスマス、そして忘年会。

 

年末年始の大忙し、街は賑わいの季節ですが、

みなさんのお店の調子はいかがですか?

 

ここで、取り返さないともう後はありません。

 

 

さて、すでに立地でもっとも重要なこと、

TG(ティージー)と動線を見てきました。

 

今回はその次、「視界性評価」についてお話しましょう。
この視界性評価は、

「お店は見えなければ、存在しないことと同じ」

というほど重要な概念です。

 

 

ところが、「見える・見えない」について、

多くの人はあまり深く考えないで使っています。

 

だから、ここで正しい考え方を知っておきましょう。
まず第一に、

「視界性」のことを「視認性」とごっちゃにしている人がいます。

 

これらは、まったく違った概念です。

 

「視認性」というのは、

「視覚で捕らえて、『それが何であるか』を認識(識別する)ことまで」

を指します。

 

ですから、とても広い概念で、

 

識別できるためには、

知覚とは別に、

「記憶」とか「体験」とか、「対象についての印象や感情」までも

含んでしまうのです。

 

これに対して、「視界性」とは

単に、人間の目が「対象を知覚するかどうか」

という最初の入り口のことを指します。

 

ですから、これらの言葉は分けて使うようにしてください。

 

 

第二に、

「視界性評価」は、

6つの側面から捉えることができます。

 

それは、

視界障害・

視界融合・

視界退行・

視界縮小・

視界拡張・

 

視界補助の6つです。

 
視界障害は、一番わかりやすい側面です。
これは、

対象、例えばお店やお店の看板などを

隠してしまうような障害物があるかどうか

を問題にします。

 

例えば、ロードサイドにあっては、

街路樹や電線・電柱がそうですし、

また他の店の看板や建物、陸橋や道路標識など、

視線を遮るものはすべて視界障害です。

 

 

視界障害

1視界障害
もちろん視界障害になるのはこれらだけではありません。車の目前を行くトラックや 店の前に止まっているバスなども立派な視界障害です。
こうした視界障害があると、

店や看板が見えなくなるのはもちろんのこと、

ひどいところでは、道路の両側が街路樹だらけで、

店らしい建物が何も見えないということさえあります。

 
チェーン店の中にも、

この視界障害に無頓着というか、

お人好しな会社があり、

自社店が立てたポール看板のすぐ手前に

他社の看板を立てられてクレームの一つも入れないでいる。

 

案の定、売上げはどんどん降下して行き、結局閉めてしまった。

 

みなさんはこんなことにならないようよくよくチェックしてください。
視界融合と視界退行は、

ちょっと分かりづらいかもしれません。

 

これは、

「見えるはずなのに見えない」

現象だからです。

 

 

視界融合とは、

対象とその背景の色や形が似ていると、

対象が見えなくなってしまうという現象です。

 

赤色系の看板ばかりが林立するような場所は

自店の看板を同じ、赤色系で作ったら

他の看板などと区別できなくなって見えなくなってしまうのです。

 

 

これは街中だろうとロードサイドだろうと同じです。

 

 

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2視界融合する看板1 市街地の多数の看板。これらはみなお互いでお互いを見えなくしているのです。

 

視界融合

2視界融合する看板2 交差点に設置された多数の「のだて看板」。

 

 

視界融合

2視界融合する看板3 道路沿いに競うように赤色系の看板を出しており、お互いがお互いを見えなくしている。

 

 

 

視界退行のことを、

ハロー現象とも言います。

 

これは、対象よりも目立つ看板や有名な看板、

大きな道路標識などがあって

そちらに注意が行ってしまうために、

肝心の対象(店や店の看板)があることに気づかない

ことを指します。

 

視界退行

 

視界融合や視界退行は図をご覧になったほうが分かりやすいでしょう。

 

 

 

視界縮小とは、

車を運転していてスピードを出しているようなときに起きます。

通常、人間の視野は180度以上ある

といわれていますが、

100kmものスピードを出した車に乗っていると

40度くらいに狭まってしまうのです。

 

視界縮小

 

 

また、道路が緩やかにカーブしているような場合、

カーブした内側にある対象が

見えづらくなることがあります。

 

これも、視界縮小の一種に入れています。

 

視界縮小 視界拡張

5カーブした道の・・・
この道は左に向かってカーブしているが、道の左側にあるものは見えづらく(視界縮小)、右側にあるものは見えやすく(視界拡張)なっています。

 

その反対に、

カーブした外側にあるような対象は、

進行方向に対してほとんど正面に見えたりします。

 

こちらのほうは、視界拡張と呼んでいます。

 

 

最後の一つ、

視界補助は、

お店やその看板をよりよく見えるようにするために設置する

構造物を指します。

 

 

視界補助

6視界補助としての野だて看板
この野だて看板は、お店の名前とシンボルマーク、距離と矢印という最小限の情報に絞って掲載している優秀なものです。

 

 

たとえば、ロードサイドなら、

のだて看板です。

 

案内看板やのぼりなどもそうです。

 

こういうものが威力を発揮するのは、

視界障害や視界融合など、視界を妨げるものがあって、

お店がほとんど見えないようなときです。

 

 

 

さて、

対象(物件)の視界性評価は、

こうした6つの点を踏まえて行っていきます。

 
ただし、「どこから見るか」が重要です。

 
もし、

歩行者からの視界性評価をしたい場合は、

その歩行者の自然な目線で評価します。

 

また、駅や商業施設からの視界性評価も重要です。

 

それらの出入口に立ってやはり自然な目線で評価します。

 
では、車の場合はどうか。

 

もちろん、実際に運転しながら評価しても良いのですが、

それでは

偶々トラックの後ろについてしまって何も見えなくなってしまったりして

なかなか評価が定まらないことがおきます。

 

そこで、この場合は、

100mくらい離れた位置で、中腰になり、

できれば、実際の車線に出て評価をすると良いのです。

 

ただし、事故をおこさないようくれぐれも気をつけて行ってください。

 

視界性評価は、

最終的に3段階に評価します。

 

評価の「3」は、

「自然によく見える。視界障害も視界融合や視界退行もない状態」

です。

 

評価の「2」は

何らかの問題を抱えているような状況です。
そして、

評価の「1」は、

「よほど気をつけていないと見えないか、まったく見えない」

ような状況を指します。

 
出店をする時は、

最低でも評価「2」以上でなければなりません。

 

 
「見えない店は存在しないことと同じ」。

 

この言葉忘れないようにしてください。

 

 

 

(プロフィール)
林原安徳はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。昭和31年さいたま市生まれ。 東京大学卒業後、日本マクドナルド(株)に入社。出店調査部にて、1,000店舗単位の成功を決める「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用する。
独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業をコンサルティングしている。主な著作に「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。

 

 

 

 

 


 

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