10人中8人以上が良い立地と言うなら、避けたほうが無難な理由。連載8

(有)ソルブ 林原安徳

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10人中8人以上が良い立地と言うなら、避けたほうが無難な理由。連載8

店長の立地,店舗開発,飲食店経営

2020/10/25 10人中8人以上が良い立地と言うなら、避けたほうが無難な理由。連載8

連載8.(11月号) 10人中8人以上が良い立地と言うなら、避けたほうが無難な理由。
そう言えば、今の日本経済は、“中国頼み”と某識者があるメディアで力説していましたが、

人為的な事件が起きた途端、日本中、旅行者や文化交流などの激減が起きましたね。

 

今年は“酷暑”といい列島は連続する異常事態に大わらわです。
しかし、これから店舗商売を始めたり、広げたりしようとする者は動揺していてはいけません。
前回は、不動産業者に頼ってばかりの立地開発ではいけないという話しをしました。

 

今回もこれに関連したことを話しましょう。

 

相場は立地の参考値(目安)

素人が、簡単に「立地の良否を知る」にはどうしたら良いでしょう。

 

それは、その物件(店舗候補物件)の賃貸条件を調べることです。

 

その条件とは「坪当たり家賃単価(以下、坪単価)」を指します。

 

 

この坪単価が高いほど、「立地は良い」のです。

 

反対に、低いほど、「立地は悪い」ことになります。

 

しかし、

それは、一般的に言えばその通りなのですが、個別に見ていくと、かなり怪しくなってきます。

 
というのも、なぜ坪単価が高くなるかと言えば、

市場原理が働いているからで、

 

分かりやすく言えば、その物件を欲しがる人が多いから高くなる。

 

その値段でも10人中8人以上が欲しがるから高くなる。

 

 

では、「その物件を欲しがる」人は、立地だけで判断しているでしょうか?

 

あるいは、立地が良いことが分かっているから欲しがっているのでしょうか?

 

そんなことはありません。

 

欲しがる理由は千差万別です。

 

お店を出したい人は、駅から「見える」という理由だけで欲しがり、

事務所として欲しがっている人は単に「駅に近い」から欲しがっているかもしれません。

 

後者は、事務所が密集しているようないわゆるオフィス街では顕著に起きることです。

 

 

ですから、店舗立地の優劣を必ずしも理解した上で欲しがっているとは限らないのです。

 

 

通行量が多いと賃料は上がる

 

たいていの場合、物件前の通行量が多かったりしますと賃料、坪単価は上がる傾向にあります。

 

また、交差点の角地であったり、大型商業施設に近かったりするとやはり高くなる傾向にあるようです。

 

反対に、裏通りであったり、駅から遠かったりするとそれだけで低くなる。

 

これに、物件は地階や2階であったりするともっと低くなります。

 

 

 

では、物件を取得する際に、家賃、坪単価の安さだけを基準にしていれば安心でしょうか。

 

他の誰も見向きもしない物件です。もちろん、多くの場合、これもあとで後悔することになるでしょう。

 

しかし、そうでないこともあります。

 

 

すでに、話したように、

裏通りであっても、TG(交通発生源)ともう一つのTGを結ぶ動線になっていることもあります。

 

地階であっても、地上に店の存在を大きくアピールできる看板を設置できる場合があります。

 

立地の面白いところは、「誰もがあまり優良とは思えないような場所」で、バカ売れするというようなことがあるという点です。

 
例えば、図1のように、駅の近くで、バスターミナルと駅がやや離れたところにあるような場合です。

 

動線図1

 
通常は、動線(A)のように人々は行動します。

 

ところがこの道には別のショートカット道路(近道)があります(動線(B))。

その動線沿いには、野晒し状態の汚れた店や廃墟のような民家があります。

 

そういうような場所は、誰も店を出したがらないものです。

 

つぶれた店の隣に出すなんて縁起が悪いとかなんとかへ理屈をつけて出さない。だから、賃料が低い。

 

 

 

ところが、立地理論に則れば、

 

そこはそこで「TG間の動線上」ですから良い立地なわけです。

 

これを無視して良いわけはない。

 

すなわち、こういうような場合、積極的に取りに行くと良いのです。

 
もちろん、商圏情報がとれるならしっかり把握しておきましょう。

 

 

 

この物件の場合、500m圏というたいへん狭い範囲でも、12000人以上の人口があり、どんな商売をやるにせよ十分なポテンシャルもあると言って良いでしょう(図4)。

%e5%9b%b3%ef%bc%94図4

 

 

もうひとつ、「2階」や「地階」を嫌がる方がいらっしゃいますが、それは早計です。
また、物件の形ひとつとっても、必ずしも満足できる物件が出てくるとは限りません。

何かしら不足していたり、過剰な場合があったりします。しかし、そういうのは、ある意味で狙い目でもあるのです。
というのは、それらは、1F路面店に比べて、予期した以上に大きく劣るということは少ないからです。

 

もちろん、道路を通る人に向けて見えるような看板を出せることが条件ですが、顧客の吸引力は8割前後に落ちる程度で済みます(図2参照)。

 

階層別指数

 

ですから、1F路面で借りるより2割以上安く借りられるというのであればこのほうが採算が合うようになります

(ただし、3F以上は注意してください。図2にあるように急激に顧客吸引力は下がるからです)。

だめ物件の立地の良否

 
だめ物件の「良い」点は、希少物件でないため情報が流通しているということです。

 

希少物件だと

最初にその物件をオーナーさんから頼まれた人、

業者が知り合いの人や企業、

金融機関などを通して「極秘裏」に取り引きされてしまい

 

なかなか一般の所まで回ってくることは少ないのです。
しかし、だめ物件の情報はそういうことはない。

たくさん出回っています。

 

「空き店舗」を紹介する雑誌などで流通しています。

 

インターネットで見つけることも容易です(図3は、空き物件を紹介しているサイトです)。

%e5%9b%b3%ef%bc%93-1図3

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「だめ物件」にした理由が本当に立地に起因するものかどうか。
たまたま以前に借りていたテナントに営業力がなく、商品やサービスの水準が低かっただけかもしれません。

 

ふつうに、いいえ、最高にその水準を保てるならばたいへん良い立地であるかもしれない。

 

もしかしたら、大事な立地の優位点を見落としているかもしれません。

 

TGや動線、PC(ポテンシャルクラスター、需要集合体)などです。
だめ物件の中には、そういう「優良物件」が隠れています。
また、仮に、TGがない、動線がないなど立地上の優位性がないような場合は、賃料を下げる絶好のチャンスですから、交渉してあなたの願う金額まで下げてもらいましょう。

 
立地が良くないということは、売れないということですから、家賃を下げていただくのは至極道理にかなった要望ですので、あなたが熱意と誠意をもって話せば必ず理解してくれるはずです。

 
このように、

流通している物件だからと言ってハナから敬遠したりせず、

地図を見て確認したり、

グーグルのストリートビューを見たり、現地に行ったりして、

 

立地の良否を自分で判断し、交渉するようになれば自ずと失敗は少なくなります。
くれぐれも、「誰でも良いと思える立地」の物件で、簡単に決定してしまうことがないようにしましょう。

 

 

 

 

(プロフィール)
林原安徳はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。昭和31年さいたま市生まれ。 東京大学卒業後、日本マクドナルド(株)に入社。出店調査部にて、1,000店舗単位の成功を決める「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用する。
独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業をコンサルティングしている。主な著作に「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メールマガジン「ソルブ通信」で最新の立地情報を配信中。http://www.store-open.jp

商圏分析ソフト「統計てきめん」の地図使用承認c昭文社第51G083号

 

 


 

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