ファストフードの多くがモータリゼーションの波に乗り遅れた本当の理由

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ファストフードの多くがモータリゼーションの波に乗り遅れた本当の理由

店舗営業,立地について,出店戦略

2020/05/30 ファストフードの多くがモータリゼーションの波に乗り遅れた本当の理由

モータリゼーションが日本で本格化し始めたのはやはり1970年代だ。

しかし、郊外ロードサイドでチェーン企業の出店が本格化したのは、それより少し遅れ1980年代と言って良かろう。

というのも、真っ先に駐車場付きの郊外店舗を出したのは、すかいらーく、不二家ていどであり、それは80年代。スカイラーク1号店である国立店が開店したのは1970年であるが、長く試行錯誤の時期があって本格的な展開は80年代になってからだ。また、不二家の1号店となる川口青木店は1978年の開店。

あのマクドナルドも日本初のドライブスルー店舗を環八高井戸に出店したのは1977年。この出店こそ成功したものの、立地の試行錯誤が続き1980年代半ばになるまで、ドライブスルー店舗は損益分岐点に到達できない店ばかりが続いた。

この停滞を破り、マクドナルドが一気に売り上げを伸ばしたのは、マックシェイクのバナナ味が季節限定で登場し、嗜好性の高いゲームプロモーション(現金が当たる)やチキンマックナゲット、ブレックファースト(朝食メニュー)が導入された1980年代であった。

 

どのドライブスルーもえんえんと列が続き一部の店舗では道路に警察官まで交通整理に駆り出される状況さえ起こした。

 

 

モータリゼーションが後押しをしたことは事実だ。というのも、乗用車の世帯普及率の伸びと合わせて、郊外店舗の売上は増大の一歩を辿ったからだ。

現場での気づきは、この時期、女性ドライバー、とりわけ家庭を仕切る主婦のモータリゼーション化が急速に進んだことだ。

男親だけでは、説明できないほどの殺到があった。少なくとも、両親が運転免許を有していて、それこそ全国さまざまモータリゼーションは進んだ。

 

したがって、マクドナルドがこの時期、街中の通行人対象立地ばかりの出店(知名度のアップ)から、郊外店舗への積極的出店(ドライブスルー利用率のアップ)に切り替えていったことは正しい出店戦略であったと言えよう。

なぜなら、後に続いたハンバーガーチェーンのほとんど(ファストフードの多く)は、ドライブスルーの展開はおろか、郊外店舗そのものの展開に失敗しており事業そのものの撤退を余儀なくされているからだ。

 

 

車に乗ったままで、超高速でサービスを受けることができる技術を持ったチェーン企業は日本ではマクドナルドしかない。

ほかの企業の店が行っている「ドライブスルー」は、時間の節約という観点からだけ見ても、失格というほかない。

 

モータリゼーションとは、単に、自動車利用が増えたということではない。目的地までの自由な行動、時間節約による自由時間の創出をもたらすということである。

マクドナルドがもたらした「ドライブスルー」という時間節約はこのモータリゼーションの流れと見事に合致した。

 

郊外と言えど、広大な敷地を必要とするロードサイド店舗は、人々を惹きつけ売上を上げるために、店舗の魅力を高めようとすればするほと「損益分岐点」が高くなる。

その結果、立地を少しでも間違えると、収益は得られず、撤退の憂き目を味わう。これが多くのチェーン企業だ。

 

マクドナルドのドライブスルー技術は、客にとってのきわめて魅力的なサービスであり、客数と売上を高める武器であるばかりではなく

忙しければ忙しいほど、サービススピードが速くなるばかりか、面積当たりの土地生産性、労働生産性はどんどん高くなる。

いわば、その立地のポテンシャルを最大限に発揮できるようにする仕掛けである。

 

 

こうした仕掛けを持たないで、モータリゼーションに乗り出し、ロードサイド店舗を出店していくことこそ、ある意味、自殺行為だというほかない。

ファストフード企業の郊外店がマクドナルド以外、今もって苦戦している本当の理由はここにあるとは言えないだろうか。

 

世帯普及率は1990年に80%に到達、モータリゼーションは全盛を迎えるに至る。

しかし、このモータリゼーションにおいても、デフレ経済の圧力は強くかかり、2004年に86.4%でピークに達して後、停滞、やや減少傾向にある。

世帯当たり乗用車

 


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