到達容易性という概念だけで立地のすべてを表すことが可能かもしれない

(有)ソルブ 林原安徳

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到達容易性という概念だけで立地のすべてを表すことが可能かもしれない

立地について

2020/05/25 到達容易性という概念だけで立地のすべてを表すことが可能かもしれない

到達容易性とは、人々がその物件、ないし店舗に到達するまでの行き易さ、到達しやすさを意味している。

似たような言葉に、接近容易性や接近性というのがあるが、これらの言葉では、「接近」が重視されていて、接近した後の、店の中に入る際の行動が抜け落ちている。

視界性評価と同様、その部分も重要な立地要因であるから、接近容易性や接近性だけではふじゅうぶんというのが、ソルビクス理論の見解である。

 

ちなみに、この到達容易性は、その終点が店の中であるが、その起点は人々の滞在する場所である。厳密に言うと、玄関を出た瞬間の場所である。

いうなれば、人々が共同住宅にいれば、その玄関から住宅の階段・エレベータを通り敷地を出る経路が含まれるということだ。となれば、立地の要因として、こうした人々に近い側の事情も組み入れる必要があることを意味している。もちろん、現在の技術をもってしては、視界性評価と同様、なかなかその部分への数値化は容易ではない。

 

住宅の敷地を抜けてから、徒歩または車、自転車などに乗り道路を行き、交差点や高速道路などを経て、店前まで行き、店の中に入るこうした一連の行動が、たやすく行えるような物件なのかどうかを問うものが到達容易性の概念だと言える。

 

もし、人々が一部にだけ住んでいて、ほとんど1つの道を1つの手段でしか来られない、いわゆる「陸の孤島」でもない限り、人々の行動の大半を規定することはできない。

多くの人がいろいろな場所にいろいろな形態で住んでいたり仕事をしていたりする。そして、いろいろな方向へいろいろな交通手段で出かけ、いろいろな道を経由して、結果的に店に到達したり到達しなかったりする。これが実情だ。

 

しかし、そうした多岐にわたる状況を一律に測定する方法もないのであれば、それらのほとんどを捨象して立地論を組み立てるほかない。

 

そこで、この到達容易性の大きな部分は、INOUT評価や動線評価のような単純に説明のつくところに終始しているのだ。

したがって、これら単純な指標だけでは不十分であることは言うまでもない。

 

だから、重回帰モデルを作る際の説明変数として、INOUT評価や動線評価を数値化したものを組み入れようとしてもなかなかモデルに取り込まないということが良くあるのはそのせいだと考えられる。

 

本来、数十キロメートルを何時間もかけて乗り越えて物件近くまで接近した人が、店の間口の狭さやたかだか20cmの段差を気にして店に入りづらいということはあり得ない。

これほど極端ではないにせよ、それらの変数が到達の過程全般を網羅していない以上、到達容易性の変数としてはいささか不十分なものであることは確かだ。

 

一方で、この到達容易性は、これをすべて記述できれば、これだけで立地の良否をほとんど明確に判定できるような内容でもある。言うなれば立地論とは、人々のその物件への行き易さ、到達し易さの総計なのだ。

もちろん、そうであるならば、商圏の規模とはその総計の一部であり、商圏の質とは、行き易さについての人々の価値観の総計だ。だから、商圏の規模も、商圏の質も、到達容易性の総計の中に含まれる概念と言えよう。

 

この到達容易性の問題については、今後の研究を待たれる。

 

陸の孤島

 

 


 

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