店も歳をとります。改装時に考えるべきこと。 連載58

(有)ソルブ 林原安徳

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店も歳をとります。改装時に考えるべきこと。 連載58

店長の立地,店舗営業,視界性・看板,飲食店経営

2020/12/14 店も歳をとります。改装時に考えるべきこと。 連載58

連載58 20151月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 22.回目

 

店も歳をとります。改装時に考えるべきこと。

 

誰もがよく知っているあのマクドナルドは、だいたい5年に1度くらいの頻度で、お店の改装を行っています。内装デザインはもとより、厨房の中や駐車場も含めて、百万円前後の小改装から1千万円近い大改装まで定期的に行っています。

これによって、①ふだんは清掃できない細部にわたって清潔度をアップする、②デザインを一新することでお客様からの好印象を得る、③厨房や客席での労働環境を良くして生産性をアップさせるなどの効果が得られます。

 

看板

写真0 お店の看板を入り口の上の壁に上品に設置した例

 

 

 

こうやって改装を繰り返しているから、このチェーンは、日本上陸てから半世紀近く、まったく陳腐化することなく新鮮なため多くの人々に愛されているのだとも言えます。

 

しかし、改装を必要としているのは、こういったチェーンばかりではありません。あなたが運営に携わっている店も当然必要なことです。そして、改装の効果、目的はこの3つだけではありません。今回は、改装の話しです。

 

 

 

看板

写真1 お店がセットバックしているので、そこにテントを張って見えるようにしている

 

 

店も歳をとるということ

個人店ではとくに目立つことなのですが、お店を開店するときに、その後のことをあまり考慮していないことがあります。とりわけ、清潔さを保つという点で顕著です。

たとえば、床。厨房の床が水で濡れているというのは、細菌の繁殖し放題になり論外ですが、モップやデッキブラシで簡単に汚れを落とせるような床材を使っているでしょうか。

 

また、客席をゴージャスにしようとして、絨毯(じゅうたん)を敷き詰めているなんてことはないでしょうか?見た目は良くても、絨毯の下のことを考えてください。日が経つに連れてここにはたくさんの細菌や昆虫、回虫類が住み着きます。

 

 

 

看板

看板

写真2、3 お店の壁いっぱいに、デザインを施している例

 

 

一時が万事、清潔を保ちやすい店か、どうかよおく考えてください。清潔が保ちやすい店は、どこでも手が届き、どこでも洗える、どこでもきれいにできるようになっているはずです。この逆に、手が届かないところがある、洗えないところがある、そういう店は要注意。どんどん劣化していきます。天井だって、脚立に乗れば清掃ができるはずです。天井裏もそうです。点検口から中に入れるようになっているはずです。ダクトも清掃ができなければなりません。

清掃さえできれば良いわけではありません。ほとんど全ての什器、備品も歳を取ります。劣化します。座敷の座布団は使っているうちに穴が開きます。長椅子の背もたれには傷がつきます。

エアコンも壊れますし、トイレのカギも破損します。

こうしたことは、言わずもがなでしょう。

だから、お店も歳をとるというのです。お肌のスベスベした赤ん坊が、しわくちゃの老人になるのと同じです。しかし、店の歳のとり方は、人間より、はるかに速い。このことを肝に銘じてください。5年、長くても10年です。

営業をはじめて10年したら、お店は寿命だということです。こんなに長く営業できていること自体、たいしたものだと思うのですが、その前に、きちんと改装しておけば、寿命を伸ばすことができます(マクドナルドは少なくとも50年近く生き残れる店が大半です)。

では、店の寿命を伸ばす「改装」をするときに考えるべきことは何でしょうか?

第一に、清潔度のアップでしたね。店の素材や機器を新しいものにすることも考えましょう。

第二は、デザインを一新することで、お客様の中にある古いイメージ、時代遅れのイメージを払しょくすることです。だから、改装時は、しっかりとしたデザイナーに依頼してもらうことです。仮に自分で作業して改装するにしても、プロのアドバイスをよく聞いたほうが良いですね。

第三は、労働環境の改善です。もちろん、客席を含めてのことですので、お客様にとっても、より便利でより安心、より安全な環境を考えなければいけませんね。

 

セットバック

 

段差

 

写真4、5 いずれも道路との間に段差があるが、セブンには手すりが設置され、ファミリーマートでは、鉄製のカバーが掛けられているため入り易くなっている。

さて、改装の目的はこれだけで良いでしょうか。いえいえ、立地上の改善も行ってください。

これが、四番目です。

その1。店を遠くからでも見えるようにすること。視界性評価の改善。

看板が重要です。色褪せた看板はもってのほか。汚れた看板、電球や蛍光管の切れた看板はありませんか?置き看板の表面の板を取り外したら、6本あるべき蛍光管のうち3本しか点灯していなかったという笑えない話もありますから、この点は注意し過ぎることはありません。

看板が見えないことの要因の一つに、看板内にごちゃごちゃとたくさんの情報が含まれているというのがあります。こういう場合は、改装を機に、情報を整理して、本当に必要なことだけ数点に絞ってデザインし直すことをお勧めします。

店の間口、全体の形、これらを昼間も夜間も、しっかり目立つかどうか、よく見直してください。例えば、入り口間口がセットバックしているような場合、路上からは気づきにくいものです。

間口がせり出すような構造にできるか、考えてみることです。誰が見ても、そこにお店の間口があることがわかるようにすることです。

 

その2.店や駐車場に入り易く、出やすくすること。

店と路面との間に段差があったりします。こういう段差は心理的に入店を妨げます。段差自体を直せないとしても、ステップを広々として、植栽や生花を置けるような工夫をして入り易い雰囲気を作ることです。

駐車場に入る間口は6m以上あるでしょうか?また、駐車する間隔は2・5m以上になるように白線が描かれているでしょうか?裏道を使って車の出入りができるようならば、そのことを案内板に描いて告知しているでしょうか?概して、駐車場はお客様の使い勝手が良いようになっているでしょうか?こうしたことを改善するのも改装が良い機会です。

 

 

年齢別 グラフ

図 左右の商圏は3km弱しか離れていないが、年齢別人口分布がまったく異なっている。

左ならファミリーの来店を期待できる一方、右はあまり期待できない。主な年代層が高いのでこれを考慮したデザイン作りが望まれる。

 

 

 

その3.商圏を意識したデザインにすること

店に目的来店してくれる人たちが住んでいる範囲、あるいは、働いている場所が分布している範囲のことを「商圏」と言います。

この商圏にどんな人たちがいますか?

例えば、ビジネス街ならサラリーマン、OLを意識した店づくりをしなければいけませんね。どちらか一方だけでも良いでしょう。また、若者が多く流入してくる街にあるなら、若者の感性に答えられるものでなければなりませんね。

また、郊外の駅前であっても、どこも住人が同じということはありません。中高年が多い商圏と、学生層が多い商圏とでは自ずと好む内装は異なってきます。自店舗がターゲットとしたい年齢層というのもあるでしょう、しかし、商圏はどこも同じではありませんから、店ごとにデザインの傾向が変わっていても何の不思議もありません。

 

改装は立地上のハンディを挽回する絶好のチャンスですから、今までの連載の中で、気になっていた所があったら、是非とも改善してください。立地が改善されると、当然ですが、客数と売上はアップします。

 

 

 

 

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。独自に深耕させた理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

以下今回は不要です。

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 


 

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