心理的制約のある店、少ない店・・・間口制約の話 連載43

(有)ソルブ 林原安徳

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心理的制約のある店、少ない店・・・間口制約の話 連載43

店長の立地,立地について,飲食店経営

2020/11/29 心理的制約のある店、少ない店・・・間口制約の話 連載43

(第7回)連載43 10月号 [店長が知っていると得する立地の応用]

心理的制約のある店、少ない店

・・・間口制約の話

 

立地を見るというのは、必ずしも、商圏を分析したり、TGとの位置関係や動線の有無などの地理的な状況を把握することばかりではありません。

物件(店)そのものも、大事な立地要因です。

中でも、その物件(店)への入り易さ(到達容易性)は特に重要です。要するに、お客さんにとって入りづらい店は、「立地が悪い」のです。逆に、入り易ければ「立地が良い」のです。

ただし、この入り易さ(心理的な制約)については、物理的なことに起因すしていることに限ります。

その代表的な例が、間口です。

間口と一口に言っても、いろいろな間口があります。お客さんが出入りする「出入間口」、店の大きな看板が掲げられている範囲は「看板間口」、そして、物件(店)が外に対して見えている最大幅である「建物間口」です。一般的には、この順番に間口は大きくなっていきます。

車ドライバーを対象とした場合、これにさらに「敷地間口」が加わります。

 

多くのお客さんを相手に商売するような場合は、中でも「出入間口」がもっとも重要です。特に、ファストフードは洋の東西を問わず、この間口が3mを切るとほとんど死活問題です。これほど間口が狭いと店が見えづらくなるばかりか、急いでいる人にとっては、ピーク時間帯(特にランチタイム)に事実上出入りできなくなるからです。ファストフードがファストフードの役に立たなければお客さんは来店しなくなります。

一時期、東京にあるM社の下北沢駅直前の店の間口はひじょうに狭く、レジも3台、上下に重ねながら置くのがやっとで、売上も悲惨なものでした。その後、隣のビルまでつなげた大工事を行い間口が広くなったので繁盛店に転換したことは言うまでもありません(写真0)。

 

 

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居酒屋のように、客単価がもっと高い業種では、間口はあまり関係なさそうに思えますが、やはり、間口が狭いと集客力は落ちてしまいます。

 

出入間口は、店が2階以上や地下にある場合、特に限られてしまいます。それでも、ビルの外に専用階段があるなら良いほうで、その階段の回りに、照明が埋め込まれた特別な外装を施すことによってだいぶ制約が軽減されます。

しかし、一度ビルの中に入ってから階段やエレベータを使うとなると、心理的制約は大きなものになります。階層は上になればなるほど制約は大きくなり、売上の違いに指数化してみると、図1のようになります。

出入間口の狭さを逆手にとって、この間口を覆うほどに大きな内照式看板を設置したり(写真1)、門のようなものを作って(写真2)、知覚突出性を高めてる工夫をしている店もあります。

 

 

間口

写真1

 

間口

写真2

 

もちろん、間口は広いに越したことはありません。間口が広いことは立地上の優位点です。

ところが、この優位性を台無しにしてしまっているお店があることも事実です。例えば、「のぼり旗」。店の営業感を出すために設置しているので掲出者の気持ちは汲みとれます。

しかし、この「のぼり旗」によって、店の看板を見えなくしてしまったり、店の出入口さえわからなくしてしまったら本末転倒です。やってきてくれる筈の人さえ来なくなります(写真3)。

 

間口

写真3

 

また、よくあるのは、店の前に、ビール箱や食材棚、ゴミ箱まで置いてあることです。これでは、まるで来店するなと言っていることと同じです。即時撤去するべきでしょう。店前に嫌悪物を置いてはいけません。

出入間口が、店前道路より高いことがよくあります。いわゆる段差です。また、物件自体が道路からセットバックしていることもあります。さらに加えて、夜になると薄暗くなってしまうようならば、すぐに照明の増設などを検討すべきでしょう。

明るく、清潔であることが、出入り間口の最低条件です。

 

間口

写真4

 

一方、大きな建物間口を持て余しているような場合もあります。外装デザイン上仕方がないのならともかく、広い間口は、工夫次第でいかようにも活用できます。たとえば、商品見本を陳列する、花壇を作る、品位のある広告を貼るなどその間口前を通る人が、「おや、何だろう」と気にかけるような工夫です。

心理的制約は、店の中が外から見渡せるときもっとも少なくなります。ですから、中が見えるようなガラス窓を多くデザインすることは有効です。多少コストはかかっても、できることなら試すだけの価値はあります。

車ドライバー対象の店の場合は、店側車線から入れるかどうか(イン)、車線に出られるかどうか(アウト)ばかりではなく、反対側車線から入れること、その車線に出られることはもっと重要な立地上のキーです。

仮に、その反対側道路に対するインアウトができなくても、直接ではないが、裏道や側道を用いると、それが可能であるならば、その大きな案内図を作って敷地内に設置すべきです。これだけで、お客さんの来店は確実に増えます。

 

 

 

 

本文1930字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで売上予測調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。昭和31年生56才。http://www.sorb.co.jp

 

(今回不要です)

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