立地の問題が改善可能か不可能か。それが問題だ。連載12

(有)ソルブ 林原安徳

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立地の問題が改善可能か不可能か。それが問題だ。連載12

店長の立地,店舗営業,視界性・看板,飲食店経営

2020/10/29 立地の問題が改善可能か不可能か。それが問題だ。連載12

 

いよいよ、連載も12回目=1年を向かえました。区切りなので、今までの総仕上げです。

 

よく店舗の業績が落ちたりすると、すぐに

「うちは立地が悪いから」とか

「競合店があるから」と

立地のせいにする店長さんがいますが、これは間違いです。

 

立地を問題にする前に、

店の営業力を振り返ることが正しい順番です。

 

お客に提供する商品やサービスの質が落ちていないか、

お客にFUNや喜び、感動を与えることができているか、

お客に正しく早くお得な情報を伝えているか、

こうした「営業力、販売促進力」を振り返ってみることが一番です。

 

 

しかし、営業力等に何の問題も落ち度もないということがあります。

 

 

ここにきて初めて、“立地”を問題にするべきでしょう。

 

図1

開店前 すき家

「すき家」が出店する前。2Fのテナントが存在を強くアピールしているために、1Fが目立たないおそれがあった。

 

 

図2

開店後 すき家

「すき家」が出店した後。2Fのテナントが霞んでしまうほど、しっかりと看板を掲出してある。

 

 

 

では、問題とすべき立地の内容はどんなことでしょう。

 

その第一は、視界性評価です。

 

要するに、「店が見えなくなっている」ことが問題なのです。

 

 

 

目的来店のお客ならば、多少見えなくても店を探し出してやってきてくれるでしょう。

 

しかし、そうではないお客、

たまたま通りがかったお客とか、

二度目にやってこられたお客は違います。

 

店が少しでも見えなくなると、来てくれなくなるのです。

 

 

ですから、これは大問題です。

 

駅から降りてくる、

TGのスーパーマーケットや学校から向かってくるとき、

お客はあなたの店を「知覚」してくれるでしょうか?

 

街路樹や道路標識、

停車中のバスや電柱、

街や道路沿いには、

視界障害となる要因がたくさんあります。

 

 

また、視界融合と言って、

同系色の色や形の看板や構造物があると、

人は余程違った色や形でもない限り、“見えなくなってしまう”ことがあります。

 

 

さらに、視界退行と言って、

見せたい看板よりも、強い印象の看板や建物、造形物や景色が

そばにあると、これまた見えなくなってしまうのです。

 

これを「ハロー効果」とも言います。

 

 

あなたは、いつも視界性評価をチェックしておかなければなりません。

 

中には、良かれと思ってたくさん立ててあった「のぼり旗」があるために、

肝心の店や看板が隠れてまったく見えなくなってしまったというような

笑えない話しもあるくらいです。

 

売上向上させようとして、減らしてしまっては元も子もないですね。

 

 

 

 

立地改善の第二は、TGと動線です。

 

店舗の位置が、TGTGTGを結ぶ動線を行く人々からわかるようにすることです。

 

駅から離れていたり、

駅から見えなかったりすると、

店舗の位置は容易にわかるものではありません。

 

これは他のTGについても言えます。

 

しかし、チラシを配ったり、

小さな看板を設置したりするなど、

店舗の位置がわかるようにすれば、人々に少しずつ認知が浸透していくものです。

 

 

ただ、こうした活動はややコストがかかる割に効果は低いものです。

もし、劇的な効果を望むのであれば、

店への案内図を描いた看板を持って、TGの前に立つのです。

 

いわゆるサンドイッチマンです。

 

 

こうした活動は

じゅうぶん立地改善につながり、お客を増やし売上げ上げる活動です。

 

決して馬鹿にしてはいけません。

 

飲食に従事して、一度もこうした活動をやったことがない人は

余程運の良い人か、飲食業に向いていない人です。

 

泥臭いことでも平然と率先してできなければ店長は務まりません。

 

 

 

立地改善の第三は、商圏へのアプローチです。

 

お店の周り、お客が一定の割合以上に来店してくれている範囲を“商圏”と呼びます

(この割合は、世帯数、または人口の5%です)。

 

 

商圏は、お店の東西南北に広がっています。

 

しかし、それは世帯数が均等でもありませんし、

またその属性(一人暮らしか、否か。年収が高いか、否か、年齢層が高いか、低いか・・)もさまざまです。

 

ですから、

商圏へのアプローチも区域によってさまざまに変えなければなりません。

 

とりわけ、区域の主たる年齢層の老若や所得層の高低によって、

効果が出るやり方は異なってきます。

 

所得の高い世帯に、

安売り商品を勧めても反応が良いはずがありませんし、

逆もまた真なりです。

 

商圏の状況を統計的に把握して、

アクションプランを考える。

 

これができれば店長として一人前です。

 

 

 

立地改善の第四は、同業店を意識した活動を行うことです。

 

同業店のできないことを、見つけ、

それを強く宣伝、活動できたら最高だと思ってください。

 

そのためには、

常日頃から、同業店がどんな営業をしているか、

情報を集めておくことです。

 

 

直接出向いてお客として観察しても良いですし、

自店舗のお客からそれとなく同業店のことを聞き出すのも良いでしょう。

 

仮に、

自店より同業店が、より駅に近い場所にあるなど、

立地上の優位にあるようなら、

その店前で自店舗の割引券を配るのも良いでしょう。

 

また、

郊外なら、同業店の直前に

自店舗の存在をアピールする野だて看板を設置するのも良いと思います。

 

 

 

以上、立地改善のための4つの方法を示して来ましたが、

それでも客数が増えない、売上げが増えない、ということになったらどうしましょう。

 

その時になって初めて、コスト軽減を考えれば良いのです。

 

 

ちょっと業績が悪くなると、

すぐにコスト削減を行う店やチェーン企業がありますがこれは愚の骨頂です。

 

 

まず、営業力を見直す。そして、立地改善を施す。それでもだめだったら、コスト削減です。

 

 

それでも利益が出ない時はどうしたら良いって?

 

残念ながら、とるべき道は一つ。閉店です。

 

そうならないためにも、出店立地はよくよく考えてくださいね。

 

 

 

 

図3

すき家 看板

「すき家」は、並みの看板でアピールできないところでは、さらに強い看板を掲出している。

 

 

 

図4

看板 なか卯

「なか卯」は、超巨大な看板を2階部分に取り付け、目前を車が通っても見えるようにしている。

 

 

 

飲食店経営2012.3月号

 

 

林原安徳はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。昭和31年さいたま市生まれ。 東京大学卒業後、日本マクドナルド(株)に入社。出店調査部にて、1,000店舗単位の成功を決める「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用する。
独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業をコンサルティングしている。主な著作に「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メールマガジン「ソルブ通信」で最新の立地情報を配信中。

http://www.sorb.co.jp

 

 


 

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