東京都港区南青山2-2-15
これは絶対だめ!出店のタブー立地
これは絶対だめ!「出店のタブー8」
売上予測のソルブ
代表 林原安徳
1.狭い間口と駐車場で産業道路に出てはだめ
乗用車の走っている比率が80%を割ったら、その道は「産業道路」である。残りの多くはトラックなどの特殊車両ばかりだからだ。基本的に、産業道路は、働いている人が走る道路である。それに、トラックが多ければ、視界は遮られるし、スピードも速い。ついつい釣られてどの自動車も早い。運よく自店舗を見つけてくれたとしてもなかなか原則は難しいのだ。その上、間口が狭かったらどうしようもない。ふつうなら6mで良い間口も10mはほしいところ。もちろん、トラックが停められるだけの駐車場の広さを確保すべし。
2.閉鎖商圏に店は禁物。
昔は、小さな団地、住宅地が一つできれば、その中に1店舗はスーパーマーケットができたもの。これが閉鎖商圏。しかし、今や競争激化で、そのほとんどは閉鎖しています。とはいえ、団地や住宅地があって人がたくさんいるというのは魅力的。ついついその気になって、閉鎖商圏の中に物件があると出したくなる。しかし、スーパーと同じく、その中はコンビニにとっても鬼門。もし、出店したいなら、団地への出入口付近で、幹線道路と接しているところにすべき。もちろん、角地でなければいけません。交差点から10m離れただけでだめになってしまう。ましてや、団地の中はだめですよ。
3.踏切・鉄道線路には要注意。
踏切は人々が足を止めてくれるので、ある意味、TG(交通発生源)の役割を果たすもの。しかし、足止めも限度がある。10分も20分もゲートが開かないなんて、いわゆる「開かずの踏切」がありますね。そこまでひどくなくても、ほとんどの人は待つ時間が1分を超えてくるとイライラしてくるもの。ゲートが開いた途端に走り出す人がいるようなら、TGとはいえない。ましてや、店舗の裏が鉄道線路というケースは要注意。これでは店の後ろはおろか、どちらにも商圏は広がりません。まず、繁盛は難しいでしょう。
4.中間線の立地は鬼門
例えば、最寄り駅が2つ(A駅、B駅)あって、同じ路線だとします。ほぼその中間線の近くに店を出してはいけません。なぜでしょうか。あなたが住民の気持ちになって考えればすぐわかります。
A駅に近い側に住んでいたら、A駅に向かうでしょう。B駅に近い側に住んでいたらB駅ですね。すると誰も、あなたの店には来てくれませんね。図を見れば明らか。要するに商圏がないのと同じなのです。
同じようなことは、路地が近くにあることでもおきます。お店が角になくて、路地のほぼ中間点にあるような場合ですね。
5.間口が狭い物件
徒歩での来店を期待しているなら、間口は最低3mは欲しいものです。また、ロードサイドの場合、敷地への出入り間口として6mは必須です。
間口の広さは、立地上2つのことに関係してきます。第一は視界性評価、すなわち見え易さです。間口が狭いことは、店の前をあっという間に通り過ぎてしまうことを意味しますし、看板をうまく見えるように置けなかったり、自転車や人通りが少し増えるだけで店が見えなくなってしまうのです。第二は到達容易性、すなわち、店への入りやすさです。とりわけ、自動車での来店が多い店では、よほど道幅に余裕があるところでもない限り、駐車場は必須です。敷地への出入り間口が5m台になった途端、ほとんどの車は駐車場に入れなくなります。
6.同業店に挟まれる
同業店が隣同士に位置しているというのは、ひじょうによく見かける光景になりました。これでも経営がうまく行くのは、競合しないからではなく、複数の店があることによってその立地に多くの人を呼べるようになったからと考えられます。これを市場拡大と呼んでいますが、これには限度があります。
例えば、徒歩ならば数十メートル、車なら200メートルも互いの店が離れれば、人々にとって立地は明らかに異なっていると感じるものです。
これでもし、左も右もやや離れた位置で挟まれているのなら、その物件での出店は絶対禁物です。左も右も自分の商圏がなくなってしまっているからです。
7.丘の上または坂の途中
地図でみているだけで見落としてしまうのが土地の起伏です。坂道はいろいろなところにあるものです。坂道があると人はどのような心理になるでしょうか?
坂道を上っている人は、早く登り切ってしまおうと思います。下っている人は下る勢いがついていますのでブレーキはかけづらい。いずれにせよ、坂の途中では、人々は店に入ったり、止まったりするのは難しいのです。
また、坂を上りきった丘の上はどうでしょう。この丘の上、または丘を越えて行ったところに何らかの人々を集まらせる施設、すなわちTGがあるなら別ですが、そうでないなら、わざわざ日常で丘の上に登っていく人は少ないものです。丘の上や坂道はタブーです。
8.ガードレールや放置自転車がある
駐車場がないので徒歩での来店しかお客にしないことは勿体ない話です。近くに車を止めてやってきてくれるお客がいるものです。その時、そうしたお客を来店しづらくするものはいろいろありますが、大きいものはガードレールです。女性はもちろん男性もこれを乗り越えるのは難しいものがあります。駅の近くなら、放置自転車や捨て看板なども大いに障害になります。さらに、植込みや電源施設などそうした障害となるものがないか、よくよく注意すべきでしょう。
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24/09/08
23/06/12
22/05/20
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これは絶対だめ!「出店のタブー8」
売上予測のソルブ
代表 林原安徳
1.狭い間口と駐車場で産業道路に出てはだめ
乗用車の走っている比率が80%を割ったら、その道は「産業道路」である。残りの多くはトラックなどの特殊車両ばかりだからだ。基本的に、産業道路は、働いている人が走る道路である。それに、トラックが多ければ、視界は遮られるし、スピードも速い。ついつい釣られてどの自動車も早い。運よく自店舗を見つけてくれたとしてもなかなか原則は難しいのだ。その上、間口が狭かったらどうしようもない。ふつうなら6mで良い間口も10mはほしいところ。もちろん、トラックが停められるだけの駐車場の広さを確保すべし。
2.閉鎖商圏に店は禁物。
昔は、小さな団地、住宅地が一つできれば、その中に1店舗はスーパーマーケットができたもの。これが閉鎖商圏。しかし、今や競争激化で、そのほとんどは閉鎖しています。とはいえ、団地や住宅地があって人がたくさんいるというのは魅力的。ついついその気になって、閉鎖商圏の中に物件があると出したくなる。しかし、スーパーと同じく、その中はコンビニにとっても鬼門。もし、出店したいなら、団地への出入口付近で、幹線道路と接しているところにすべき。もちろん、角地でなければいけません。交差点から10m離れただけでだめになってしまう。ましてや、団地の中はだめですよ。
3.踏切・鉄道線路には要注意。
踏切は人々が足を止めてくれるので、ある意味、TG(交通発生源)の役割を果たすもの。しかし、足止めも限度がある。10分も20分もゲートが開かないなんて、いわゆる「開かずの踏切」がありますね。そこまでひどくなくても、ほとんどの人は待つ時間が1分を超えてくるとイライラしてくるもの。ゲートが開いた途端に走り出す人がいるようなら、TGとはいえない。ましてや、店舗の裏が鉄道線路というケースは要注意。これでは店の後ろはおろか、どちらにも商圏は広がりません。まず、繁盛は難しいでしょう。
4.中間線の立地は鬼門
例えば、最寄り駅が2つ(A駅、B駅)あって、同じ路線だとします。ほぼその中間線の近くに店を出してはいけません。なぜでしょうか。あなたが住民の気持ちになって考えればすぐわかります。
A駅に近い側に住んでいたら、A駅に向かうでしょう。B駅に近い側に住んでいたらB駅ですね。すると誰も、あなたの店には来てくれませんね。図を見れば明らか。要するに商圏がないのと同じなのです。
同じようなことは、路地が近くにあることでもおきます。お店が角になくて、路地のほぼ中間点にあるような場合ですね。
5.間口が狭い物件
徒歩での来店を期待しているなら、間口は最低3mは欲しいものです。また、ロードサイドの場合、敷地への出入り間口として6mは必須です。
間口の広さは、立地上2つのことに関係してきます。第一は視界性評価、すなわち見え易さです。間口が狭いことは、店の前をあっという間に通り過ぎてしまうことを意味しますし、看板をうまく見えるように置けなかったり、自転車や人通りが少し増えるだけで店が見えなくなってしまうのです。第二は到達容易性、すなわち、店への入りやすさです。とりわけ、自動車での来店が多い店では、よほど道幅に余裕があるところでもない限り、駐車場は必須です。敷地への出入り間口が5m台になった途端、ほとんどの車は駐車場に入れなくなります。
6.同業店に挟まれる
同業店が隣同士に位置しているというのは、ひじょうによく見かける光景になりました。これでも経営がうまく行くのは、競合しないからではなく、複数の店があることによってその立地に多くの人を呼べるようになったからと考えられます。これを市場拡大と呼んでいますが、これには限度があります。
例えば、徒歩ならば数十メートル、車なら200メートルも互いの店が離れれば、人々にとって立地は明らかに異なっていると感じるものです。
これでもし、左も右もやや離れた位置で挟まれているのなら、その物件での出店は絶対禁物です。左も右も自分の商圏がなくなってしまっているからです。
7.丘の上または坂の途中
地図でみているだけで見落としてしまうのが土地の起伏です。坂道はいろいろなところにあるものです。坂道があると人はどのような心理になるでしょうか?
坂道を上っている人は、早く登り切ってしまおうと思います。下っている人は下る勢いがついていますのでブレーキはかけづらい。いずれにせよ、坂の途中では、人々は店に入ったり、止まったりするのは難しいのです。
また、坂を上りきった丘の上はどうでしょう。この丘の上、または丘を越えて行ったところに何らかの人々を集まらせる施設、すなわちTGがあるなら別ですが、そうでないなら、わざわざ日常で丘の上に登っていく人は少ないものです。丘の上や坂道はタブーです。
8.ガードレールや放置自転車がある
駐車場がないので徒歩での来店しかお客にしないことは勿体ない話です。近くに車を止めてやってきてくれるお客がいるものです。その時、そうしたお客を来店しづらくするものはいろいろありますが、大きいものはガードレールです。女性はもちろん男性もこれを乗り越えるのは難しいものがあります。駅の近くなら、放置自転車や捨て看板なども大いに障害になります。さらに、植込みや電源施設などそうした障害となるものがないか、よくよく注意すべきでしょう。
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●目指せ多店舗経営 月刊コンビニ連載2012年8月号
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●利益の出る売上、利益の出ない売上を分ける出店戦略。撤退も速いほど良い。