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立地調査(東京)「200m」という不思議な距離-2
人は知らない土地を200m以上歩かない。立地調査(東京)
これを「回遊限界」と呼んでいます。
人はあるコンビニ店で特定の商品を見つけられなかったからといって次のコンビニまで200mもあるとそこまで歩こうとはしない。
逆に、どんなにコンビニが密集していてもそれらが200m以内にあれば、人はコンビニ間を回遊する。そういった事象をよく見かけます。
また、商店街やモールなどもそうです。入り口付近から200m以上も入ると、自転車は別として、客層ががらりと変わっている。実査中ほとんど近い距離で歩いていた上品なご婦人がいなくなっている。反対に子連れの若い主婦、あるいは学生やOLが増えている。こんな経験をよくします。立地調査(東京)
吉祥寺という街がありますが、大型小売店が東急、西友、パルコ、丸井、ヨドバシカメラ・・といくつもあり、東京都内、都下からたくさんの人々を招いていますが、この大きな街も駅からおおむね200m内にすっぽり入ってしまいます(下図 )。
図2 吉祥寺のマクドナルドを中心に200mの円を描くと、吉祥寺の主な大型商業施設がスッポリ入ってしまう。これは、すべて200mという回遊限界の中にあることを意味している。吉祥寺がとりわけ商業発展性が高いのはこのせいだとも言えます。
立地調査(東京)
そして、この200mを超えると上記のように、“客層”ががらりと変わる。
これはたまたまなのでしょうか。そこで、吉祥寺よりマーケットが大きい新宿をみてみましょう。
図3 新宿の東口は3つの異なる回遊動線が出来ています。Aは靖国通り以北、Bは同通りから甲州街道まで、Cは同街道以南です。
さすがに、“スッポリ”とは行きませんが、そして、少々の重なりがありますが、少なくとも新宿駅東口周辺には、3つの回遊円(地帯)を設定することができます。
調査(東京)
これらの間、街の特性もやってくる人達の目的も異なります。北から順にA、B、Cとすれば、Aは旧“コマ劇場”を中心とした飲食、レジャー街。Bは三越、伊勢丹、丸井などのその多くは高級志向の店で、集まる人々は女性が多く、ファッションと流行を気にする人が多い。Cは新しい地域。Bに近いが、年齢層はBよりやや低く、男性やカップルが中心。
来街している人が異なり、目的も異なる3つの地域があると考えると、新宿という超広域マーケットは理解しやすいですね。立地調査(東京)
200m離れると競合影響が強くなる
立地を評価するとき大きなウェイトを占めるのが、同業店の存在です。同業店が出ているから弊社は出店をとりやめようという弱気な企業もあれば、同業店があろうと勝ち抜けるから出店しようという強気な企業もあります。いずれにせよ、同業店の存在は意識するものです。
立地論では、競合とは、市場拡大と競争という2つの異なる作用の結果であるとされています。つまり、同業店があると、その同業店のおかげで市場が拡大する作用が起きると同時に、お客様に比較されることによって、店の優劣が評価されるようになる。これが競争です。
同業店の存在によって、どれだけ客数が増えるかを示したものが市場拡大係数ですが、これは通常1.4から2くらいの値をとります。競争は相対的なものですので、これを数値化したものが競争力係数です。1が基準となり、片方が1.2であれば、もう一方は0.8という具合です。調査(東京)
さて、自店舗の隣りに、同業店がオープンした。しかし、売上げはほとんど落ちなかった。こういう事例がたくさん報告されています。これとは反対に、離れているのでほとんど影響はないと思っていたのに、オープンした途端、自店舗の売上げが下がった。こういう事例が時々見つかります。
それが決まって、店と店の間の距離が200mなのです。
ですから、最近は、近距離に同業店が出てもあまり心配する必要はない、それよりどの位の距離に出るかを聞かせてください、と言うことにしています。
店が互いに近いと、その地点への集客効果(市場拡大)は大きくなるが、この200mという距離があるとその効果が途端に下がってしまう。先ほどの回遊限界と関係しているのかもしれません。立地調査(東京)
ちなみに、この200mは徒歩圏のみならず、自動車来店客を対象とした立地でも起きるようです。不思議ですね。
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人は知らない土地を200m以上歩かない。立地調査(東京)
これを「回遊限界」と呼んでいます。
人はあるコンビニ店で特定の商品を見つけられなかったからといって次のコンビニまで200mもあるとそこまで歩こうとはしない。
逆に、どんなにコンビニが密集していてもそれらが200m以内にあれば、人はコンビニ間を回遊する。そういった事象をよく見かけます。
また、商店街やモールなどもそうです。入り口付近から200m以上も入ると、自転車は別として、客層ががらりと変わっている。実査中ほとんど近い距離で歩いていた上品なご婦人がいなくなっている。反対に子連れの若い主婦、あるいは学生やOLが増えている。こんな経験をよくします。立地調査(東京)
吉祥寺という街がありますが、大型小売店が東急、西友、パルコ、丸井、ヨドバシカメラ・・といくつもあり、東京都内、都下からたくさんの人々を招いていますが、この大きな街も駅からおおむね200m内にすっぽり入ってしまいます(下図 )。
図2 吉祥寺のマクドナルドを中心に200mの円を描くと、吉祥寺の主な大型商業施設がスッポリ入ってしまう。これは、すべて200mという回遊限界の中にあることを意味している。吉祥寺がとりわけ商業発展性が高いのはこのせいだとも言えます。
立地調査(東京)
そして、この200mを超えると上記のように、“客層”ががらりと変わる。
これはたまたまなのでしょうか。そこで、吉祥寺よりマーケットが大きい新宿をみてみましょう。
図3 新宿の東口は3つの異なる回遊動線が出来ています。Aは靖国通り以北、Bは同通りから甲州街道まで、Cは同街道以南です。
立地調査(東京)
さすがに、“スッポリ”とは行きませんが、そして、少々の重なりがありますが、少なくとも新宿駅東口周辺には、3つの回遊円(地帯)を設定することができます。
調査(東京)
これらの間、街の特性もやってくる人達の目的も異なります。北から順にA、B、Cとすれば、Aは旧“コマ劇場”を中心とした飲食、レジャー街。Bは三越、伊勢丹、丸井などのその多くは高級志向の店で、集まる人々は女性が多く、ファッションと流行を気にする人が多い。Cは新しい地域。Bに近いが、年齢層はBよりやや低く、男性やカップルが中心。
調査(東京)
来街している人が異なり、目的も異なる3つの地域があると考えると、新宿という超広域マーケットは理解しやすいですね。立地調査(東京)
200m離れると競合影響が強くなる
立地を評価するとき大きなウェイトを占めるのが、同業店の存在です。同業店が出ているから弊社は出店をとりやめようという弱気な企業もあれば、同業店があろうと勝ち抜けるから出店しようという強気な企業もあります。いずれにせよ、同業店の存在は意識するものです。
立地論では、競合とは、市場拡大と競争という2つの異なる作用の結果であるとされています。つまり、同業店があると、その同業店のおかげで市場が拡大する作用が起きると同時に、お客様に比較されることによって、店の優劣が評価されるようになる。これが競争です。
同業店の存在によって、どれだけ客数が増えるかを示したものが市場拡大係数ですが、これは通常1.4から2くらいの値をとります。競争は相対的なものですので、これを数値化したものが競争力係数です。1が基準となり、片方が1.2であれば、もう一方は0.8という具合です。調査(東京)
さて、自店舗の隣りに、同業店がオープンした。しかし、売上げはほとんど落ちなかった。こういう事例がたくさん報告されています。これとは反対に、離れているのでほとんど影響はないと思っていたのに、オープンした途端、自店舗の売上げが下がった。こういう事例が時々見つかります。
それが決まって、店と店の間の距離が200mなのです。
ですから、最近は、近距離に同業店が出てもあまり心配する必要はない、それよりどの位の距離に出るかを聞かせてください、と言うことにしています。
店が互いに近いと、その地点への集客効果(市場拡大)は大きくなるが、この200mという距離があるとその効果が途端に下がってしまう。先ほどの回遊限界と関係しているのかもしれません。立地調査(東京)
ちなみに、この200mは徒歩圏のみならず、自動車来店客を対象とした立地でも起きるようです。不思議ですね。
立地調査(東京)
私は、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
有)ソルブ(StoreOpeningRiskBusters) 林原安徳 調査(東京)
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