048-711-7195
107-0062 東京都港区南青山2-2-15-942
月~金 9:00~18:00
スーパーを狙打ち!大型セブン
スーパーマーケットを狙い打ち!セブンイレブン大型プロトタイプ店の勝算
はじめに
スーパーとセブンの出店商圏
そもそも、神奈川県内におけるセブンイレブン(以下、セブン)と各スーパーマーケット(以下、SM)が出店している商圏はどのようであるのか、その違いを探るべく統計情報を探った。対象は昭文社が2013年7月時点で公開している県内全店でセブンが836店、SMが698店である。
この結果が、表1「300m圏統計値」の右側に載せてある「県内セブン平均」と「県内SM平均」である。
一見して、わかるように、小売年間販売額を除き、ほぼすべての統計値において両者はきわめて似ている。同一と言っても良いくらいである。
しかし、その小売年間販売額においては差が額にして20億円であるが、この統計に含まれているであろうSM自身の年商(13億円、注)を除いても7億円、率にして13%の差異がある。これは集客力の高いSMが他の商業施設を呼び込んでいることが大きな要因であろう。また、セブンよりも商店街に近い場所に出店しているためであるとも言える。
いずれにせよ、300mという限られた範囲で言えば、セブンもSMはすでにきわめて似た商圏に出店してしまっているのであって、競争、あるいは競合・共存は今始まったことではないことが受け取れる。要は、SMがセブンより広い範囲から人々を集めている=商圏が大きいだけに過ぎない。
それを可能にしているのは、店舗面積が大きいことによる品揃えの豊富さ、安さ、また、駐輪場や駐車場の広さなどであることは論を待たない。
では、セブンがSMと同程度の規模を出した場合、どのようなことが起きるのであろうか。
セブンイレブン川崎登戸駅前店の商圏状況
さて、ここで表1「300m圏統計値」を再度見ていただきたい。
30項目中、19項目で、セブンの平均を上回っている。偏差値で見ると、とりわけ、1人世帯72、民営借家世帯75、年収1500万円以上70であり、きわめて高いと考えて良い(統計的に偏差値が70を超えるのは全体の5%以下である)。
一方、小売年間販売額は平均より17億円ほど少ないが、偏差値にすれば48であり、気になるような差異とは言えない。
この違いから言えることは、ここで、「実験的」試みが達成されたとした場合、これを他の地域商圏でそのまま適用し得るかどうか、やや気になるということである。
商圏の特徴、とりわけ質的な面で次の5つの視点(人口ピラミッド、通勤通学手段、経年推移、年収別世帯数、人口予測)からさらに詳細に見て行く。
このグラフをみてすぐにわかることは、20歳から30歳代までの4階層の人口が男女ともに群を抜いて多いという点である。この層は、大学生と大学院生、専門学校生の年齢層とおおむね合致する(2km圏に明治大学生田キャンパス、専修大学生田校がある)。20~39歳だけで全体の45.1%、ほぼ半数を占めているというのは、きわめて珍しく、店作りやマーケティングにおいてこの層を意識しない手はないと言える。
駅に近いので当然なのだが、鉄道利用者がほぼ7割を占める。通勤時間において1~1・5時間が最も多く、この周辺が東京都心まで通っている人々のベッドタウンになっていることを示している。また、川崎、横浜方向などへも交通の便が良く、学生が就職後においてもこの地に留まっていることを推察させる。
国内人口が減少傾向にある中、この周辺の5年間における人口増加9・6%は異例な増加と言える。この需要増に対して、商店数、小売年間販売額は10%以上の減少と全く逆の傾向を示している。これは駅を中心とした再開発工事に大きく影響を受けた結果と思われるが、このことは、ある意味「店を出せば売れる」というきわめて異例なマーケット状況にあると考えられる。
商圏の特徴の中で、最も異例な状況がこの年収別世帯数である。元来、学生の単身世帯が増えるような地域では、年収300万円以下の人口も増える傾向にあるが、この登戸周辺だけは全く異なり、その層はむしろ少ない。そして、900万円以上の人口割合が神奈川県内平均を大きく上回っている。
年齢別人口と照らし合わせてみれば、「若く裕福な人々が多い」という登戸の意外な側面が映し出される。
今後の人口も増え続け、25年後にはさらに15%増になる。これも将来マーケットを安心させる数字である。
このように、統計値からは、どんな商売をするにせよ、この駅周辺がきわめて有望な地域であることがわかる。
言い換えれば、この周辺は、「高齢者中心」の街でもなければ、「主婦、女性」を主たるターゲットとした店作りをすれば済むというマーケットでもない。このことを念頭に入れなければいかなる売上増も望めないと言える。
では、こうしたマーケットにおいて、分析対象以外のコンビニ各店はどの立地でどのようにそのポテンシャル(潜在需要)を吸引しようとしているのだろうか、実査で確認した。
サンクス②は、小田急側の駅口から続く小さな商店街とJR線を踏切でまたいで来た道路の交差点角地に位置している。
それらTG(交通発生源)に加えて、スーパー「ベンガベンガ」はさらに強いTGであり、通行人対象とした立地として最良の立地と言ってよい。間口も広く、およそ周辺の人々でこの店の存在が知られないことはないと考えられる。
LAWSON STORE100③は、②からわずか40mと近く、かつ②と同じ踏切と店前交差点をTGとしている。
商圏の広がりは北、北西方向に限られ、②に比べ立地上の苦戦は強いられる。業態が異なっているもののその魅力は、スーパー「ベンガベンガ」に営業時間以外で優ることはない。
セブン④
店前がYの字に分岐する交差点であり、かつ、店側に寄せて自動車の停車も不可能ではない。しかし、セブンとしては珍しいくらいの中途半端な立地と言わざるを得ない。
これに対して、サンクス⑤は、明確に車ドライバーを意識して、駐車場を10台分確保している。店側の視界性評価は良く、その衝動来店を誘うことが可能である。
一方、サンクス⑥は、小田急線を挟んで⑤とは反対の東側に位置し、おおむね東方向からの来店を押さえようとしている。マンションの1Fながら店をセットバックして、車4台分の駐車を確保している。
ファミリーマート⑦の立地も中途半端だ。店前道路に車が通ることがたまに見受けられるていどなので、通行人を対象とした好立地かと言えばそうとも言えない。周辺の人々にとって、店前を通る必然性や利便性は高いとは言えないからだ。
サンクス⑧は駅前道路に面していると同時に、すぐ隣に、1000台以上収容可能な大きな駐輪場を擁している。通勤通学に使われていると思われるが、朝夕の強いTGであり、立地上の優位点である。
ファミリーマート⑨は、その⑧と同じ動線上、より駅に近い側に位置しておりそれだけ⑧に強い影響を与える立地である。
ローソン⑩の位置は、すでに登戸駅の駅勢圏内になく、隣の向ヶ丘遊園駅直近であり、かつ、今回の対象、セブン①の商圏に対して明確な制約を与える距離(366m)にある。
総評
では、以上の知見を元にして何が言えるであろうか。
まず、立地であるが、[1]駅が近いと言えども、強いTGもなければ、動線もない。したがって周辺のポテンシャルを独占するにはほど遠い位置である(駐車場もないため自動車来店も期待できない)。[2]コンビニ各社に対しても、相対的に優れた立地にあるとは言えない。むしろ、西のローソン⑩、東のファミリーマート⑨、サンクス⑩によって西南、南側、東側の商圏はきわめて制約を受けるものとなっているばかりか、西側、北側にはまったく広がらない。[3]JR線登戸駅改札口の直前と絶好の立地にスーパー「味の食彩館」、店直近90mには地域一番店を目指す「ベンガベンガ」がありこの2強SMが、立地上ほぼ生鮮品の需要を独占している。したがって、スーパーに対する生鮮面での参入は困難である。
これらに加えて、すでに見てきたように、商圏の質的側面に即しているかどうかという点で疑問が残るものとなっている。
それは、本誌7月号で解明されたように、対象セブンの顧客ターゲットが「女性とシニア」となっているが、これが商圏データが示す「若く・裕福」という事実とどのようにリンクするのであろうか。MDが商圏の実態を超えた実力を示すことができるのであるのか、筆者には推し量るすべがない。
さて、このようなMDと商圏属性におけるギクシャクを残したまま、セブンが大型プロトタイプ店を出してきた狙いは何であろうか。
それは、3つ推定することができる。
第一に、競争過多の中で、とりわけセブンとしても劣位な立地の中において単純に、コンビニにおいても規模の力が通用するかどうか。
第二に、登戸駅の特性である。小田急線は千代田線とつながり都心へ、JR線は川崎、横浜へ、つながっていく。とりも直さず、この店における成功は沿線を通して速やかに広げていくことが可能と考えた。
第三は、商圏の実態を見誤った。あるいは、見なかったか、見ようとしなかったか。
以上の3つである。
今後の予測
では、このセブンに勝算はあるだろうか?
はっきり言って、それは難しい。その理由は、この店舗が生鮮品を置いていないからではない。MDやサービス、店内の作りを問題にしているわけではない。それは、むしろ論外である。セブンのやり方の延長上のいかなる方策があるのかは見えないが、少なくともこれほど、商圏の質について問題にしていないというのは困りものとしか言いようがない。
人口の約半数を占める20代、30代の単身者世帯。県内においてもっとも可処分所得が高いと言えそうな人口構成。そして、稀にみる人口増加。こうした事実を取り込んだ見直しが無い限り、早晩、困難な状況に陥ることは必至と考える。反対に、見直しが成功したなら、この店はじゅうぶんな恩恵を受けると思われる。ただ、その場合でも、ここでの成功がただちにモデルケースとなるか。それは、否である。すでに見てきたようにここはあまりに商圏が特殊であるからである。
注) 2013年度版スーパーマーケット白書より
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
TOP
スーパーマーケットを狙い打ち!セブンイレブン大型プロトタイプ店の勝算
はじめに
スーパーとセブンの出店商圏
そもそも、神奈川県内におけるセブンイレブン(以下、セブン)と各スーパーマーケット(以下、SM)が出店している商圏はどのようであるのか、その違いを探るべく統計情報を探った。対象は昭文社が2013年7月時点で公開している県内全店でセブンが836店、SMが698店である。
この結果が、表1「300m圏統計値」の右側に載せてある「県内セブン平均」と「県内SM平均」である。
一見して、わかるように、小売年間販売額を除き、ほぼすべての統計値において両者はきわめて似ている。同一と言っても良いくらいである。
しかし、その小売年間販売額においては差が額にして20億円であるが、この統計に含まれているであろうSM自身の年商(13億円、注)を除いても7億円、率にして13%の差異がある。これは集客力の高いSMが他の商業施設を呼び込んでいることが大きな要因であろう。また、セブンよりも商店街に近い場所に出店しているためであるとも言える。
いずれにせよ、300mという限られた範囲で言えば、セブンもSMはすでにきわめて似た商圏に出店してしまっているのであって、競争、あるいは競合・共存は今始まったことではないことが受け取れる。要は、SMがセブンより広い範囲から人々を集めている=商圏が大きいだけに過ぎない。
それを可能にしているのは、店舗面積が大きいことによる品揃えの豊富さ、安さ、また、駐輪場や駐車場の広さなどであることは論を待たない。
では、セブンがSMと同程度の規模を出した場合、どのようなことが起きるのであろうか。
セブンイレブン川崎登戸駅前店の商圏状況
さて、ここで表1「300m圏統計値」を再度見ていただきたい。
30項目中、19項目で、セブンの平均を上回っている。偏差値で見ると、とりわけ、1人世帯72、民営借家世帯75、年収1500万円以上70であり、きわめて高いと考えて良い(統計的に偏差値が70を超えるのは全体の5%以下である)。
一方、小売年間販売額は平均より17億円ほど少ないが、偏差値にすれば48であり、気になるような差異とは言えない。
この違いから言えることは、ここで、「実験的」試みが達成されたとした場合、これを他の地域商圏でそのまま適用し得るかどうか、やや気になるということである。
商圏の特徴、とりわけ質的な面で次の5つの視点(人口ピラミッド、通勤通学手段、経年推移、年収別世帯数、人口予測)からさらに詳細に見て行く。
このグラフをみてすぐにわかることは、20歳から30歳代までの4階層の人口が男女ともに群を抜いて多いという点である。この層は、大学生と大学院生、専門学校生の年齢層とおおむね合致する(2km圏に明治大学生田キャンパス、専修大学生田校がある)。20~39歳だけで全体の45.1%、ほぼ半数を占めているというのは、きわめて珍しく、店作りやマーケティングにおいてこの層を意識しない手はないと言える。
駅に近いので当然なのだが、鉄道利用者がほぼ7割を占める。通勤時間において1~1・5時間が最も多く、この周辺が東京都心まで通っている人々のベッドタウンになっていることを示している。また、川崎、横浜方向などへも交通の便が良く、学生が就職後においてもこの地に留まっていることを推察させる。
国内人口が減少傾向にある中、この周辺の5年間における人口増加9・6%は異例な増加と言える。この需要増に対して、商店数、小売年間販売額は10%以上の減少と全く逆の傾向を示している。これは駅を中心とした再開発工事に大きく影響を受けた結果と思われるが、このことは、ある意味「店を出せば売れる」というきわめて異例なマーケット状況にあると考えられる。
商圏の特徴の中で、最も異例な状況がこの年収別世帯数である。元来、学生の単身世帯が増えるような地域では、年収300万円以下の人口も増える傾向にあるが、この登戸周辺だけは全く異なり、その層はむしろ少ない。そして、900万円以上の人口割合が神奈川県内平均を大きく上回っている。
年齢別人口と照らし合わせてみれば、「若く裕福な人々が多い」という登戸の意外な側面が映し出される。
今後の人口も増え続け、25年後にはさらに15%増になる。これも将来マーケットを安心させる数字である。
このように、統計値からは、どんな商売をするにせよ、この駅周辺がきわめて有望な地域であることがわかる。
言い換えれば、この周辺は、「高齢者中心」の街でもなければ、「主婦、女性」を主たるターゲットとした店作りをすれば済むというマーケットでもない。このことを念頭に入れなければいかなる売上増も望めないと言える。
では、こうしたマーケットにおいて、分析対象以外のコンビニ各店はどの立地でどのようにそのポテンシャル(潜在需要)を吸引しようとしているのだろうか、実査で確認した。
サンクス②は、小田急側の駅口から続く小さな商店街とJR線を踏切でまたいで来た道路の交差点角地に位置している。
それらTG(交通発生源)に加えて、スーパー「ベンガベンガ」はさらに強いTGであり、通行人対象とした立地として最良の立地と言ってよい。間口も広く、およそ周辺の人々でこの店の存在が知られないことはないと考えられる。
LAWSON STORE100③は、②からわずか40mと近く、かつ②と同じ踏切と店前交差点をTGとしている。
商圏の広がりは北、北西方向に限られ、②に比べ立地上の苦戦は強いられる。業態が異なっているもののその魅力は、スーパー「ベンガベンガ」に営業時間以外で優ることはない。
セブン④
店前がYの字に分岐する交差点であり、かつ、店側に寄せて自動車の停車も不可能ではない。しかし、セブンとしては珍しいくらいの中途半端な立地と言わざるを得ない。
これに対して、サンクス⑤は、明確に車ドライバーを意識して、駐車場を10台分確保している。店側の視界性評価は良く、その衝動来店を誘うことが可能である。
一方、サンクス⑥は、小田急線を挟んで⑤とは反対の東側に位置し、おおむね東方向からの来店を押さえようとしている。マンションの1Fながら店をセットバックして、車4台分の駐車を確保している。
ファミリーマート⑦の立地も中途半端だ。店前道路に車が通ることがたまに見受けられるていどなので、通行人を対象とした好立地かと言えばそうとも言えない。周辺の人々にとって、店前を通る必然性や利便性は高いとは言えないからだ。
サンクス⑧は駅前道路に面していると同時に、すぐ隣に、1000台以上収容可能な大きな駐輪場を擁している。通勤通学に使われていると思われるが、朝夕の強いTGであり、立地上の優位点である。
ファミリーマート⑨は、その⑧と同じ動線上、より駅に近い側に位置しておりそれだけ⑧に強い影響を与える立地である。
ローソン⑩の位置は、すでに登戸駅の駅勢圏内になく、隣の向ヶ丘遊園駅直近であり、かつ、今回の対象、セブン①の商圏に対して明確な制約を与える距離(366m)にある。
総評
では、以上の知見を元にして何が言えるであろうか。
まず、立地であるが、[1]駅が近いと言えども、強いTGもなければ、動線もない。したがって周辺のポテンシャルを独占するにはほど遠い位置である(駐車場もないため自動車来店も期待できない)。[2]コンビニ各社に対しても、相対的に優れた立地にあるとは言えない。むしろ、西のローソン⑩、東のファミリーマート⑨、サンクス⑩によって西南、南側、東側の商圏はきわめて制約を受けるものとなっているばかりか、西側、北側にはまったく広がらない。[3]JR線登戸駅改札口の直前と絶好の立地にスーパー「味の食彩館」、店直近90mには地域一番店を目指す「ベンガベンガ」がありこの2強SMが、立地上ほぼ生鮮品の需要を独占している。したがって、スーパーに対する生鮮面での参入は困難である。
これらに加えて、すでに見てきたように、商圏の質的側面に即しているかどうかという点で疑問が残るものとなっている。
それは、本誌7月号で解明されたように、対象セブンの顧客ターゲットが「女性とシニア」となっているが、これが商圏データが示す「若く・裕福」という事実とどのようにリンクするのであろうか。MDが商圏の実態を超えた実力を示すことができるのであるのか、筆者には推し量るすべがない。
さて、このようなMDと商圏属性におけるギクシャクを残したまま、セブンが大型プロトタイプ店を出してきた狙いは何であろうか。
それは、3つ推定することができる。
第一に、競争過多の中で、とりわけセブンとしても劣位な立地の中において単純に、コンビニにおいても規模の力が通用するかどうか。
第二に、登戸駅の特性である。小田急線は千代田線とつながり都心へ、JR線は川崎、横浜へ、つながっていく。とりも直さず、この店における成功は沿線を通して速やかに広げていくことが可能と考えた。
第三は、商圏の実態を見誤った。あるいは、見なかったか、見ようとしなかったか。
以上の3つである。
今後の予測
では、このセブンに勝算はあるだろうか?
はっきり言って、それは難しい。その理由は、この店舗が生鮮品を置いていないからではない。MDやサービス、店内の作りを問題にしているわけではない。それは、むしろ論外である。セブンのやり方の延長上のいかなる方策があるのかは見えないが、少なくともこれほど、商圏の質について問題にしていないというのは困りものとしか言いようがない。
人口の約半数を占める20代、30代の単身者世帯。県内においてもっとも可処分所得が高いと言えそうな人口構成。そして、稀にみる人口増加。こうした事実を取り込んだ見直しが無い限り、早晩、困難な状況に陥ることは必至と考える。反対に、見直しが成功したなら、この店はじゅうぶんな恩恵を受けると思われる。ただ、その場合でも、ここでの成功がただちにモデルケースとなるか。それは、否である。すでに見てきたようにここはあまりに商圏が特殊であるからである。
注) 2013年度版スーパーマーケット白書より