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コンビニ2号店のための立地判断 43+39
2号店のための立地判断 43+39のポイント 売上予測の(有)ソルブ
代表 林原安徳
–>ダウンロードできます。
コンビニ店を開発できる立地は、まだまだ多い。チェック表には通行人対象立地で43ポイント、車ドライバー対象立地で39ポイントを挙げた。
もとより、これだけでは万全ではない。しかし、これらは代表選手であるので必ず確認してほしい。
まず、通行人対象立地について解説していこう。
この立地で注意すべき観点は大きく分けると、商圏規模・商圏の質・TG・動線・視界性・物件自体の6通りある。
立地で最も重要なことはこの「商圏規模」である。商圏規模が大きければ、競合店が多くても心配は少ない。
この商圏規模を大きくする要因の第一はTG(トラフィックジェネレーター、交通発生源のこと。ティージーと呼ぶ)である。だから、一番にチェックする。
また、店前通行量の多さ(ボリューム)は必ずしも繁盛の要因ではないが、知っておくことに越したことはない。2番、3番はそのチェックである。「他の時間帯と比べて」著しく大きいかどうかを調べておこう。
4番。周辺住民の多さ=人口も肝心なことである。容易に歩いて来られる500メートル圏内を調べる。
5番。人口が少なくても商業集積力が高ければ良い。小売年間販売額がその指標となる。
これらのデータはわざわざ市区役所へ出向かなくても、GIS(ジス:地理情報システム)を使えば直ちに判明する。ただし、GISは高額で操作が難しいので、弊社の集計ソフト(注)をご一考されたい。
6番。最寄り駅までの距離はせいぜい300mくらいだ。
7番。幹線道路に面してお店を出せばなんとかなると考える人がいるがこれは誤り。駐車場もないのに、幹線道路からお客を呼べるわけがない。例外は、横断歩道である。これが店舗直前にあれば、そこに人々は集まる。
8番、9番。踏切や橋のそばも好立地である。
10番。同業店が近くに出店していたら、レジの台数は要チェック。2台以上あるならチャンスは自分にもある。
11番。商店街の中に入ってしまうと、なかなか売上げを上げるのは難しい。むしろ、商店街からやや離れるくらいがちょうど良い。
12番。「まとまった人口密集」とは、立地用語では「ポテンシャルクラスター、PC、ピーシー」と呼んでいる。需要集合体という意味である。このPCには、高層マンションなども含まれる(18番)。
「そこ(PC)と通じる道」があることが重要なことである。できれば、店の脇の小路が通じていると良い。
13番。PCには事業所密集地域も含まれる。「容易に」という点が重要である。川や道路などがあって遠回りをしないと来られないではだめだ。
14番。もし、鉄道線路に沿った道路に出店するならば、駅と駅の中間地点はぜったい避けなければならない立地である。そこに出すと商圏は著しく狭くなるからだ。
15番。碁盤の目とは、複数道路が縦に、横にいくつも直行しているような構造を言う。こういう地域の道路は、どこを通っても目的地に行けるため人々の行動は分散化してしまう。こうした道路沿いは避けたほうが良い。
16番。地形の特徴で、物件の回りがせりあがっていて、その上がったほうに住宅や事務所がある。これをすり鉢商圏と言い、有利な立地である。ただし、物件のある低地から駅などの中心地へ向かっていくことができることが条件である。低地ならどこでも良いというわけではない。
17番。その反対に物件が丘の頂上にあったり、そこから下りてくるような急斜面な道路沿いであったりしてはだめである。
18番。ホテルはシティーホテルであれビジネスホテルであれ、大きなPCと考えて良い。
ここからは、商圏の質に関するチェックである。とりわけ需要や流入の有無を中心に見ていくことがポイントである。
19番。まだ開発したての新しい住宅街だと商店もまばらなことがよくある。新興住宅はねらい目であるから、ふだんから折り込みチラシなどをよくチェックしておくことだ。
20番。また、住民の生活レベルがどの程度高いかどうかもチェックしておこう。コンビニに限らずすべての商売は「品揃えのミスマッチ」が起きると致命的である。
21番。通行人にまんべんなく老若男女が含まれていることが重要だ。その方がビジネスチャンスは広がるからだ。
22番。土日になると誰も歩いていない。そういう商圏も確かに存在するので注意。
23番。通常の商圏では平日は仕事で「流出」してしまうものである。しかし、事業所が多ければ、逆に流入してくる場合もある。これは大きなプラスである。
24番。「事業所過剰」とはオフィス性向が高いことを意味する。そんなに多くはないが注意するに越したことはない地域だ。
25番。これも注意するに越したことはない項目である。周辺を調査してみれば一目瞭然でわかることだ。
次は、TGだ。すでに商圏規模でも取り上げたが、このTGと物件との位置関係がとても重要である。
26番。ここでは駅を100m以内としている。駅の影響を大きく受ける可能性がある範囲だからである。
27番。TGは駅や商業施設ばかりではない。ここに記載した広場や横断歩道、踏切などの場所もTGである。そこで人々は、静止状態になる。これが重要な点で、こうなると人はわりと周辺を落ち着いて見回す。その視界にあなたの店があれば、来店してくれる可能性は高い。
28番。年商30億円は、スーパーマーケットではなかなかいかない。かなり大型の店である。
29番。大きな交差点は、たいてい有力なTGになり得る。
30番、31番。横断歩道や橋も同様である。
動線とは、「日常生活行動線」のことである。
32番。これは当然徒歩や自転車で通るかどうかを意味している。
33番。駅を「1」と数える。
そこで正面、右、左の3方向に分かれる。だから、駅から2個目の分岐点に来るまでに、駅の影響力は3分の1に減る。だから4番目の分岐点では27分の1になる。駅の影響をほとんど受けなくなる。
34番。50mは大きな建物1つ分である。
35番。商店街の入り口は、さほど強いTGではない。その分、入り口に近いことが必要だ。
視界性と視認性は異なる。
前者は、知覚するかしないかを問題にするが、後者はさらに、その物件の業種業態を「認識する」かどうかまで問題にする。
コンビニの業態について日本人のほとんどは、それが何であるかを問う必要はない。したがって、視認性よりも、「視界性」が重要である。
36番。「自然に」というところがポイント。「意識的に振り向く」・「探さなければ見えない」では、「自然に」知覚できることにはならない。
37番。駅から降りる人は、とかく正面を見ている。滅多に横を振り向いたりしない。どんなに駅に近くても、見えないのなら「店がない」ことと一緒だ。
38番。交差点では、なぜか上を見上げる人が少なくない。探し物をするからなのだろうか。だから、交差点に面して立てられた看板はけっこう効果的である。
39番。視界の障害になるものは、他店の看板ばかりではない。思わぬものが妨げになることがある。例えば、バス停に来るバスや搬送車両である。
40番。看板が取り付けられる範囲の間口を指している。もし、これが5mに満たないのならきびしい。
41番。店は路面から1mもセットバックしてしまうと、歩行者からほとんど知覚できなくなる。
42番。段差は無いに越したことはない。階段での1段くらいまででないとたったそれだけのことで、お客様に「入りづらい店」という印象を与えてしまう。
43番。これは、「不安心理を惹起(じゃっき)する施設」とは風俗営業店やラブホテルなどを想定している。大人の男性には何ともなくても、子供や若い女性が来店するには邪魔な存在である。
次に、車ドライバー対象立地を解説し行きたいが、紙面の都合で大きく省略させていただく。どうしても詳しくお知りになりたい方は弊社主催のセミナーに来られたし。
車ドライバー対象立地では、「商圏規模」の次には「道路の質」が問題になる。15番は、産業道路ではないことを意味している。
こういう立地でのTGは、インターチェンジやショッピングセンターである。
物件は、100m以上離れた地点から「自然に」知覚できる必要がある。通行人対象立地とは違う点はインアウトが大きく売上げに影響してくることだ。幹線道路沿いで急ブレーキをかけなければインできない店は、どんなに交通量が多くても不振店になる。
また、反対側車線からのインができるためには、中央分離帯があってはだめである。
物件敷地での進入(イン)間口は、絶対6m以上なければならない。駐車台数は、コンビニでも最低10台確保したい。これがレストランなら30台であり、ブックストアやアミューズメント系の店なら100台は必要になってくるから、コンビニは有利な業態である。
(注)商圏データ集計ソフト「統計てきめん2プレミア」(ソルブ社製、8023円/月 本格的実用GIS 誰でも30分で操作を覚えられます )
著者プロフィール
林原安徳(はやしはらやすのり) 1956年12月26日 さいたま市生まれ。売上予測コンサルタント。東京大学農学部卒。日本マクドナルド株式会社に入社。東京、新潟、仙台で店長、スーパーバイザー、出店調査部チーフとして活躍。退職後、立地研究に没頭。日本初の「店舗立地と売上予測」専門のコンサルタント会社ソルブを設立。 『地図使用承認(c)昭文社第51G076号』
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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2号店のための立地判断 43+39のポイント 売上予測の(有)ソルブ
代表 林原安徳
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コンビニ店を開発できる立地は、まだまだ多い。チェック表には通行人対象立地で43ポイント、車ドライバー対象立地で39ポイントを挙げた。
もとより、これだけでは万全ではない。しかし、これらは代表選手であるので必ず確認してほしい。
まず、通行人対象立地について解説していこう。
この立地で注意すべき観点は大きく分けると、商圏規模・商圏の質・TG・動線・視界性・物件自体の6通りある。
立地で最も重要なことはこの「商圏規模」である。商圏規模が大きければ、競合店が多くても心配は少ない。
この商圏規模を大きくする要因の第一はTG(トラフィックジェネレーター、交通発生源のこと。ティージーと呼ぶ)である。だから、一番にチェックする。
また、店前通行量の多さ(ボリューム)は必ずしも繁盛の要因ではないが、知っておくことに越したことはない。2番、3番はそのチェックである。「他の時間帯と比べて」著しく大きいかどうかを調べておこう。
4番。周辺住民の多さ=人口も肝心なことである。容易に歩いて来られる500メートル圏内を調べる。
5番。人口が少なくても商業集積力が高ければ良い。小売年間販売額がその指標となる。
これらのデータはわざわざ市区役所へ出向かなくても、GIS(ジス:地理情報システム)を使えば直ちに判明する。ただし、GISは高額で操作が難しいので、弊社の集計ソフト(注)をご一考されたい。
6番。最寄り駅までの距離はせいぜい300mくらいだ。
7番。幹線道路に面してお店を出せばなんとかなると考える人がいるがこれは誤り。駐車場もないのに、幹線道路からお客を呼べるわけがない。例外は、横断歩道である。これが店舗直前にあれば、そこに人々は集まる。
8番、9番。踏切や橋のそばも好立地である。
10番。同業店が近くに出店していたら、レジの台数は要チェック。2台以上あるならチャンスは自分にもある。
11番。商店街の中に入ってしまうと、なかなか売上げを上げるのは難しい。むしろ、商店街からやや離れるくらいがちょうど良い。
12番。「まとまった人口密集」とは、立地用語では「ポテンシャルクラスター、PC、ピーシー」と呼んでいる。需要集合体という意味である。このPCには、高層マンションなども含まれる(18番)。
「そこ(PC)と通じる道」があることが重要なことである。できれば、店の脇の小路が通じていると良い。
13番。PCには事業所密集地域も含まれる。「容易に」という点が重要である。川や道路などがあって遠回りをしないと来られないではだめだ。
14番。もし、鉄道線路に沿った道路に出店するならば、駅と駅の中間地点はぜったい避けなければならない立地である。そこに出すと商圏は著しく狭くなるからだ。
15番。碁盤の目とは、複数道路が縦に、横にいくつも直行しているような構造を言う。こういう地域の道路は、どこを通っても目的地に行けるため人々の行動は分散化してしまう。こうした道路沿いは避けたほうが良い。
16番。地形の特徴で、物件の回りがせりあがっていて、その上がったほうに住宅や事務所がある。これをすり鉢商圏と言い、有利な立地である。ただし、物件のある低地から駅などの中心地へ向かっていくことができることが条件である。低地ならどこでも良いというわけではない。
17番。その反対に物件が丘の頂上にあったり、そこから下りてくるような急斜面な道路沿いであったりしてはだめである。
18番。ホテルはシティーホテルであれビジネスホテルであれ、大きなPCと考えて良い。
ここからは、商圏の質に関するチェックである。とりわけ需要や流入の有無を中心に見ていくことがポイントである。
19番。まだ開発したての新しい住宅街だと商店もまばらなことがよくある。新興住宅はねらい目であるから、ふだんから折り込みチラシなどをよくチェックしておくことだ。
20番。また、住民の生活レベルがどの程度高いかどうかもチェックしておこう。コンビニに限らずすべての商売は「品揃えのミスマッチ」が起きると致命的である。
21番。通行人にまんべんなく老若男女が含まれていることが重要だ。その方がビジネスチャンスは広がるからだ。
22番。土日になると誰も歩いていない。そういう商圏も確かに存在するので注意。
23番。通常の商圏では平日は仕事で「流出」してしまうものである。しかし、事業所が多ければ、逆に流入してくる場合もある。これは大きなプラスである。
24番。「事業所過剰」とはオフィス性向が高いことを意味する。そんなに多くはないが注意するに越したことはない地域だ。
25番。これも注意するに越したことはない項目である。周辺を調査してみれば一目瞭然でわかることだ。
次は、TGだ。すでに商圏規模でも取り上げたが、このTGと物件との位置関係がとても重要である。
26番。ここでは駅を100m以内としている。駅の影響を大きく受ける可能性がある範囲だからである。
27番。TGは駅や商業施設ばかりではない。ここに記載した広場や横断歩道、踏切などの場所もTGである。そこで人々は、静止状態になる。これが重要な点で、こうなると人はわりと周辺を落ち着いて見回す。その視界にあなたの店があれば、来店してくれる可能性は高い。
28番。年商30億円は、スーパーマーケットではなかなかいかない。かなり大型の店である。
29番。大きな交差点は、たいてい有力なTGになり得る。
30番、31番。横断歩道や橋も同様である。
動線とは、「日常生活行動線」のことである。
32番。これは当然徒歩や自転車で通るかどうかを意味している。
33番。駅を「1」と数える。
そこで正面、右、左の3方向に分かれる。だから、駅から2個目の分岐点に来るまでに、駅の影響力は3分の1に減る。だから4番目の分岐点では27分の1になる。駅の影響をほとんど受けなくなる。
34番。50mは大きな建物1つ分である。
35番。商店街の入り口は、さほど強いTGではない。その分、入り口に近いことが必要だ。
視界性と視認性は異なる。
前者は、知覚するかしないかを問題にするが、後者はさらに、その物件の業種業態を「認識する」かどうかまで問題にする。
コンビニの業態について日本人のほとんどは、それが何であるかを問う必要はない。したがって、視認性よりも、「視界性」が重要である。
36番。「自然に」というところがポイント。「意識的に振り向く」・「探さなければ見えない」では、「自然に」知覚できることにはならない。
37番。駅から降りる人は、とかく正面を見ている。滅多に横を振り向いたりしない。どんなに駅に近くても、見えないのなら「店がない」ことと一緒だ。
38番。交差点では、なぜか上を見上げる人が少なくない。探し物をするからなのだろうか。だから、交差点に面して立てられた看板はけっこう効果的である。
39番。視界の障害になるものは、他店の看板ばかりではない。思わぬものが妨げになることがある。例えば、バス停に来るバスや搬送車両である。
40番。看板が取り付けられる範囲の間口を指している。もし、これが5mに満たないのならきびしい。
41番。店は路面から1mもセットバックしてしまうと、歩行者からほとんど知覚できなくなる。
42番。段差は無いに越したことはない。階段での1段くらいまででないとたったそれだけのことで、お客様に「入りづらい店」という印象を与えてしまう。
43番。これは、「不安心理を惹起(じゃっき)する施設」とは風俗営業店やラブホテルなどを想定している。大人の男性には何ともなくても、子供や若い女性が来店するには邪魔な存在である。
次に、車ドライバー対象立地を解説し行きたいが、紙面の都合で大きく省略させていただく。どうしても詳しくお知りになりたい方は弊社主催のセミナーに来られたし。
車ドライバー対象立地では、「商圏規模」の次には「道路の質」が問題になる。15番は、産業道路ではないことを意味している。
こういう立地でのTGは、インターチェンジやショッピングセンターである。
物件は、100m以上離れた地点から「自然に」知覚できる必要がある。通行人対象立地とは違う点はインアウトが大きく売上げに影響してくることだ。幹線道路沿いで急ブレーキをかけなければインできない店は、どんなに交通量が多くても不振店になる。
また、反対側車線からのインができるためには、中央分離帯があってはだめである。
物件敷地での進入(イン)間口は、絶対6m以上なければならない。駐車台数は、コンビニでも最低10台確保したい。これがレストランなら30台であり、ブックストアやアミューズメント系の店なら100台は必要になってくるから、コンビニは有利な業態である。
(注)商圏データ集計ソフト「統計てきめん2プレミア」(ソルブ社製、8023円/月 本格的実用GIS 誰でも30分で操作を覚えられます )
著者プロフィール
林原安徳(はやしはらやすのり) 1956年12月26日 さいたま市生まれ。売上予測コンサルタント。東京大学農学部卒。日本マクドナルド株式会社に入社。東京、新潟、仙台で店長、スーパーバイザー、出店調査部チーフとして活躍。退職後、立地研究に没頭。日本初の「店舗立地と売上予測」専門のコンサルタント会社ソルブを設立。
『地図使用承認(c)昭文社第51G076号』