知覚の絶対閾(ゼッタイイキ)と弁別閾(ベンベツイキ)

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知覚の絶対閾(ゼッタイイキ)と弁別閾(ベンベツイキ)

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2019/06/25 知覚の絶対閾(ゼッタイイキ)と弁別閾(ベンベツイキ)

立地コラム(45-1)「慣れ」が来る前に店の外装は変えよう1
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前回、「知覚の量がある一定の水準を超えると来店行動が起きる」という仮説を申し上げました。
「仮説」は、あくまで「仮説」であって、まだ、事実と認定されているわけではありません。しかし、そうした仮説でも、何の脈絡、根拠がなく設定されたわけではありません。

実は、これ、「刺激量がある一定以上になってはじめて知覚する」という科学的事実に基づいています。
例えば、7リットルの水にスプーン1杯の砂糖を溶かしたとき初めてその甘みを感じます。また、頬の上に1cmの距離から落とされたミツバチの羽をやっと感じることができるといわれています。
この一定以上の刺激量は「絶対閾(ゼッタイイキ)」と呼ばれています。つまり、人間は、どんな感覚(視覚・嗅覚・味覚・聴覚・触覚)でも、その刺激量が絶対閾を越えない限り、知覚しないということなのです。
絶対閾は、実験室のような他の騒音や光などがないような場所での測定です。これに対して、「弁別閾(ベンベツイキ)」というものがあります。
それは、すでにある一定以上の刺激があるなかで、その「変化」が生じたかどうか、例えば、「光が強くなった(明るくなった)」とか、「少し重くなった」と感じるための「僅かな差」のことを指します。
明るさの場合、この弁別閾は、元の明るさに比べて7.9パーセント変化することです。音の大きさなら4.8パーセント、重さなら、2パーセントです。

これらのことから、私たちの行動に対しても同じようなことが言えるのではないかと立てたのが、冒頭で挙げた仮説です。
普段の日常生活の中で見る景色の形や大きさ、色の配分、パターン、動きはそのほとんどが、「毎日同じ」ようなものです。少なくとも、人間の「脳」は毎日、毎日、目で見た全ての光景を記録しているわけではありません。そんな非効率なことをしていたら、さすがの大容量の「脳」でもあっという間に記憶で満タンになってしまいます。
ですから、それを防止するため「脳」は、景色を見ながら、どんどんパターン化、抽象化していきます。そして、視覚情報を最小限の情報に変換してしまう。逆に言えば、見たもののほとんど全てを消去してしまう。本当に印象に残ったものや、普段と異なる情報、あるいは、危険に晒されたときの情報などに「限って」記憶しておく。
そういう「効率的な脳」であるようです。
この「効率的な脳」に記憶してもらい、来店行動にまでつなげてもらうにはどうしたら良いか?
まず、第一は、脳に知覚してもらわないとなりません。それには、脳が知覚するに足る「刺激」、すなわち弁別閾以上の刺激が必要です。
そして、「学習」させる。それは、繰り返し、繰り返し、知覚、記憶を行うことです。

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