ライバル店(競合)と自店は敵対し合っているだけなのか?飲食店経営2015APR(後半)

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ライバル店(競合)と自店は敵対し合っているだけなのか?飲食店経営2015APR(後半)

実査,飲食店経営

2018/03/26 ライバル店(競合)と自店は敵対し合っているだけなのか?飲食店経営2015APR(後半)

実は、ライバル(競合)店が自店舗のお客を奪っていくだけの存在ではないことはマーケティングの世界ではよく知られていることです。

これが「市場拡大」と呼ばれる現象です。お店に当てはめると、お店が1店舗しかない時よりも、2店舗になると、市場(マーケット需要)は1・4倍に増えます(図1)。

商圏重複図1

 

このためお互いが受ける影響はとても緩和されます。

仮に100人のお客様の中で25人が2つの店を利用できるようになると、その人達の利用頻度は1・4倍になり、見かけ上はお客様の数は35人になります。

お互いの店に半数ずつ行くとして、各店17・5人ずつになります。100-25=75人が元のままですから、この75人に17・5を足し合わせた数=92・5人がライバル(競合)店ができたことによる客数ということになります(図2)。

最初が100人ですから、7・5人が減少した分です。客単価が同じと考えれば、この減少は売上げの減少です。そして、5%を超えますので、これは確かに数字になって現れます。

 

つまり、自店舗のお客様の4分の1以上が、2つの店を同じように利用できるなら、立地上「同じような店」=ライバル店(競合)と言えるのです。

 

では、具体的にはどんな立地の場合でしょうか?

1.TGが共通している場合

まず最初は、自店に影響を及ぼしているTG(交通発生源)が同じ場合です。たとえば、駅が同一であるとか、大型スーパーマーケットの同じ出入り口に面しているのような場合です。

2.動線が共通している場合

TGからの直接的来店がない場合でも、人々が歩いたり車で進む道が同じような場合です。この場合は、店同士が見えないことが多く、また近くにないことがあるためあまり影響していないのではないかと思わせることもしばしばあります。

ただし、よく観察して、どちらかの店の前を通る人の後を付けるともう一方の店の前に出るのでライバル(競合)関係にあることがわかるものです(図)。

動線図

500m圏の境界21ヶ所から駅(TGの一つ)に向かう最短経路の動線を描いたもの。すると店Aは地点1~15、店Bは地点16~21から来ていることが分かり、まったく動線が違うことが判明する。この場合は互いの影響は受けにくい。

一方、C店は地点6~10がA店と同じであるのでA店の3分の1に影響することがわかる。

(株式会社ゼンリン「電子地図帳Zi17」を使って作成)

 

3.その他で商圏が重なっている場合

互いにTGや動線が共通していないにも関わらず、影響しあうことがあります。それは商圏が重なりあっているからで、目的来店する人々が多いような場合におきます。これは街中よりも車来店する割合が多い郊外などでよく見られます。

反対に、どういう場合に影響が少ないでしょうか?

第一は、マーケットが大きい場合です。ここでいう大きいマーケットとは、周辺の購買需要(注)が人口や昼間人口に比べて大きいことを言います。需要が大きい分だけそこはすでに多くの店で需要を分かち合っているため、1店舗くらい増えた程度ではあまり影響が出にくいのです。

第二は、ライバル(競合)店の面積が自店に比べ格段と小さいような場合です。3分の1程度ならばほとんど影響はないと考えても良いでしょう。

第三は、ライバル(競合)店がTGより遠くに出ている場合です。これは遠い分だけTGの影響を受けにくくなるからです。

 

では、ライバル(競合)店が出店した、出店する予定というときはどうしたら良いでしょう?

影響が少ないような立地であれば見過ごせば良いかもしれませんが、なかなかそうとは限りません。相手もライバル(競合)がいることが分かっていながら満を持して出店してくる、きたのです。

まずは、セオリー通りに対応することをお勧めします。立地と営業の現状を把握し、ライバル(競合)店の強み・弱みと自店の強み・弱みを冷静に比較することです。

その上で、商圏内のお客様が自店に求めていることを強化し、自店に不満を持っていることを解消するための活動、サービス強化を図ってください。

 

 

(注)購買人口 地域の小売年間販売額を1人当たり全国平均小売年間販売額(105万円)で除した値。

ただし、これは2015年原稿執筆時の商業統計2007年を元にしているからであって、最新の2014年調査の商業統計を用いると96.1万円になる。

 

●ライバル店(競合店)と自店は敵対し合っているだけなのか?飲食店経営2015APR(前半)

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