有限会社ソルブ

お問い合わせ

BLOG なぜ低価格居酒屋ほど「見える立地」が重要なのか?

更新日:2026.09.17

お店にとって「見えやすい場所にあること」は大切です。

これは、立地についてそれほど詳しくない人でも、なんとなく想像できることだと思います。

ㅤ

駅から出てすぐ目の前にある店。 歩いていると自然に看板が目に入ってくる店。 遠くからでも「あそこに店がある」と分かる店。

ㅤ

こういうお店は、当然ながらお客さんに気づいてもらいやすくなります。

ㅤ

店舗立地の世界では、こうした「お客さんの視界に店舗がどのように入ってくるのか」を視界性として評価します。

ㅤ

ㅤ

では、この視界性。

ㅤ

同じような業種・業態であれば、同じくらい重要なのでしょうか?

ㅤ

実は、そうとも限りません。

ㅤ

私がこれまで様々な業態の売上予測モデルを作ってきた中でも、視界性が売上げに与える影響はかなり違います。

ㅤ

その違いが非常に分かりやすく表れるのが、居酒屋です。

同じ「お酒を飲み、食事をする店」であっても、客単価が比較的安い居酒屋と、高価格帯のお店では、視界性の重要度が変わってくるのです。

ㅤ

特に低価格居酒屋では、「お店が自然に見えること」が売上げに強く影響する傾向があります。

ㅤ

それは、なぜなのでしょうか。

ㅤ

ㅤ

ㅤ

ㅤ

<高価格なお店は「店を決めてから」向かう>

ㅤ

例えば、今日は大切な人との食事を思い浮かべてください。

ㅤ

「せっかくだからちょっといいお店に行こう」と考えて言える時に、駅を降りてから、「さて、どこにしようかな」と歩きながら適当に高価格なお店を探す人は、それほど多くないでしょう。

ㅤ

事前にインターネットで検索して、

口コミを見て、

料理や価格を確認して、

予約をしましす。

ㅤ

そして当日は、そのお店を目的地として向かいます。

ㅤ

つまり、来店する前から、「今日はこの店に行く」と決まっているわけです。

ㅤ

こうした来店動機のお客さんが多いお店では、多少分かりにくい場所にあっても、お客さんは地図を見ながら探して来てくれます。

路地裏でも、地下でも、ビルの上階でも、その店へ行きたいという動機が十分に強ければ来店できます。

ㅤ

もちろん、高価格なお店なら視界性が悪くても構わない、という意味ではありません。

同じ条件なら、見つけやすい方が良いに決まっています。

ㅤ

ただ、視界性が多少悪くても、それを乗り越えて来店してくれるだけの目的来店性を持ちやすい、ということです。

ㅤ

ㅤ

ㅤ

ㅤ

<安い居酒屋は「歩きながら決める」ことが多い>

ㅤ

では一方で、低価格の居酒屋はどうでしょうか。

ㅤ

例えば仕事帰りに同僚と、「ちょっと一杯飲んで帰ろうか」となった。

あるいは一次会が終わって、「もう一軒行く?」となった。

ㅤ

こういう時、必ずしも行く店が最初から決まっているとは限りません。

ㅤ

駅に向かって歩きながら、

「ここでいいんじゃない?」

「あ、あそこ安そうだよ」

「空いてそうだから入ろうか」

と、その場で決めることも多いでしょう。

ㅤ

つまり、「店を決めてから移動する」のではなく、「移動しながら店を決める」わけですね。

ㅤ

ㅤ

ここに、視界性が重要になる理由があります。

ㅤ

お客さんの選択肢に入るためには、まず店の存在に気づいてもらわなければなりません。

ㅤ

どれだけ料理がおいしくても。

どれだけ価格が安くても。

どれだけ店内の雰囲気が良くても。

ㅤ

その場で「どこに入ろうか」と考えている人の視界に入らなければ、そもそも比較対象にすら入れません。

ㅤ

逆に、TGや動線から自然に視界へ入ってくる店舗は、「ここに店がありますよ」と、お店を探している人に対して常に働きかけていることになります。

ㅤ

これが、衝動来店の多い低価格居酒屋における視界性の強さです。

ㅤ

ㅤ

ㅤ

ㅤ

<同じ「居酒屋」でも、価格帯が変われば立地の重要度が変わる>

ㅤ

今回の話で私が面白いと思うのは、まったく違う業態を比較しているわけではない、ということです。

ㅤ

例えば、スーパーマーケットと美容室を比べたら、お客さんの使い方も違えば、必要な店舗規模も違い、当然ながら重要になる立地条件も違います。

ㅤ

これは比較的分かりやすい話で、当たり前と考えられるかもしれません。

ㅤ

しかし、今回の記事に書いたようなケースは違います。

ㅤ

業態を大別すれば同じ「居酒屋」です。

どちらもお酒や料理を提供し、お客さんが店内で飲食するわけです。

ㅤ

それでも、価格帯が変わり、利用する場面が変わるだけで、立地に求められるものまで変わってくるのです。

ㅤ

ㅤ

高価格なお店になるほど、「この店に行きたい」という目的を持って来店する比率が高まりやすい。

一方、低価格居酒屋になるほど、「とりあえずどこかで飲みたい」という需要を拾うことが重要になります。

ㅤ

つまり、違うのは「提供している商品だけではない」ということなのです。

ㅤ

お客さんが「店を選ぶタイミング」までもが、そもそも違うのです。

ㅤ

高価格なお店では、街に到着する前に店選びが終わっていることが多い一方、低価格居酒屋では、街を歩いている最中にも店選びが行われると言えます。

ㅤ

そう考えると、後者にとって「歩いている時に自然に見えること」の価値が高くなるのは当然です。

ㅤ

ㅤ

私が過去に作成した数々の居酒屋の売上予測モデルの中でも、視界性評価は非常に重要な要因として表れました。

ㅤ

TGや動線から店舗が自然に見えるかどうかによって、売上げに大きな差が出ていたのです。

ㅤ

これは、「低価格居酒屋だから立地が大事」という単純な話ではありません。

ㅤ

価格帯が変わることで利用動機が変わり、利用動機が変わることで店の選び方が変わり、店の選び方が変わることで視界性の重要度が変わる。

そういう一連の構造として考える必要があります。

ㅤ

ㅤ

ㅤ

ㅤ

<まとめ――立地は「業態名」だけでは決められない>

ㅤ

店舗立地を分析する時、「これは居酒屋だから、こういう立地がいい」と業態名だけで考えてしまうことがあります。

ㅤ

しかし、本当はもう一段細かく見る必要があります。

ㅤ

同じ居酒屋でも、

ㅤ

客単価はいくらなのか。

どんな時に使われるのか。

一軒目なのか、二軒目なのか。

予約して来るのか、その場で決めるのか。

「この店に行きたい」と思って来るのか、「どこかで飲みたい」と思って店を探すのか。

ㅤ

こうした違いによって、同じ「居酒屋」という看板を掲げていても、求められる立地条件は変わります。

ㅤ

ㅤ

特に重要なのが、

「お客さんは、いつその店を選んでいるのか?」

という問いです。

ㅤ

店へ向かう前に選ばれているのであれば、多少見えにくくても来てもらえる可能性があります。

しかし、店の前を歩いているその瞬間に選ばれるのであれば、まず視界に入らなければ始まりません。

ㅤ

ですから、低価格居酒屋では視界性が売上げを大きく左右するのです。

ㅤ

ㅤ

これは単なる、「見える店の方が売れる」という話ではありません。(それ自体も確かにその通りではありますが)

ㅤ

価格帯が変われば、お客さんの行動が変わる。
お客さんの行動が変われば、同じような業態でも「良い立地」の条件が変わる。

ㅤ

それを撃踏まえ、店舗立地を考える時には、「何屋なのか」だけではなく、「そのお店をお客さんはどのように選ぶのか」まで考えてみてください。

ㅤ

そこまで細かく見て初めて、その店にとって本当に重要な立地要因が見えてくるのです。

ㅤ

ㅤ

CONTACT

お問い合わせ

まずはお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。 ご依頼の目的(新規出店・既存店改善・研修など)と、簡単なご状況をお聞かせいただきます。 初回のご相談は無料です。

お問い合わせ