立地を分析する時、多くの企業がチェックするもののひとつに「競合店」があります。
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自店の周囲に同じ業態のお店が何店舗あるのか。
どのくらい離れているのか。
それぞれどれくらい売れていそうなのか。
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もちろん、こうした競合分析をすること自体は間違っていません。
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ただ、その前に一度考えてみてほしいことがあります。
それは、
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そもそも、そのお店は本当に「競合店」なのでしょうか?
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ということです。
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逆に、まったく違う業態だからという理由で競合から外しているお店が、実は自店にとってかなり強力な競合である可能性もあります。
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<「同業態=競合」とは限らない>
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競合というと、どうしても「同じ商品を売っている店」を探したくなります。
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ラーメン店ならラーメン店。
カフェならカフェ。
ハンバーガー店ならハンバーガー店。
といったような感じですね。
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しかし、実際のお客さんは、必ずしもそういった業種分類でお店を選んでいるわけではありません。
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例えば、以前は「コーヒーを飲みたい」と思った時、カフェや喫茶店が主な選択肢でした。
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しかし今ではコンビニでも、安くて質の高いコーヒーを買うことができます。
そうなると、カフェにとってコンビニは「業態が違うから競合ではない」と言い切れるでしょうか。
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少なくとも、お客さんの「コーヒーを飲みたい」という需要の一部を取り合っているという意味では、競合関係が発生しています。
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一方で、その逆のこともあります。
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同じラーメン店が近くに2店舗あったとしても、片方が1,000円前後の日常使いのお店で、もう片方が高価格帯でわざわざ食べに行くようなお店なら、想像しているほど顧客を奪い合っていない可能性もあります。
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つまり、「何を売っているか」が同じだから競合なのではないということです。
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お客さんから見て「どちらにしようか」という選択肢になるかどうかということの方が、競合を考える上では重要なのです。
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<街によって「競合」は変わる>
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さらに面白いのは、同じ業態でも場所によって競合関係が変わるということです。
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例えば、飲食店が大量に集積している繁華街を考えてみます。
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「ラーメンを食べたい」という明確な目的を持っている人にとって、近くのハンバーガー店はそれほど強い競合ではないかもしれません。
ラーメン店同士の中から選ぶ可能性が高いからです。
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ところが、飲食店がほとんどない郊外で、
「ランチを食べられる場所が、ラーメン店とハンバーガー店しかない」
という状況だったらどうでしょうか。
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この場合、お客さんの頭の中では、「ラーメンにするかハンバーガーにするか」という比較が起きます。
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つまり、この2店舗は(扱っている商品が違うにも関わらず)十分に競合し得ます。
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同じ業態でも競合しない場合があり、違う業態でも競合する場合があるというのが実際です。
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競合関係は「業種」だけで決まるのではなく、その商圏の中にどんな選択肢が存在するのかによっても変わるのです。
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<競合分析で見るべきなのは「店そのもの」ではなく「選択」>
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だからこそ、競合分析で単純に「半径500m以内の同業店を数える」だけでは、不十分だと言えます。
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もちろん、それもひとつのデータにはなりますし、どんな場合でも最低限チェックしておくことは重要です。
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しかし、本当に考えたいのは、
「このお店に来る可能性のあるお客さんが、他にどんな選択肢を持っているのか?」
ということです。
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「コーヒーを飲みたい」のか。
「少し休憩したい」のか。
「30分だけ仕事をしたい」のか。
「昼食を安く済ませたい」のか。
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同じお店でも、お客さんがそのお店を利用する目的によって、競合相手は変わってきます。
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そう考えると、競合分析とは単に「近くに何店舗あるか」を調べることではなく、お客さんの選択肢の構造を分析することなのだと言えるのです。
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<まとめ:>
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このように、店舗立地における競合制約を考える時、「同業店が何店舗あるか」だけを見てしまうと、本当の競合関係を見誤ることがあります。
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同業態でも、利用目的や価格帯が大きく違えば競合性は弱いかもしれません。
一方で、異業態でも、同じ需要を満たしているなら強い競合になるかもしれません。
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さらには、その関係は商圏によっても変わります。
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ですから、競合店を探す時には、
「この店と同じ業態はどこにあるか?」
だけではなく、
「この店を選ばなかったお客さんは、代わりに何を選ぶのか?」
と考えてみてください。
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その問いから見えてくるお店こそが、本当に警戒すべき「競合店」なのかもしれません。
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