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BLOG 多店舗展開する会社ほど「失敗店」を捨ててはいけない

更新日:2026.09.21

多店舗展開をしていれば、当然ながらすべての店舗が成功するわけではありません。

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想定以上に売れた店舗もあれば、予想通りだった店舗もあるでしょう。

そして残念ながら、思ったほど売上げが伸びず、最終的には閉店や撤退という判断をする店舗も出てきます。

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もちろん、不採算店をいつまでも残しておくべきだ、という話ではありません。

採算が合わないのであれば、閉店することも重要な経営判断です。

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ただし、そんな時にも絶対に捨ててはいけないものがあります。

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それは、

「なぜ、この店は売れなかったのか?」

という情報です。

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30店舗、50店舗、100店舗と展開してきた企業には、それだけ多くの出店経験があります。

ところが、その経験が必ずしも「会社のノウハウ」になっているとは限りません。

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特に気をつけたいのが、成功した店舗ばかりを見て、自社の成功法則を作ろうとしてしまうことです。

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<成功店だけを分析しても「成功法則」は分からない>

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自社の立地について分析しようとすると、多くの企業はまず「売れている店舗」を見ようとします。

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これはある意味、自然なことかもしれません。

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売上げ上位の店舗を並べて、

「この店は駅前にある」
「商圏が大きい」
「近くに強いTGがある」
「大通りに面している」

といった共通点を探していくと、“それっぽい”ものが見えてくることも多いでしょう。

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そしてそこから、「うちはこういう立地に出せば売れる」という成功法則を作ろうとします。

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しかし、ここには大きな落とし穴があるのです。

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たとえば、売上げ上位10店舗のすべてが大きな商圏にあったとします。

これだけを見ると、「大きな商圏に出店することが成功条件だ」と考えたくなります。

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ところが、売上げ下位10店舗を調べてみたら、こちらもすべて大きな商圏にあったとしたらどうでしょうか。

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少なくとも「商圏が大きい」という条件だけでは、成功と失敗を分けている理由を説明できないということになります。

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これは売上予測モデルを作るときにも非常に重要な考え方です。

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既存店から分析対象を選ぶ際に、売上げの良い店舗ばかりを選んでモデル化しようとする企業やコンサル会社をいくつも見てきましたが、それでは精度の高いモデルは作れません。

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なぜなら、成功店だけを見ていては、「なぜ売れるのか」は分かったとしても、「なぜ売れないのか」が分からないからです。

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重要なのは、成功店にどんな特徴があるかだけではありません。

成功店と失敗店では何が違うのかという差を見ることによって初めて、自社の売上げに本当に影響している立地条件が見えてきます。

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<重要なのは「なぜ失敗したのか」を会社に残すこと>

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では、失敗店について何を残せばいいのでしょうか。

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「○○店は赤字だった」

「想定売上げに届かなかった」

「3年で撤退した」

もちろん、こうした記録も必要です。

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しかし、それだけでは立地ノウハウにはなりません。

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重要なのは、「どんな立地要因でこの店舗は売れなかったのか?」というところまで考えることです。

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たとえば、商圏規模は十分だったのか。

商圏の質は自社のターゲットと合っていたのか。

店舗への接近容易性に問題はなかったのか。

知覚突出性が弱く、存在に気づかれにくくなっていなかったか。

土地・建物制約によって、本来取れるはずの売上げを取りこぼしていなかったか。

あるいは、競合制約の影響が想定以上に大きかったのか。

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こうした視点から失敗店を見ることで、「この店舗が失敗した」というひとつの結果を、「だから自社業態はこういう立地条件では弱い」という会社の共有知識へ変えていくことができます。

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もちろん、成功店についても、「この店は売れている」で終わらせるのではなく、「自社業態はこういう立地条件では強い」という形で整理していくことが必要です。

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そうして成功店と失敗店の両方を蓄積していけば、少しずつ、「自社はどんな立地で強く、どんな立地で弱いのか」という、その企業独自の立地特性が見えてきます。

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こうしたことは、一般的な立地やマーケティングの教科書を読んだだけでは分かりません。

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同じ飲食店でも、同じ小売店でも、企業や業態が違えば、売上げに強く影響する立地要因は異なるからです。

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だからこそ、自社が実際に出店して得た成功と失敗のデータには価値があります。

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<店舗を閉じても立地ノウハウまで捨ててはいけない>

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ここで非常にもったいないのが、

「売れなかった→閉店した→終わり」

となってしまうことです。

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店舗を閉めれば、その物件との関係は終わります。

担当者が異動したり退職したりすれば、その店舗について詳しく知っていた人もいなくなるかもしれません。

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そして数年後・・・・

別の担当者が、よく似た立地条件の物件を見つけてきます。

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「駅から近い」

「商圏も大きい」

「家賃も許容範囲」

「これは良さそうだ」

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しかし実は、数年前にもよく似た条件で出店し、失敗していたということがあるかもしれません。

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もし前回の失敗が、「○○店、売上不振のため閉店」という記録だけで終わっていたら、その失敗から得られたはずの知見は次の担当者に引き継がれません。

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結果として、会社は同じような失敗に対して、もう一度「授業料」を払うことになります。

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誤解していただきたくないのですが、決して店舗を閉じること自体が問題なのではありません。

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店舗を閉じるときに、その店舗から得られた立地ノウハウまで一緒に捨ててしまうことが問題なのです。

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「この店は失敗だった」ではなく、「なぜこの立地では成立しなかったのか」まで会社に残す。

そして次に似た物件が出てきたとき、「あの店舗と同じ条件がある」と気づけるようにする。

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そこまでやって初めて、一店舗の失敗が次の出店判断に使える会社のノウハウになります。

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<まとめ―「店舗数が増える会社」から「出店するほど賢くなる会社」へ>

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出店には大きなお金がかかります。

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物件取得費、内装費、設備投資、人材採用、家賃・・・・

そして撤退することになれば、さらに閉店コストも発生します。

当然、出店の失敗はできる限り減らした方がいいわけです。

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しかし、すでに起きてしまった失敗については、その意味を変えることができます。

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「赤字を出して閉店した店舗」で終わらせるのか。

それとも、「自社がどんな立地で失敗しやすいのかを教えてくれた店舗」として会社の中に知見を残すのか。

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この違いは、店舗数が増えるほど大きくなっていきます。

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成功店だけを見るのではなく、失敗店もしっかり分析していってください。

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そして、「自社はどんな立地で強く、どんな立地で弱いのか」という知見を1店舗ずつ会社の知識として蓄積していってください。

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「失敗店を捨ててはいけない」というのは、不採算店をいつまでも営業し続けるという意味ではありません。

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店舗は閉じても、「失敗した理由」は会社に残す。

過去の失敗を、自社固有の立地ノウハウへ変えていく。

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そうすることで、「店舗数が増えた会社」から、「出店するほど賢くなる会社」へ変わっていくことができるのです。

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