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BLOG 店舗数が増えてきたら立地判断の仕組みも変えなければならない

更新日:2026.11.03

店舗数が増えてきた企業では、どの段階で立地判断の仕組みを見直すべきなのでしょうか。

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その答えは、単純に「何店舗を超えたら」というものではありません。

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ただ、社長や一部のベテラン社員の経験だけでは、今後の出店計画を十分に進められなくなってきた時が、一つの重要な転換点です。

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店舗数の増加に伴い、物件を探す人、立地を評価する人、最終的な出店判断をする人の役割も変わっていきます。

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今回は、成長段階に応じた店舗開発体制のあり方について考えてみたいと思います。

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<創業期の店舗開発は社長の経験と判断で成り立っている>

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店舗ビジネスを始めたばかりの企業では、社長自身が物件を探し、現地を確認して、出店するかどうかを決めることも珍しくありません。

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そもそも、最初の1店舗を成功させるためには、立地だけでなく、商品開発、接客、従業員の採用、販促、資金繰りなど、さまざまな課題に取り組む必要があります。

立地分析だけに多くの時間や費用をかける余裕がない企業も多いでしょう。

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また、創業者自身が店舗運営を熟知しているため、どのような場所なら自社の商品やサービスが売れるのか、経験的に理解している場合もあります。

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こうした段階では、社長の経験や直感が、出店判断において重要な役割を果たします。

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しかし、店舗数が増えてくると、少しずつ事情が変わってきます。

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例えば、これまで社長が自ら現地を確認していた企業が、年間5店舗、10店舗と出店を増やそうとしたらどうでしょうか。

社長がすべての候補物件を確認し、毎回細かな立地条件まで検討することは、次第に難しくなっていきます。

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そこで、店舗開発の担当者を置いたり、既存の幹部社員に物件探しを任せたりするようになります。

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ところが、ここで新たな問題が生じます。

物件探しを人に任せることと、立地判断を人に任せることは、同じではないのです。

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<店舗開発担当者を置いただけでは出店判断は組織化できない>

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店舗開発の担当者には、さまざまな仕事があります。

不動産会社との関係構築、物件情報の収集、賃貸条件の交渉、契約手続き、社内調整など、出店に至るまでの業務は多岐にわたります。

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しかし、こうした業務ができることと、立地の良し悪しを正しく評価できることは、必ずしも一致しません。

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例えば、駅前の人通りが多い物件を紹介されたとします。

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担当者は、駅から近く、人通りも多く、周辺には商業施設もあるので、良い立地だと判断するかもしれません。

しかし、実際には、その人通りが自店の前をどのように流れているのか、店舗の視界性はどうか、来店客が無理なくアクセスできるのか、といった条件も確認する必要があります。

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同じ駅前でも、立地条件によって売上に大きな差が生じることは十分に考えられます。

また、ある業態にとって良い立地が、別の業態にとっても良いとは限りません。

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自社の商品やサービスを購入する人が、どのような場所に集まり、どのような行動を取るのか。

そうした特性を踏まえなければ、自社にとって本当に良い立地なのかは判断できないのです。

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つまり、店舗開発担当者を配置しただけでは、立地判断の仕組みが整ったとは言えません。

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物件を集める能力と、その物件が自社に適しているかを見極める能力は、分けて考える必要があります。

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<10店舗、20店舗と増えた企業が直面する転換点>

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私が特に注目したいのは、ある程度の店舗数まで成長し、これからさらに店舗展開を進めようとしている企業です。

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例えば、現在15店舗を経営しており、今後数年間で30店舗、50店舗を目指しているような企業です。

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もちろん、店舗数だけで一律に区切れるものではありません。

しかし、このような成長段階では、創業期とは異なる店舗開発の課題が生まれやすくなります。

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第一に、社長や一部のベテラン社員だけでは、すべての出店判断を担いきれなくなってきます。

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第二に、これまで出店してきた地域から、新しい地域へと出店範囲が広がる場合があります。

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第三に、出店を継続するためには、複数の担当者が一定の基準に基づいて物件を評価できる体制が必要になります。

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ここで重要なのは、これまでの成功体験を否定することではありません。

むしろ、これまでの成功体験を、会社全体で活用できるノウハウに変えていくことです。

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例えば、これまで出店してきた店舗のうち、売上の良い店舗と悪い店舗には、立地条件としてどのような違いがあるのでしょうか。

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商圏の規模や質、店舗への接近容易性、視界性、周辺の競合状況などを比較することで、自社の売上と立地条件の関係を分析していくことができます。

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もちろん、既存店の売上には立地以外の要因も関わるため、単純な比較だけで結論を出すことはできません。

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それでも、これまでの店舗展開で蓄積してきた実績を、次の出店に生かしていくことには大きな意味があります。

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社長が「この場所は良さそうだ」と感じる理由を、他の社員も理解し、検討できるようにする。

それが、店舗開発を組織化していくための重要な一歩になります。

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<高度なシステムを導入すれば解決するのか>

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近年では、商圏分析システムや人流データ、AIを活用した売上予測など、店舗開発を支援するテクノロジーも発達しています。

こうした技術は、立地分析を効率化するうえで有用です。

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ただし、高度なシステムを導入すれば、それだけで出店判断の問題が解決するわけではありません。

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例えば、商圏人口や通行量を詳しく調べられるようになったとしても、その数値を自社の売上とどう結びつけて考えるのかが分からなければ、十分に活用することはできません。

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また、システムが出力した売上予測値についても、どのような条件をもとに算出されているのか、どの程度信頼できるのかを理解する必要があります。

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特に、店舗数がまだそれほど多くない企業では、分析に利用できる既存店データが限られていることもあります。

その場合、最初から大規模な分析システムを構築するより、現地調査の方法や立地評価の基準を整え、担当者の判断能力を高めていく方が現実的な場合もあるでしょう。

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大切なのは、テクノロジーを使うか、人間の経験を使うかという二者択一ではありません。

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自社の店舗数、出店計画、人材、蓄積データに応じて、必要な分析方法と判断体制を整えることです。

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高度なシステムがなくても、現場で確認すべきポイントを明確にし、既存店の実績を検証し、立地判断の根拠を共有することはできます。

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そして、そうした基礎が整っている企業ほど、将来的に新しい分析技術を導入した際にも、その価値を生かしやすくなるはずです。

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<店舗開発の成長に必要なのは「判断できる人材」を育てること>

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私はこれまで、さまざまなチェーン企業の立地調査や売上予測、店舗開発担当者への研修に携わらせていただいてきました。

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その中で重視してきたことの一つが、単に物件の良し悪しを判定するだけでなく、その企業の担当者自身が立地を評価できるようになることです。

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すなわち、「立地分析の内製化」です。

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例えば、ある候補物件について、外部の専門家が「この物件は良くない」と判断したとします。

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もちろん、その判断によって不適切な出店を回避できるのであれば、それ自体にも価値があります。

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しかし、それだけでは、次に似たような物件が出てきたとき、再び外部の専門家に判断を求めなければいけなくなります。

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一方、なぜその物件が良くないのか、どの立地条件が問題なのか、自社の業態にとって何が不足しているのかを担当者が理解できれば、次の物件探しにも生かすことができます。

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さらに、既存店の実績と照らし合わせながら判断基準を改善していけば、立地分析のノウハウが社内に蓄積されていきます。

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これは、単に一人の担当者が勉強するという話ではありません。

担当者が異動したり、退職したりしても、会社として立地判断の知識や基準を残せるようにすることが重要なのです。

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ただし、すべての企業が立地分析の専門部署を設ける必要があるとは思いません。

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店舗数や出店頻度によっては、店舗開発担当者が基本的な立地評価を行い、難しい案件だけ外部専門家の支援を受ける形でもよいでしょう。

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重要なのは、社内ですべてを完結させることではなく、自社で判断すべきことと、専門家の力を借りるべきことを明確にすることです。

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<まとめ:店舗数だけでなく店舗開発の仕組みも成長させよう>

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店舗ビジネスでは、店舗数を増やすことに目が向きがちです。

しかし、店舗数が増えるにつれて、それを支える店舗開発の仕組みも変えていく必要があります。

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創業期には、社長自身の経験や判断が大きな役割を果たします。

その後、店舗数が増え、出店地域が広がり、複数の担当者が物件を扱うようになれば、立地判断の基準を共有し、組織として判断できる体制が必要になってきます。

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特に、これから本格的な多店舗展開を目指す企業にとって、立地判断のノウハウを社内に蓄積していくことは、長期的な成長を支える重要な取り組みです。

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高額なシステムを導入することだけが、その方法ではありません。

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既存店のデータを見直すこと、現地調査の方法を整えること、担当者が立地を評価できるようになること。

こうした取り組みを積み重ねることでも、店舗開発の質を高めていくことは可能です。

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店舗数を増やすだけでなく、良い立地を見極める力も、会社とともに成長させていく。

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これからの店舗展開を考える上で、ぜひ意識していただきたいことです。

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