ロードサイド店舗の立地を選ぶとき、「交通量」は確かに重要な判断材料の1つです。
しかし、おそらく多くの企業が実感として持っているように、交通量が多い道路沿いだからといって、必ずしも売れる立地とは限りません。
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大切なことは、単に何台の車が通っているかではなく、どんな車が、何のためにその道路を通り、そのうちどれだけの人が自店舗に来店する可能性があるのかということなのです。
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今回は、ロードサイド店舗の出店判断において、交通量の数字だけでは分からない立地の見極め方について解説します。
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<交通量が多い国道沿いでも、売れない店舗があるのはなぜか>
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ロードサイド店舗の候補物件を探していると、「国道沿いの交通量が多い場所です」「1日に何万台もの車が通ります」といった説明を受けることがあります。
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確かに、多くの車が通る道路に面していれば、それだけ多くの人に店舗を知ってもらえる可能性があります。
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しかし、ここで考えなければならないのは、通過する車の数と、実際に店舗へ来店する車の数は別物であるということです。
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例えば、交通量の多い国道でも、大型トラックなどの業務用車両が中心であれば、一般消費者向けの店舗にとっては、必ずしも十分な集客機会があるとは限りません。
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また、片側が複数車線の道路で車が速いスピードで走っている場合、ドライバーが店舗の存在に気づいたとしても、すぐに減速して駐車場へ入ることは難しくなります。
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さらに、中央分離帯があれば、反対車線からの右折進入ができないこともあります。
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つまり、交通量が多くても、店舗の前を通る車の多くが実際には来店しにくい状況にあるかもしれないのです。
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交通量は集客の可能性を示す数字ではありますが、それ自体が売上を保証する数字ではありません。
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<重要なのは「なぜその道を通るか」と「誰が通るか」>
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交通量の数字を正しく評価するには、まず、その道路がどのような役割を果たしているかを理解する必要があります。
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ここで重要になるのが、立地理論における「動線(日常生活行動線)」という考え方です。
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動線とは、基本的に人々が日常生活の中で行き来する場所と場所を結ぶ経路のことです。
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例えば、住宅地から勤務先へ向かう道路、住宅地から商業施設へ向かう道路、複数の生活圏を結ぶ道路などが考えられます。
こうした道路では、単に車が通っているだけではなく、人々が日常的にその道を利用する理由があります。
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そして、ロードサイド立地では、そうした移動の必然性に加えて、道路の構造も重要になります。
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同じ2つの場所を結ぶ道路が複数ある場合、ドライバーは必ずしも距離が最短の道を選ぶとは限りません。
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例えば、道幅が狭く、対向車とのすれ違いに気を使う道路よりも、多少遠回りでも走りやすい道路が選ばれることがあります。
(これは車を運転する人なら感覚的に分かりやすいでしょう)
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信号や交差点の配置、道路の接続状況などによっても、日常的に利用される経路は変わってきます。
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さらに見落とせないのが、交通量を構成する車両の種類です。
例えば、同じ交通量の道路でも、一方は大型トラックなどの物流車両が多く、もう一方は近隣住民が利用する乗用車が中心だったとします。
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ファミリー層を主な顧客とする飲食店や小売店であれば、一般的には後者の方が、来店につながる車両が多いと考えられます。
もちろん、トラックドライバーを主要顧客とする業態なら、評価は変わります。
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また、道路を物流道路、商流道路、郊外生活幹線道路、旧市街地生活道路などに分類する考え方も重要になります。
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こうした分類の目的は、決して、道路に名前をつけることではありません。
道路ごとの利用者の特徴を把握し、どのような業種業態に適しているかを考えるためです。
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その道路は、どこからどこへ向かう人々が、どのような目的で利用しているのか。そして、その人々は自社の顧客になり得るのか。
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これを把握することで、交通量の数字だけでは見えてこない道路の価値が分かってくるのです。
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<「車が通る道路」と「車が立ち寄れる店舗」は違う>
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道路が良好な動線になっていたとしても、それだけで店舗の立地条件が良いとは限りません。
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次に考えるべきなのは、その道路を通るドライバーにとって、店舗がどれだけ利用しやすいかという問題です。
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例えば、道路から店舗が見えにくい場合、そもそも店舗の存在に気づいてもらえないかもしれません。
それに、店舗が見えていたとしても、走行速度が速ければ、気づいたときには通り過ぎてしまう可能性があります。
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また、駐車場が広くても、進入間口が狭かったり、中央分離帯によって反対車線から入れなかったりすれば、利用できる車の動きが制限されます。
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交差点の角地やアウトカーブの外側など、道路に対する位置関係によって、ドライバーからの見え方や進入のしやすさが変わることもあります。
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このような条件は、立地分析における「知覚突出性」や「接近容易性」に関わる重要な要素となります。
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ここで注意したいのは、交通量が多い道路ほど、必ずしも来店しやすいわけではないということです。
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多くの車が通過することと、その車が安全かつ容易に店舗へ立ち寄れることは、分けて考えなければなりません。
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道路の交通量だけを見て「良い物件だ」と判断すると、こうした違いを見落としてしまう恐れがあります。
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<ロードサイド店舗の出店判断では交通量をどう使うべきか>
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それでは、ロードサイド店舗の出店判断に交通量データは必要ないのでしょうか。
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もちろん、そんなことはありません。
交通量は、その道路がどの程度利用されているかを把握するための重要な情報です。
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ただし、交通量を単独で評価するのではなく、ほかの立地条件と組み合わせて判断する必要があります。
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実際の候補物件を評価する際には、少なくとも次のような視点が必要です。
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- 道路の役割: どのような場所と場所を結び、どんな移動に利用されているか
- 交通の中身: 乗用車と大型車の構成、利用者の特徴が自社の顧客層に合っているか
- 道路構造: 車線数、中央分離帯、交差点、走行速度などが来店にどう影響するか
- 店舗の視界性: ドライバーが十分な距離から店舗の存在を認識できるか
- 店舗への接近容易性: 進入間口や駐車場の配置を含め、無理なく立ち寄れるか
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少なくともこれらを調べたうえで、さらに商圏の規模や質、競合店の状況などを組み合わせて、総合的に評価していくことになります。
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なお、複数店舗を展開している企業であれば、自社の既存店について、交通量と売上の関係を確認することも有効でしょう。
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ただし、交通量と売上に相関が見られたとしても、それだけで交通量が売上差の原因だと判断することはできません。
交通量の多い道路にある店舗ほど、間接的に、商圏要因などの他の条件も良好である可能性があるからです。どの部分との因果関係かは、慎重に見極める必要があります。
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立地のどの条件がどの程度売上に関係しているのかを見極めるには、複数の立地要因を合わせて分析する必要があります。
(多くの場合、詳細な数値化や重回帰分析を用います)
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また、業種業態によって交通量の重要性は異なります。通過する車からの認知や立ち寄りに強く依存する店舗と、目的来店が中心の店舗とでは、同じ道路条件でも評価は変わるでしょう。
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<まとめ――交通量の多さではなく自社にとっての集客可能性を見極める>
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ロードサイド店舗の立地選びでは、交通量の多さだけを根拠に出店を判断するべきではありません。
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交通量が多くても、利用者の特徴が自社の顧客層と合っていなければ、期待したほどの集客につながらない可能性があります。
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また、店舗が見えにくい、駐車場に入りにくいといった条件によっても、来店機会は失われます。
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反対に、交通量が突出して多くなくても、地域住民が日常的に利用する動線上にあり、自社の顧客層との相性が良く、店舗へのアクセスも容易であれば、十分に検討する価値があります。
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大切なことは、「何台の車が通る道路なのか」ではなく、「その交通量のうちどれだけが自社の集客につながり得るのか」という視点です。
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道路の役割、交通の中身、視界性、接近容易性、商圏条件などを総合的に分析し、自社にとって本当に売れる可能性のある立地なのかを見極めることが、根拠ある出店判断につながります。
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