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BLOG 立地データを集めるより「立地を見抜ける人」を育てよう

更新日:2026.09.23

店舗開発において、データ分析はとても重要です。

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商圏人口、駅の乗降客数、小売業年間販売額、競合店の数、既存店の売上げなど・・・・

店舗数が増えてくれば、こうしたデータを蓄積し、自社の売上げとの関係を分析することも重要になります。

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私自身、立地分析ではデータをかなり重視しています。

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特に30店舗以上展開しているようなチェーン店の分析では、既存店のデータを使って重回帰分析を行い、売上予測モデルを作ることが基本となりますし、初めて出店開業される個人事業主の方にアドバイスをさせていただく時も、データを見ないことはありません。

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ですから、「経験や勘だけに頼らずデータが大切」という話であれば、基本的にはその通りだと思います。

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しかし、それでも私は、データを集めること以上に、「立地を見抜ける人」を会社の中に育てることが重要だと考えています。

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なぜなら、データさえあれば自動的に正しい立地判断ができるというわけではないからです。

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<統計データに表れているものだけが「立地」ではない>

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たとえば、新しい出店候補の物件が出てきたとします。

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駅から「300m」。

駅乗降客数は「○万人」。

周辺人口は「○万人」。

小売業年間販売額は「○億円」。

競合店は半径500m以内に「3店舗」。

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こうした情報は、今では以前よりずっと簡単に取得できるようになりました。

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GIS(地理情報システム)が格安になったり、Web上で無料で公開されるデータが増えたりもしたからです。

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しかし、ではこれだけでその物件の良し悪しを判断できるかというと、そういうわけではありません。

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実際の立地を見るときには、他にも様々な要因をチェックしなければなりません。

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その地域にどんな「TG」があるのか。

TGから発生した人々は、どのような「動線」を通っているのか。

その物件は、その動線から自然に接近できる場所にあるのか。

移動している人から店舗や看板が自然に知覚されるのか。

競合店の単なる数だけではなく、自店に対しての位置関係的にはどの程度の影響を持つのか。

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こうしたことまで考えなければ、立地評価と売上予測を総合的に算出することはできないのです。

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立地を考える中心には、「人がなぜそこに現れ、なぜそこを通り、なぜ店に気づき、なぜそこへ到達するのか」という、人の心理や行動に根差した発想があります。

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机上で取得された数字だけを眺めていても、その街の人の動きがすべて見えるわけではありません。

(それは今流行りの「人流データ」についてもそうです)

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ですから、立地分析には「実査」が必要不可欠なのです。

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実際に現地へ行き、人の流れを見て、道路を見る。

駅やTGとの位置関係を見る。

店舗がどう見えるのかを確認する。

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こうしたことが、出店判断を行う上できわめて重要なプロセスとなります。

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「データを見ること」と「立地を見ること」は、同じではないのです。

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<大切なのは、現地で「違和感」に気づけること>

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では、「立地を見抜ける人」とはどんな人でしょうか。

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それは決して、単に「沢山の物件を見てきた人」ではありません。

物件を見た量で言えば、それこそ不動産業の方々が遥かに多いでしょうが、彼らが必ずしも「繁盛立地」を見抜けるわけではないですよね。

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立地を見抜くために重要な視点は、「なぜこうなっているのだろう?」と考えられることです。

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たとえば、地図を見た段階では、「駅からこの物件までは近いし、人もこちらへ流れてくるだろう」と思っていたとします。

ところが現地へ行ってみると、人はほとんど別の方向へ歩いていました。

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そこで、「思っていたのと違った」で終わるのではなく、「なぜ人はこちらへ来ないのだろう?」と考えられるかどうかがポイントです。

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駅の出口の向きの問題なのか。

横断歩道の位置が悪いからなのか。

強いTGが反対側にあるからなのか。

道路によって人の動きが分断されているのか・・・

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こうした「想像と現実の違い」を見つけ、その理由を考えることが立地分析では非常に重要となります。

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これは以前にも書いた、「予測が外れた店はまだ知らない立地要因を教えてくれる」という話ともつながっています。

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これは、厳密に言えば、予測が外れた店舗が勝手に何かを教えてくれるわけではなく、予測と実績に大きな差が出た時に「なぜその差が生まれたのだろう?」と考えられる人がいるから、その原因を究明して会社のノウハウにできるという話でした。

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データに異常が出ている。

現地を見ると何か違う。

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そういった違和感を放置せず、理由を探す能力こそ、立地を見抜く力の重要な部分なのです。

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<「勘のいい人」を育てればいいわけでもない>

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ここで誤解していただきたくないのは、「結局データより人間の勘が大切」という話ではないということです。

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むしろ逆です。

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立地を見抜く力を持っている人であっても、その人個人が「なんとなくこの場所は良さそう」と言っているだけでは、当然ですが会社としてのノウハウにはなりませんし、出店判断をするにも難しいでしょう。

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その物件をなぜ良いと思ったのか。

実地調査で何を見たのか。

他の店舗と何がどう違うのか。

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そういったことを、数値で裏付けを取ったりそれを元に言語化したりして、しっかり説明できる必要があります。

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つまり、決して「データか、人か」という二者択一ではないということです。

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データから仮説を立てる。

現地を見る。

想像と現実の違いに気づく。

「なぜ?」を考える。

そこで見つけたものを整理し、データとして検証する。

そして、その結果を次の立地判断に使う・・・・

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その一連の流れこそが、正しい立地分析なのです。

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立地の知識だけでも、現場観察の勘だけでも、統計データだけでも、正しく立地を見るには不十分です。

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それらを統合し、「良い・悪い」の判断を正しく下すことは人間にしか不可能なことです。

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ですから、ショップビジネス企業が社内に育てるべきなのは、ただ「勘のいい店舗開発担当者」でもなければ、ただ「数字だけに強い分析担当者」でもありません。

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データと現地の両方を見ながら、それらを統合して「なぜこの店は売れるのか(売れないのか)」を考え、社内に納得のいく説明ができる人です。

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<まとめ:社内に育てるべきなのは「データ」とそれを読める「人」>

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店舗数が増えてくれば、データはどんどん蓄積されていきます。

30店舗、50店舗、100店舗と展開すれば、それだけ多くの売上データと立地データを持つことになります。

それらは、企業にとって大きな財産です。

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しかし、「膨大なデータを持っている」だけでは、「正しく立地分析できるノウハウを持っている」ということにはなりません。

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重回帰分析などの統計解析を行えば、数字としてきれいな結果が出ることもあります。

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しかし、統計上の当てはまりだけを見て、その結果をそのまま「真実」と考えるべきではありません。

数式として成立していることと、実際の立地現象として意味があることは別だからです。

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だからこそ、その数字が何を意味しているのかを考えられる人が必要です。

「売上予測のシステムではこういう数字が出ました」と、右から左へ流すような話しかできないのでは困ります。

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現地へ行き、人を見る。

TGを見る。

動線を見る。

接近容易性を見る。

視界性を見る。

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そして、「なぜこの場所ではこういう現象が起きているのだろう?」と考えられるかどうか、です。

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その仮説を再びデータで確かめる、そういったプロセスを繰り返すことで、会社の中に本当の立地ノウハウが蓄積されていきます。

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もちろん、優れたデータ分析の仕組みを作ることは重要です。

売上予測モデルを作ることも重要です。

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しかし、そうしたものは所詮は「ツール」でしかなく、それらを使うのは結局「人」なのです。

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そして、データやモデルではまだ説明できていない未知の要因を発見するのも、最終的には「人」です。

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ですから、立地データを集めるだけではなく、「立地を見抜ける人」を育ててほしいと、常にそう思っています。

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それゆえに、弊社のサービスの根幹は「外部機関として立地分析を代わりにやって差し上げること」ではなく、「企業内に立地やデータを見抜ける人を育て、立地分析を内製化できるようにサポートすること」なのです。

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優れた立地分析とは、「良いデータを持っている会社」を作ることだけではありません。

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そのデータを使い、現地を見て、考え、まだ数字になっていない立地要因に気づける人が社内に育っていくことこそ、長期的には会社にとって最も大きな立地ノウハウになるということを、忘れないいただければと思います。

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