「飲食店は人通りの多い場所がいい」
「スーパーなら住宅地がいい」
「美容室なら女性の多い商圏がいい」
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店舗立地について考えるとき、このように「業種・業態」から立地条件を考えることはよくあります。
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確かに、業種が違えば売れる立地が違うことはイメージしやすいと思います。
ファストフードと美容室とクリーニング店では、お客さんが店を利用する目的も、利用頻度も、店を選ぶタイミングも違いますから、求められる立地条件が違うのは当然です。
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しかし、実際の店舗立地の分析では、もう一段深いところまで考える必要があります。
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それは、同じ業種・同じように見える業態であっても、売れる立地は同じとは限らないということです。
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たとえば「カフェ」というひとつのカテゴリーで考えてみましょう。
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スターバックスも、ドトールも、タリーズも、大きく括ればカフェです。
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しかし、「カフェだからこの立地なら売れる」と一括りにしてしまっていいのでしょうか。
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<同じカフェでも売上げを左右する立地要因は違う>
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立地分析においては、
「商圏規模」
「商圏の質」
「接近容易性」
「知覚突出性」
「土地・建物制約」
「競合制約」
という6大立地要因を基本に考えます。
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この6つを見るという基本的な枠組み自体は、業種業態が変わっても大きくは変わりません。
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しかし重要なのは、「6つのうち何がどの程度売上げに影響しているのかは、業種業態によって異なる」ということです。
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さらに面白いのは、その違いが「カフェと美容室」のような大きなカテゴリー(業種)の違いだけではないことです。
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私がこれまで企業の売上予測モデルを作ってきた経験でも、同じカフェ業態であっても、A社とB社ではモデルに採用される変数がまったく違うということがありました。
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というよりも、基本的にはまったく違います。
したがって、カフェA社で作ったモデルをそのままB社に持っていって運用することは不可能なのです。
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(そもそも守秘義務があるため、実際にひとつの企業で作ったモデルを別の企業に開示することはありませんが、実験的に私自身の手元で、A社のモデルを使ってB社の予測をしてみるといったことはしています。
その結果、やはり精度は低く不安定なものになったということです)
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これは、とても重要な観点です。
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つまり、「カフェにとって良い立地」という唯一の正解が存在するわけではないのです。
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<なぜ同じカフェでも「売れる立地」が違うのか?>
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では、なぜ同じような業態なのに、売れる立地が変わるのでしょうか。
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理由は考えてみれば当然で、そのブランドによって、「誰が、何のために、どのようにその店を利用するのか」が違うからです。
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改めて、先ほどのカフェの例で考えてみましょう。
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スターバックス、ドトール、タリーズなど・・・・
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多種多様なカフェチェーンがあります。
これらのチェーンは、もちろん同じ人が利用する場合もありますが、基本的にはそれぞれ利用されやすいシーンというのは違います。
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同じカフェでも、
通勤途中に短時間利用する人が中心なのか。
仕事や勉強などで比較的長時間滞在する人が多いのか。
買い物途中の休憩需要が多いのか。
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待ち合わせに使われることが多いのか。
その店を目的に来店する人が多いのか。
目の前を通ったときに「ちょっと入ろう」と利用されることが多いのか・・・・
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などといった見方が違います。
そして、これらが違えば、当然、立地との関係も変わります。
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たとえば、通勤途中の利用が売上げに強く影響するブランドなら、単純な駅からの距離だけではなく、TGである駅から発生した人々がどの動線を通るのかが重要になるかもしれません。
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一方で、わざわざその店を目指して来店する割合が高ければ、多少メイン動線から外れていても成立する可能性があります。
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長時間滞在する使われ方が多ければ、物件の規模や客席数といった物件自体の条件も変わるでしょう。
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また、商圏にいる人々の年齢、就業状況、購買力、利用時間帯などが違えば、そのブランドとの相性も変わります。
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つまり、同じ「カフェ」という看板を掲げていても、お客さんとの関係が違えば、売上げを作る立地構造も違ってくるのです。
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<「一般的に良い立地」と「自社にとって良い立地」は違う>
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これは、経営者や店舗開発責任者にとって非常に重要な話だと思います。
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なぜなら、多店舗展開を進めていくと、「この業態ならこういう立地がいい」という一般論だけでは判断できなくなるからです。
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たとえば競合他社が駅前で成功している。
だから自社も駅前に出す。
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同業他社がロードサイドで伸びている。
だから自社もロードサイドへ展開する。
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そういった取り組みは、一見して合理的に感じられるかもしれません。
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しかし、当然のことですが、競合企業と自社では、同じカテゴリーの商品・サービスを提供していても、価格帯・商品構成・ブランド力・店舗規模・利用目的・来店頻度・お客さんが店を選ぶタイミングも、何もかも違うかもしれません。
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そうであれば、競合企業にとっての好立地が、そのまま自社にとっての好立地になるとは限りません。
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こうしたことは、売上予測モデルをしっかり作ることができると、そこにそのまま表れます。
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つまり、「カフェ用の予測モデル」や「美容室用の予測モデル」などを1つ作れば終わり、という話ではないのです。
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よく、企業様からの問い合わせで、「売上予測モデルを作っている時間や人材の余裕がないから、すでにあるモデルを売ってほしい」とご要望されることがありますが・・・・
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こうして考えると、それがきわめて難しいということはご理解いただけるのではないでしょうか。
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確かに弊社には、様々な業種業態のモデルがあります。
大きな「業態」という括りで言えば、おそらくかなり幅広く網羅していると思います。
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飲食店でも、居酒屋・カフェ・ラーメン・バー・ファミレス・牛丼・寿司・焼肉などなど、
小売店でも、コンビニ・スーパー・ドラッグストア・雑貨店・メガネ店・アパレル・家具店などなど、
サービス業店でも、美容室・整骨院・フィットネスジム・クリーニング店・ブランド買取店・カラオケ・ネットカフェなどなど・・・・
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ここに書き切れないほどの業態の分析をさせていただきました。
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しかし、同じ業態でも企業が変われば、いえ、同じ企業でも屋号が変われば、新しいモデルを1からカスタマイズして作らないと、精度は高くならなかったのです。
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ですから、立地分析をするのであれば見るべきなのは、「自社の売上げは、どんな立地条件によって生み出されているのか?」です。
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必ず、自社店舗を分析しなければなりません。
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<自社の「売れる立地」は既存店の中にある>
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では、自社にとっての好立地をどう見つけるのでしょうか。
その答えはやはり、すでに出店している既存店を分析することです。
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何を当然のこととお感じになられるかもしれませんが、結局はこれが重要なのです。
他社・他店のデータは、参考にはなれども基準指標にはなりません。
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30店舗、50店舗、100店舗と展開している企業なら、すでに自社の中に大量の実証データがあります。
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各店舗について、
どのくらいのマーケットサイズがあるのか。
どんな人々がいる商圏なのか。
どんなTGがあるのか。
そこからどんな動線が形成されているのか。
店舗へのアクセスのしやすさはどうか。
お店の見え方はどうか。
物件の構造はどうか。
どんな競合環境なのか。
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など、そうした条件と実際の売上げを照らし合わせていくのです。
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その積み重ねがあって初めて、「自社の売上げに特に強く影響している立地要因」が見えてきます。
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売上予測モデルを作る大きな価値のひとつも、単に新店の売上げを数字で予測することだけでなく、モデルを作る分析過程を通じて、その業態の売上げに大きく関わる立地要因が明らかになるため、既存店の改善や出店戦略の立案に応用できることにあります。
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だからこそ私は、多店舗展開する企業を目指すのであれば、「一般的に良い立地はどこか?」ではなく、「自社にとって良い立地はどこか?」を考えることが重要だと思っています。
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同じカフェでも違う。
同じスーパーでも違う。
同じ美容室でも違う。
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同じ業界で、同じような商品を売り、同じようなお客さんを相手にしているように見えても、売上げを生み出している立地構造まで同じとは限りません。
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むしろ、多店舗展開をして既存店のデータが蓄積されている企業なればこそ、自社だけの「売れる立地」を発見できるのです。
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それは、競合他社の成功事例を真似するだけでは手に入らない、自社固有の出店ノウハウになります。
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「この業態なら、どこに出せばいいのか?」
そこからもう一歩踏み込んで、
「自社の店なら、どこに出せば売れるのか?」
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経営者や店舗開発責任者が本当に知るべきなのは、こちらなのではないでしょうか。
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