雨が降ると、お店の売上げは落ちる-----
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ショップビジネスをやっている人であれば、そんなイメージを持っている方は多いと思います。
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実際、雨が降れば外出を控える人は増えますし、徒歩や自転車での移動も減ります。わざわざ買い物や外食に出掛けようという人も少なくなるでしょう。
だから、雨の日に売上げが落ちること自体は、それほど不思議ではありません。
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ただ、立地分析をする立場からすると、ここで気になることがあります。
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「では、雨が降ったら、すべてのお店が同じように売上げを落とすのか?」ということです。
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おそらく、そんなことはありません。
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ある店は晴れの日と比べて売上げが30%落ちるのに、別の店は10%しか落ちないということが実際にあります。
場合によっては、雨の日でもほとんど影響を受けない店や、業態や周辺環境によっては、むしろ雨の日の方が売上げが伸びる店だってあるかもしれません。
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だとすれば、この差はどこから生まれるのでしょうか。
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私はここにも、「立地」が大きく関係していると考えています。
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<雨が降ると「人の数」だけでなく「人の動き」が変わる>
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雨の日の売上げを考える時、多くの人が「雨だから外出する人が減った」というだけで説明してしまいがちです。
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しかし、立地という観点から見ると、もう一つ重要な変化があります。
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雨が降ると人々が歩く「動線」そのものが変わることがあるということです。
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例えば晴れている日なら、駅を出てから目的地まで多少遠回りして歩くこともあるでしょう。
ちょっと気になるお店を見つけて寄り道することもあります。
自転車で少し離れたスーパーまで買い物に行く人もいるでしょう。
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ところが雨が降ると、行動は変わります。
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なるべく濡れたくない。
なるべく歩きたくない。
できれば屋根のあるところを通りたい。
地下道があるなら地下を通りたい。
駅から目的地まで、できるだけ短いルートで移動したい。
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つまり、普段よりも人々の移動に「制約」が強くかかります。
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すると、晴れの日にはたくさんの人が通っていた道路から人が減り、代わりにアーケードや地下道など、雨に濡れにくい場所へ人が集中することになります。
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そうなれば、駅から少し離れた店舗より、駅出口のすぐそばにある店舗の方が相対的に有利になることもあるでしょう。
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普段はそれほど大きな差に見えなかった数十メートルの距離が、雨の日には大きな心理的距離になることだって考えられます。
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このことを考えると、立地を分析する際、「この道路は一日○万人通る」という数字だけを見ていても十分ではありません。
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その人々は、なぜその道を通っているのか。
そして、雨が降っても同じ道を選ぶのか。
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そこまで考えて初めて、「その店の前に人が流れてくる理由」が見えてきます。
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<雨は「立地上の弱点」を浮き彫りにする>
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そう考えると、雨天は店舗立地にとって、ある種の「ストレステスト」のようなものだとも言えます。
普段は目立たなかった立地上の弱点が、雨によって一気に表面化するからです。
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例えば、駅から少し離れている。
駅から店までの間に屋根がない。
自転車で来店するお客さんへの依存度が高い。
店前を通る人々の「ついで来店」に支えられている。
駐車場から店舗入口まで歩かなければならない。
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こうした条件は、晴れている時にはそれほど大きな問題にならなくても、雨が降った途端に影響が強くなる可能性があります。
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逆に、駅からほとんど濡れずに行ける。
地下道やアーケードからアクセスできる。
駐車場から店舗までの移動負担が小さい。
雨の日でも必ず発生する生活動線上にある。
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こうした立地条件を持つ店舗は、相対的に雨の影響を受けにくいかもしれません。
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なお、これらの立地条件の違いは、決して「雨が降らなければ分からないこと」ではありません。
日頃から見えているものではあるのですが、雨によって強調されることで、その重要性が浮き彫りになるということです。
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こうした要因を踏まえると、晴れの日には同じくらい売れている2店舗でも、雨の日になると大きな差が出ることがあります。
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その差を調べることで、逆にその店舗が「何によって売れているのか」が見えてくる可能性があります。
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<「雨の日の売上げ」を分析すると自社の立地特性が見えてくるかもしれない>
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もし多店舗展開しているチェーンで、日別の売上データと天候データが揃っているのであれば、これは一度分析してみると面白いと思います。
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例えば各店舗について、「晴天時と比較して雨天時に売上げが何%変化するのか」を出してみてください。
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すると、
雨でもほとんど売上げが変わらない店。
雨が降ると大きく売上げを落とす店。
場合によっては雨の日に売上げが上がる店。
という違いが見えてくるかもしれません。
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そうしたら次に、その差が何によって生まれているのかを調べます。
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駅からの距離なのか。
駐車場の有無なのか。
屋根のある動線との関係なのか。
周辺住民を中心に集客しているのか、それとも遠方から来る人への依存度が高いのか。
徒歩・自転車・自動車など、どの交通手段で来店する人が多いのか。
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もちろん、雨の影響は業態によっても違いますし、気温や曜日、雨量、時間帯なども関係します。
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ですから単純に「雨の日に売上げが落ちた=立地が悪い」と判断することはできません。
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しかし、多くの店舗のデータを比較していけば、「自社はどういう立地だと雨に強く、どういう立地だと雨に弱いのか」という傾向は見つけられるかもしれません。
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これは決して、単なる天候対策の話ではありません。
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なぜなら、雨によって売上げが大きく落ちる理由を突き詰めていけば、
「この店は想像以上に自転車客に依存していた」
「この店は駅からの距離以上に、途中で屋根が途切れることが問題だった」
「この店は目的来店より、通行途中の立ち寄りに支えられていた」
といった、普段の売上げを生み出している構造そのものが見えてくる可能性があるからです。
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<まとめ:雨の日は「立地の正体」が見えやすくなる>
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立地分析というと、商圏人口や駅乗降客数、店前通行量など、「普段の状態」を分析するイメージが強いと思います。
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けれども、あえて普段とは違う状況を見てみることで分かることもあります。
雨の日というのは、その一つです。
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晴れている時には似たように見える2つの店舗でも、雨という負荷をかけると、売上げの動きがまったく違うかもしれません。
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では、なぜ違うのか。
人々はどこから来ているのか。
どんな交通手段を使っているのか。
どの動線を通っているのか。
なぜその店に立ち寄っているのか。
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そういったことを考えていくと、普段は見えなかった店舗の立地特性が浮かび上がってきます。
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ですから、雨の日に売上げが落ちた時、「今日は雨だから仕方ない」だけで終わらせてしまうのは、少しもったいないことだと思います。
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見るべきなのは、「雨だから売上げが落ちた」ではなく、「なぜ、この店は他の店より雨の影響を受けたのか?」です。
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雨そのものはコントロールできません。
でも、雨によって人々の行動がどう変わり、それが店舗の売上げにどう影響するのかは分析できます。
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そして、その違いを追いかけていくことは、「そもそもこの店は普段どういった要因によって売れているのか?」を知ることにもつながります。
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立地分析をする人間にとって雨の日とは、普段は隠れている「その店の立地の正体」が少し見えやすくなる日でもあるのです。
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