店舗物件を探していると分かりますが、当然ながら立地によって家賃は大きく変わります。
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駅前の一等地なら家賃は高い。
駅から離れたり、一本裏に入ったりすれば家賃は安くなる。
といった具合にですね。
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そうなると、こんな疑問が自然と挙がってきます。
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「家賃が高い物件ほど、やっぱり売上も高くなるのか?」
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これは、店舗の売上予測を考える上でも非常に面白いテーマです。
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一般的には、家賃が高いということは、それだけ不動産としての需要が高い場所です。
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駅前である。
人通りが多い。
商業集積がある。
アクセスしやすい。
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こうした条件が家賃に反映されているのであれば、家賃を見ることで、その物件の「立地の良さ」をある程度は推測できそうです。
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実際、家賃と店舗売上には一定の関係があります。
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しかしながら、「家賃が高い=売上が高い」と単純に考えてしまうと、店舗の売上予測はかなり危険なものになります。
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<家賃には「立地の価値」が“ある程度は”反映されている>
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そもそも、なぜ一等地の家賃は高いのでしょうか。
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それは、単純に言えば、「その場所を借りたい人が多いから」です。
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駅前の目立つ場所や、大勢の人が行き交う商業エリアには、多くの企業や店舗が出店したがります。
その結果、物件に対する需要が高まり、家賃も上昇します。
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したがって家賃には、ある程度その場所の商業的な価値が織り込まれていると考えることができます。
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実際、私たちが過去に店舗データを分析した際にも、業態によって程度の違いこそありますが、家賃の高い店舗ほど売上も高くなる傾向は確認されています。
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これは決して不思議なことではありません。
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家賃の高い場所には、商圏規模が大きかったり、人が集まるTGがあったり、店前を通る人が多かったり、店舗の存在を知ってもらいやすかったりと、売上を作りやすい条件が揃っていることが多いからです。
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ですから店舗の売上予測をするときに、家賃という数字をまったく無視するわけではありません。
問題は、その先です。
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<同じ家賃でも売上は同じにはならない>
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仮に、
「月100万円の物件なら、これくらい売れる」
という単純な法則が成立するのであれば、店舗の売上予測はものすごく簡単になります。
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しかし、もちろん現実はそんなことにはなりません。
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同じような家賃を払っている店舗でも、大きく売れる店もあれば、それほど売れない店もあります。
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なぜなら、家賃は立地の価値を構成するさまざまな要素を、すべて正確に表現している数字ではないからです。
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例えば、駅前に家賃100万円の物件が二つあったとします。
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一方は駅から発生した人々の主要な動線上にあり、店舗の存在も非常によく認識される。
もう一方は駅からの距離こそ近いものの、主要な動線から外れていて、店舗の存在にも気づいてもらいにくい。
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こうなると、不動産物件としては同程度の家賃だったとしても、店舗立地としての価値は同じではありません。
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さらに、商圏規模、商圏の質、接近容易性、知覚突出性、土地・建物制約、競合制約などによっても売上は変わります。
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つまり、家賃は立地を(直感的に)表す一つの指標ではあっても、現実的な立地評価そのものではないということです。
ここを混同すると、売上予測を大きく誤ります。
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<業態が違えば「良い立地」も変わる>
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さらに重要なのが、業態によって家賃と売上の関係が変わるということです。
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これも過去の店舗データを分析するとよく分かります。
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ある業態では家賃と売上に比較的強い関係が見られる一方で、別の業態ではそれほど強い関係が見られないということがあります。
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不思議に思われるかもしれませんが、よく考えてみれば当然の現象なのです。
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例えば、通行量や店前での認知が売上に大きく影響する業態であれば、駅前や繁華街などの高家賃立地に出店するメリットは大きくなります。
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一方で、目的来店性が高く、お客様が多少離れた場所までわざわざ訪れてくれる業態なら、必ずしも最高家賃の場所に出店する必要はありません。
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ロードサイド型の店舗なら、また評価すべき条件が変わります。
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ですから、「家賃が高いから良い立地」ではなく、「この業態にとって、この立地に高い家賃を払う価値があるのか」を考えなければなりません。
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これは店舗の売上予測において非常に重要な視点です。
立地の良し悪しは絶対評価ではなく、そこで営業する業態との組み合わせによって決まるからです。
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特に分かりやすい例を出せば・・・・
家賃は、いわゆる「駅前一等地」のような場所が高くなります。同時に、こうした場所で売上げを取りやすいのは居酒屋やカフェなどの一般的な飲食店や、ドラッグストアやコンビニなどの小売店です。
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一方で、クリーニング店などは駅に近いことはそこまで強いプラス要因にはなりません。むしろ(TGさえあれば)住宅街でも比較的高い売上げを出すことができます。
そうした場所の物件は往々にして、駅前の物件よりも(クリーニング店にとって)立地は良いのに家賃は安いということになります。
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<売上予測は「一つの数字」からはできない>
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最近は、人口や通行量、駅乗降客数、家賃、競合店舗数など、さまざまなデータを簡単に取得できるようになりました。
AIを使って、それらのデータから店舗の売上を予測するサービスも増えています。
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もちろん、こうしたデータは売上予測に使えます。
家賃だってその1つとして参考にする分には問題ありません。
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ただし重要なのは、どの数字も単独では売上を決めていないということです。
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人口が多ければ売れるわけではない。
通行量が多ければ売れるわけでもない。
駅に近ければ売れるわけでもない。
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そして、家賃が高ければ売れるわけでもありません。
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売上を予測するためには、それぞれのデータが、その業態の売上に対して「なぜ影響するのか」を理解する必要があります。
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さらに、数字として取得しやすいマクロなデータだけではなく、実際に人々がどこから発生し、どのように移動し、その店舗がどのように見え、どの程度入りやすいのかというミクロな立地条件まで見なければなりません。
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店舗の売上予測とは、単にデータをたくさん集めて計算することではありません。
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「その店の売上が、なぜその場所で生まれるのか」を構造として理解し、それを数字に落とし込むこと。
それが本来の売上予測です。
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家賃は、その構造を考えるための重要なヒントの一つです。
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しかし、家賃だけを見て、「これだけ高いんだから売れるだろう」と判断してしまうのであれば、それは売上予測とは呼べないのです。
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なお、余談ですが・・・・
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そもそも「家賃」とは、ある程度の相場はあるものの、最終的には「大家さんの一存」によって決められています。
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したがって、極端な話ですが、どんなに人気な物件であったとしても大家さん次第では格安で貸し出すことだって有り得ますし、その逆に、立地はきわめて悪いのに大家さんが譲らず高額家賃を設定されることもあります。
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個人の裁量によって決定される数字である以上、「家賃が高い場所は良い立地である」と決めてかかるのは、危険であるということです。
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