初めて自分のお店を出そうと思った時、皆さんはまず何から始めるでしょうか。
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おそらく多くの人が、インターネットで店舗物件を検索するのではないかと思います。
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「駅から徒歩5分以内」
「20坪くらい」
「家賃は30万円まで」
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例えばそんな条件を入力して、出てきた物件を眺めながら、
「ここは良さそう」
「こっちは家賃が高いな」
「この物件ならお店ができそうだ」
と考えていくわけですね。
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あるいは、不動産屋さんへ行って、「○○駅の周辺で、何か良い店舗物件はありませんか?」と聞く人もいるでしょう。
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もちろん、最終的には物件を探さなければお店を出すことはできません。
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しかし私としては、初めてお店を出す人ほど、いきなり物件探しから始めない方がいいと考えています。
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以前、拙著の中でも、「物件探しで『まずネット』『まず不動産屋』は失敗の元!!」といったことを書かせていただきました。
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そうはいっても、では、何から始めればいいのでしょうか。
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今回は難しい立地分析の話ではありません。
初めてお店を出したいと思った人が、物件探しを始める前にやってほしいことを、3つのステップに分けて紹介します。
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<STEP1 物件を探す前に、出店したい街を歩く>
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最初にやっていただきたいことは、空き物件を探すことではありません。
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自分が出店したいと思っている街を、実際に歩いてみることです。
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これは決して、「目当ての物件は駅から徒歩何分か」を測るためというようなことではありません。
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街には、実際に行かなければ分からないことがたくさんあります。
例えば・・・・
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どんな人たちが歩いているのか。
どこに人が集まっているのか。
駅や商業施設などから発生した人たちは、どちらへ向かって歩いているのか。
どんなお店が多いのか。
自分のお店のお客さんになりそうな人は、本当にそこにいるのか。
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などといったことです。
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こうしたことを、まず自分の目で見てみるのです。
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店舗立地を考える時には、物件そのものだけではなく、その周辺エリア≒商圏がどんな状態なのかを見ることが重要です。
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商圏内にはどんな人がいるのか。
外から人が入ってくる街なのか。
それとも外へ出ていく傾向が強い街なのか。
そこに自分のお店を出したら、どんな人たちがお客さんになりそうなのか・・・・
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といったようなことを明らかにしていくのが、いわゆる「商圏分析」の初歩です。
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もちろん、初めてお店を出す人に、いきなり本格的な商圏分析をしてくださいと言っているわけではありません。
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それでも、ただまずは街を歩いてみるのです。
そして、「この街で、自分のお店をやるとしたら?」という目で街を眺めてみてください。
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それだけでも、普段その街を歩いている時とは、まったく違ったものが見えてくるはずです。
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物件情報を見る前に、まず「街」を見る。
これが最初のステップです。
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<STEP2 自分にとって「100点の立地」を見つける>
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次にやっていただきたいのが、「もし自由に選べるなら、自分はどこに店を出したいのか?」を考えることです。
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ここでは、その物件が実際に空いているかどうかは、いったん無視して構いません。
すでに他のお店が営業していてもいいのです。
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街を歩きながら、「ここに自分のお店を出せたら最高だな」と思える場所を探してみてください。
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これは、「この物件だったら自分にとって文句なしの100点満点」という物件、あるいは立地条件を明確にする、というプロセスです。
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なぜ、そんなことをするのかといいますと、それは、最初に「100点」を知らなければ、その後に出てくる物件を評価する基準が作れないからです。
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たとえば不動産屋さんから、「駅から近くて、家賃も予算内です。良い物件ですよ」と言われたとします。
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確かに、そういう言葉だけを聞くと、魅力的に感じられるかもしれません。
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しかし、「自分のお店にとって良い立地とは何か」という基準を持っていなければ、それが本当に自分にとって良い物件なのかを判断できません。
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「駅から近い」というのは、本当にあなた自身のやりたいお店にとって必要な条件でしょうか?
もしかしたら、駅から離れていたとしても、しっかり通勤動線上にあった方がいいのではないでしょうか?
もしくは、居酒屋街の中にあってハシゴしてくるお客さんを狙うべきなのでは?
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といったことを無視して、一般的なイメージだけで考えてしまっては、本当に良い物件を見逃してしまうことになりかねません。
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店舗立地では、TGや動線、視界性など、さまざまな要因が売上げに関係します。
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ですから街を歩く時も、「駅に近いから良さそう」だけで終わらせるのではなく、
「この場所なら、あのTGから発生した人たちの動線上にあるな」
「ここならお店の存在に気づいてもらいやすそうだ」
「この場所なら自分のお客さんが利用しやすそうだ」
というように、自分なりに考えてみてください。
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なお、最初から完璧に立地を分析できる必要はありません。
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まず「自分が理想とする立地の見本を設定する」ことが重要なのです。
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<STEP3 「譲れる条件」と「譲れない条件」を決める>
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ただし、ここで現実的な問題が出てきます。
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それは、ある意味で当然の話ですが、自分にとって100点満点の場所を見つけたとしても、そこが空いているとは限らないということです。
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むしろ、本当に良い物件であれば、すでに誰かがお店を営業していることの方が多いでしょう。
100点の物件を設定はすれども、基本的に100点の物件に出店するということはきわめて難しいことですから。
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となると、現実的にはどうしても、そこから減点された物件に出店することになります。
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そこで次に考えるのが、「100点でなければ、何点までなら出店できるのか?」ということです。
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100点満点の立地を明確にした後、「では何点までだったら許容範囲内なのか」を考え、「どこは譲れる部分で、どこは譲れない部分なのか」を明確にすることが重要になります。
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たとえば、「大きなTGから多少離れてもいい。その代わり、しっかり看板を出せる場所がいい」という人もいるでしょう。
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あるいは、「この動線上なら2階でも構わない。でも、この動線から外れるなら路面店でなければ難しい」という考え方もできます。
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重要なのは、すべての条件を満たす物件を探すことではなく、自分のお店にとって何が重要なのかを先に決めておくことです。
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家賃は少し高くてもいいのか。
駅から多少離れてもいいのか。
路面店でなければいけないのか。
多少狭くてもいいのか。
TGとの位置関係や動線については、どこまで許容できるのか。
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こうして「譲れる条件」と「譲れない条件」が見えてくると、ようやく、「自分が探すべき物件」の輪郭が見えてきます。
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<物件を「紹介してもらう」のではなく自分で「選ぶ」>
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ここまでできたら、いよいよ物件探しです。
インターネットで探してもいいですし、不動産屋さんへ相談してもいいでしょう。
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ただし、ここまでの3つのステップを実行してきた後とその前とでは、大きな違いがあります。
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それは、
「何か良い物件ありませんか?」
ではなく、
「私は、こういう場所で、こういう条件の物件を探しています」
と言えるようになっていることです。
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物件を探されている方の立地相談にお応えする時、私は、街をくまなく見た後で不動産屋さんへ行ったら「ここからこのエリアでこういう物件が空いたら出店したいので連絡ください」と伝えることをお勧めしています。
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つまり、物件の探索範囲を具体的に絞りこむということです。
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物件の坪数や構造については細かく指定される方も多いものの、探索する範囲まで明確にする人はほとんどいません。
せいぜい、「●●駅周辺で、徒歩5分圏内で」くらいでしょう。
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しかし、本気で物件探しをするのであれば、「●●駅周辺で、北側はこの交差点からこの交差点まで」といった具合にまで絞り込むことが大切なのです。
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こうしてしまうと、条件が細かすぎてなかなか物件が出てこなくなってしまうのではないか?と心配されるかもしれません。
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確かに、挙がってくる物件情報は少なくなります。
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しかしながらそれには、プラスの効果もあります。
すなわち、「そもそも検討する価値のない物件が回ってこなくなる」ということです。
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企業の店舗開発ならばともかく、初めての出店においては他に仕事をしながら物件探しをする人も多いでしょう。
そういった時、送られてくる物件情報が多すぎると、それに目を通すだけでも膨大な時間を使ってしまいます。
その上、その情報が玉石混交では、時間がいくらあっても足りません。
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立地の悪い物件をいくら数多く紹介されても困るだけですので、最初から「数は少なくとも立地が良い物件の情報のみが回ってくる」という状態にしておくべきなのです。
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この考え方を、私は「主体的に選ぶ」と表現しています。
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不動産会社から提示された物件リストの中から、なんとなく良さそうなものを選んでいるうちは、「物件の側に自分のお店を合わせる」ことになってしまいます。
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そうではなく、自分のお店に必要な立地条件を考え、その条件に合う物件を探すという順番にすることが大切です。
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初めての出店では、分からないことだらけだと思います。
だからこそ、最初から難しい分析をする必要はありません。
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まずは、
街を歩く。
100点の立地を探す。
譲れる条件・譲れない条件を決める。
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この3つから始めてみてください。
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物件探しとは、本来、空いている物件の中から選ぶことではありません。
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「自分のお店は、どんな場所に在るべきなのか」を考えることから始まるのです。
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初めての出店だからこそ、物件を探し始める前のこの時間を、大切にしてほしいと思います。
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