ライバル店ができて影響を受ける立地 連載61-2

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ライバル店ができて影響を受ける立地 連載61-2

店長の立地,飲食店経営

2020/12/20 ライバル店ができて影響を受ける立地 連載61-2

まず、「影響しあう」とはどういうことでしょう。

当然ながら、自店の売上や客数に影響することを言います。では、どのくらい変化したら影響したといえるでしょうか?

それは、少なくとも5%以上です。これだけないと影響があったとは言ってはいけません。

では、どんなときこれだけの影響を受けるでしょうか?

それは、自店のお客様全体の25%以上が、ライバル店を利用する機会がある場合です。

 

実は、ライバル店が自店舗のお客を奪っていくだけの存在ではないことはマーケティングの世界ではよく知られていることです。

これが「市場拡大」と呼ばれる現象です。お店に当てはめると、お店が1店舗しかない時よりも、2店舗になると、市場(マーケット需要)は1・4倍に増えます(図1)。

 

 

商圏重複と市場拡大

図1商圏重複と市場拡大

2つの店は、商圏が重なり合った部分で市場拡大が起きる。ここにいる人々の購買頻度が1.4倍になる。

 

このためお互いが受ける影響はとても緩和されます。

仮に100人のお客様の中で25人が2つの店を利用できるようになると、その人達の利用頻度は1・4倍になり、見かけ上はお客様の数は35人になります。

お互いの店に半数ずつ行くとして、各店17・5人ずつになります。100-25=75人が元のままですから、この75人に17・5を足し合わせた数=92・5人がライバル店ができたことによる客数ということになります(図2)。

 

競合

図2 売上影響度

 

最初が100人ですから、7・5人が減少した分です。客単価が同じと考えれば、この減少は売上げの減少です。そして、5%を超えますので、これは確かに数字になって現れます。

 

つまり、自店舗のお客様の4分の1以上が、2つの店を同じように利用できるなら、立地上「同じような店」=ライバル店と言えるのです。

 

では、具体的にはどんな立地の場合でしょうか?

1.TGが共通している場合

まず最初は、自店に影響を及ぼしているTG(交通発生源)が同じ場合です。たとえば、駅が同一であるとか、大型スーパーマーケットの同じ出入り口に面しているのような場合です。

2.動線が共通している場合

TGからの直接的来店がない場合でも、人々が歩いたり車で進む道が同じような場合です。この場合は、店同士が見えないことが多く、また近くにないことがあるためあまり影響していないのではないかと思わせることもしばしばあります。

ただし、よく観察して、どちらかの店の前を通る人の後を付けるともう一方の店の前に出るのでライバル関係にあることがわかるものです(図3)。

 

競合

 

3.その他で商圏が重なっている場合

 

互いにTGや動線が共通していないにも関わらず、影響しあうことがあります。それは商圏が重なりあっているからで、目的来店する人々が多いような場合におきます。これは街中よりも車来店する割合が多い郊外などでよく見られます。

 

反対に、どういう場合に競合の影響が少ないでしょうか?

 

第一は、マーケットが大きい場合です。ここでいう大きいマーケットとは、周辺の購買需要が人口や昼間人口に比べて大きいことを言います。需要が大きい分だけそこはすでに多くの店で需要を分かち合っているため、1店舗くらい増えた程度ではあまり影響が出にくいのです。

 

第二は、ライバル店の面積が自店に比べ格段と小さいような場合です。3分の1程度ならばほとんど影響はないと考えても良いでしょう。

 

第三は、ライバル店がTGより遠くに出ている場合です。これは遠い分だけTGの影響を受けにくくなるからです。

 

では、ライバル店が出店した、出店する予定というときはどうしたら良いでしょう?

影響が少ないような立地であれば見過ごせば良いかもしれませんが、なかなかそうとは限りません。相手も競合ライバルがいることが分かっていながら満を持して出店してくる、きたのです。

まずは、セオリー通りに対応することをお勧めします。立地と営業の現状を把握し、ライバル店の強み・弱みと自店の強み・弱みを冷静に比較することです。

その上で、商圏内のお客様が自店に求めていることを強化し、自店に不満を持っていることを解消するための活動、サービス強化を図ってください。

 

 

 

 

 


 

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