もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか? 連載54

(有)ソルブ 林原安徳

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もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか? 連載54

店長の立地,店舗開発,飲食店経営

2020/12/10 もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか? 連載54

連載54 9月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 18回目

 

もしも、あなたが店を探すとしたら、何をしますか?

 

もちろん、「食べに行く店」を探すことではありません。お店にすべき「物件」です。

あなたは、遠くない将来、自分のお店を持ちたいと思っているかもしれませんね。いいえ、むしろ、飲食業につく人は大なり小なり、一度は「自分の店を持ちたい」と思うものです。

確かに、飲食業はたいへんです。アルバイトの募集から始まって、トレーニングやら、お客様のクレーム処理、金銭管理、資材の発注、…数え上げたらきりがないほどやるべきことがたくさんあります。

 

TG=鉄道駅

でも、その分、責任を任せられれば任せられるほど、やりがいも出てくる。店長ともなると店全体をいつもマネージメントしていなければならないので、その大きさは計り知れない。5年しか店長をしたことのない筆者にもその醍醐味は忘れられないほどですから、若い皆さんはその魅力に取りつかれているかもしれませんね。

だから、自分の店を持ちたいと思い始めるのは自然なことだと思います。

また、そんなことは思ったことはないという人の中にも、チェーン店で店長をしているような場合は、突然、「来月から、店舗物件を見つけてくる店舗開発担当者をやってほしい」と上司、経営層から指令を受けるかもしれません。こういうこともほんとによくあるんです。ですから、その時に慌てないように今から考えておくと良いですね。

 

TG=大型店

 

さて、冒頭の質問に戻ります。店を探すとしたらどうしますか?

ハイ。わかりましたね。物件紹介の専門誌を買ってきたり、インターネットで検索します。

そうするとたくさんの物件を見つけることができます。駅や土地名、都道府県などの選り好みをしなければ、幾千、幾万の物件が見つかります。

簡単ですね。

確かに、これで、探したことになるでしょうか?

これは、単に、「物件情報を集めた」だけに過ぎません。幾万の物件情報があったところで、それだけではほとんど意味がありません。

 

そうです。「店」という商売をやる以上、そこで、利益が出なければなりません。

お客さまがたくさん来てくれなければなりません。売上がじゅうぶん確保できなければなりません。どこに店を出しても、同じだけお客さまが来てくれて、同じだけ売れて、同じだけ利益が出る。そういう夢みたいなことは、“絶対に”ありえません。

 

店を出す場所によって、お客様の入りも、売上も利益もまったく異なってしまいます。

 

そうです。立地です。あなたは、お客様の入りが良く、売上があって、利益も出る立地にある物件、店舗候補物件を探さなければならないのです。

 

さあ、あなたは何をしますか?ここで問題の焦点が分かってきましたね。

そうです。あなたが最初にすべきことは、あなたが出したい店の立地を決めることです。

もっと突っ込んだ言い方をすると、あなたの知っている店の繁盛店の立地に共通するプラス要因、繁盛できなかった店の共通のマイナス要因を、見つけ出しておくことです。

これを、「立地の要因分析」と呼びましょう。

立地の要因分析をすることで、あなたの店の商売に適した立地条件がわかります。もちろん、繁盛が難しい立地条件もわかります。

物件を探すのは、こういう条件がわかってからです。

 

 

TG=大型交差点

 

立地の要因分析 最初にやること。

では、立地の要因分析はどうやってやったら良いでしょう。

このためにもっとも役立つのは、チェーン店の売上です。

なぜなら、たいていの場合、チェーン店は 営業フォーマットの標準化がなされており、店長が交代したくらいでは売上がそんなに変わらないからです。ですから、もし、あなたがチェーン企業に属しているなら、いろいろな店の売上を集めてください。繁盛している店、そうでない店、ふつうの店のようにまんべんなく集めることです。

チェーン企業に属していない場合は、あなたの店に良く似た店の売上を集めましょう。といっても、集めるのは簡単ではないかもしれません。①その店に何度も通って店長やスタッフと仲良くなってから、売上を聞き出すという手があります。しかし、これは時間がかかります。そこで、手っ取り早いのは、②お店の外から、入店数を数えることです。もっと良い方法があります。③2回お店で軽い飲食をしてレシートをもらいます。2回の間隔は1週間くらいが良いでしょう。レシートはたいてい連続番号が打ってありますから、その違いを計算すれば1週間の来店組数がわかります。④有名店ならば、「飲食店経営」のような専門誌に取り上げられて、客数や売上も掲載されていることもあります。

こうやって、集めた店別売上が、多くの場合、立地の違いと言って良いのです。

 

商圏 徒歩5分

1 中の不定形がある店から徒歩5分で行ける範囲です。横断歩道や交差点があると商圏は拡がらないことがわかります。

 

共通要因はどうやって探すか?

「お店の立地が良いから、売上が高い」という仮説をもとに、売上が高い店と、低い店では、立地にどんな違いがあるでしょうか?それを見つけていきます。

大雑把に言うと、必ず考えてほしいポイントは4つです。

それを順番で言うと、

1 商圏の大きさはどうか、2 商圏の質はどうか、3 TGとの位置関係はどうか、4 売上を抑制または奪っていく要因はないか、

この4つです。

1 商圏の大きさは、通行人を対象とした立地ならば、街の大きさと言って良いかもしれません。要するに、大型小売店や大型レジャー施設などがあるほど街は大きいと考えて良いのです。

その反対に、店がまばらであったり、ほとんどないというような場合はひじょうに小さいと考えます。また、店が大きな道路に面していれば、そうでないときよりも商圏は拡がります。

2 商圏の質はどうか? 第一は流入が大きいか、流出が大きいかの違いが売上に影響します。また、住民の質の違い、例えば、学生層の割合が多い、高齢者の割合が多い、単身者の比率が高い等の違いは立地に少なからず影響します。こうしたことを詳しく知るには、国勢調査の統計を調べたりする必要があります。簡易的に状況を知るだけなら、店舗周辺300km圏を歩いて観察すると良いでしょう。

3 TGとの位置関係

TGとは交通発生源(トラフィックジェネレーター)の略語ですが、意味するところは、商圏全体から人々を引き寄せ、効率的に店舗にお客さまを送ってくれる場所のことです。具体的には、鉄道駅や大型店の出入口、大型交差点など人々が集中的に集まるような場所です。

4 売上に制約を与えるもの

これは、物件自体が小さくてキャパシティ(容量)が足りないためにせっかく来店してくれたお客さまを帰らせてしまう内的要因と、ライバル店などのようにあなたの店の商品・サービスと競合してしまうためお客さま自体を持っていかれる外的要因があります。

こうした4つのポイントを比較して、立地の共通要因を見つけ出します。

たいていの場合、「常識」が役立ちます。

 

 

商圏は小さいより、大きい方がお客さまはたくさん来店します。商圏の質が、自店舗のターゲットと合っているなら同様です。でも、近くにTGがなかったり、ライバル店があったりすればなかなか繁盛立地にはなりにくいものです。

こうして、立地の条件を知っておけば、あなたはいつでも数ある情報の中から優良物件を選び出すことができるようになります。

 

本文2861字

 

 

立地を見るポイント

 

 

表 立地を見るポイント

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

以下今回は不要です。

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 

 


 

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