商圏調査をやろう その2.実践編 連載52

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商圏調査をやろう その2.実践編 連載52

店長の立地,商圏,飲食店経営

2020/12/08 商圏調査をやろう その2.実践編 連載52

連載52 7月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 16回目

 

商圏調査をやろう その2.実践編

 

 

商圏調査の目的は何でしたっけ?そうです。お店の販売促進、お客さまやファンを増やす活動を「効率的」にできるようにすることでしたね。

では、その商圏調査はお客さまへのアンケート調査で行います。具体的にはどうやって行えば良いのか。今回はこれを説明します。

 

地図

アンケート調査の5つのポイント

(ポイント1)正しい調査の実施方法

  • アンケート調査の方法

いろいろなやり方がありますが、なるべくやってほしいやり方は、お客さまから直接回答をいただく、「面接方式」です。これは文字通り、お客さまと対面して、質問と回答を順番に行います。この方式の良いところは最も精度が高い回答が得られる点です。しかし、その代わり、手間がかかるのも事実です。人手が足りない、簡素化したいという場合は、アンケート用紙と地図をテーブルに置いておき、注文品などが届くまでの時間を利用して記入してもらう「据置き方式」でも構いません。

 

アンケート用紙見本はこちら

  • 入念な準備

アンケート調査を思いつきだけで初めてはいけません。しっかりとした準備をします。いつ何をすべきかを計画しましょう。そして、調査をする人達への説明会は必ず行わなければいけません。

  • 粗品の準備

アンケートに答えてくれた人に、「感謝」の気持ちを示すために渡すちょっとしたものです。これにお金をかける必要はありません。安く手に入りお客さまに気に入ってもらえそうならどんなものでもけっこうです。小さなボールペン、鉛筆、店のロゴいりコースター等アイデアを出してください。

  • 調査員はなるべくお店の従業員であること。

もちろん、特別にその日だけアルバイトを採用しても良いですし、本社スタッフに応援を求めても良いでしょう。お客さまと直接話しを交わすことで店への愛着が高まったり、従業員の人間的成長に繋がるからです。お客さまの方も普段言えないことでも、こうした時ははっきり言ってくれることが多く、これを聞いて正しい対応ができるのも店の従業員ならではということがあります。

  • 社長・経営幹部は、一度は経験してみることです。

というのも、人はみな偉くなるとなかなか現場のことを顧みなくなるものです。でも、飲食業でこれをやってしまうと商品も内装もサービスの仕方がどんどんチグハグなものになり、やがて客数減、売上減に繋がります。お客さまと直接話ができて、その本音を聞き出せる良い機会です。社長なら、経営幹部なら必ず従業員とは違う大事なヒントを得ることができるはずです。

  • 「調査中」ポスターの掲出

調査日には、開店時から、「店内でアンケート調査を行っています」という趣旨のポスターをよく見える所に貼っておきましょう。これは、お客さまに不審がられることを防いだり、調査する従業員の助けにもなります。

(ポイント2)正しいサンプリング

  • 正しい調査結果を得て、今回のように、商圏地図まで作ってしまおうという場合では、アンケート調査する対象(サンプル)は1000必要だということが、統計学で示されています。ですから、頑張って、この1000サンプルに挑戦してみてください。できることなら、休日が平日より売れる店なら、木曜と金曜に200サンプルずつ、土曜と日曜に300サンプルずつ取りましょう。けっこう、この数は「多い」ものです。
  • 自分の店ではこんなに多くは聞けないよというのでしたら、採れるだけで結構です。それでも、合計500サンプルは採れると良いですね。また、期間も集中しているほうが良いのですが、難しいなら1か月くらいかけてじっくり集めるのも手です。
  • 逆に、客数が多いような店でしたら、お客さまが多数来店する時間帯には多くのサンプル数を、少ない時間帯には少ない数を採るようにします。また、その場合、まんべんなくランダムに声を掛けることも大切です。初めの5分間だけとか、女性客ばかり相手にするというのはダメです。

(ポイント3)正しいアンケート用紙

アンケート用紙は、対面式と据置き式で、多少フォーマットが異なりますが共通点は次の項目が入っていることです。

  • 住所を聞く

目的編でも書きましたが、お客さまの個人情報を聞くことはできません。ですから、住所も、町丁目別に区分けした図形を描き、番号を振った地図(図3)を用意しておき、この番号を選んでもらうという手法をとります。

  • 直前を聞く

お客さまが店に来る直前にどちらにいらしたかを問うものです。これは、その地域を同じ地図を使って聞くとともに、どんな場所なのかを抽象的に聞いておきます。例えば、「自宅、勤務先、学校、買い物先、所用先、レジャー、その他」のようにです。

この時、「差支えなければ」と前置きした上で、その施設名を聞いておくと、販売促進に役立ちます。その施設と何らかのタイアップができるかもしれないからです。

  • 来店頻度を聞く

「お客様は、当店を何回くらいご利用されていますか?」という質問です。この答えには「①初めて、②年に1回くらい、③2,3か月に1回、④月に1回くらい、⑤月2~3回、⑥週1回くらい、⑦週2回以上、⑧ほぼ毎日」を用意しておきます。

  • お客さまの属性を知る

これは、性別、年齢、結婚有無、職業などを指します。それぞれ、①男、②女 のように答えの選択肢に番号を振っておき、番号を選んでもらえるようにします。

  • ご意見欄を設ける

必ず、最後に、お客様のご意見を聞いたり、書いたりできるような欄を作って置かなければいけません。何も書いたり行ってくれなかったりしますが、それはお客さまの自由です。この欄があることで、お客さまは自分のことを大事にしてくれているという感覚を抱きますし、大事な意見を言ってくれることもあるからです。

(ポイント4)正しい地図

住所や直前の場所を知るためには地図が必要です。街中の店なら1km圏、車での来客もあるなら3km圏、郊外の立地なら5km圏くらいを網羅するような地図を用意しましょう。

キレイに作るには、電子地図ソフトウェアを使って原図(図1)を用意してから、町丁目別の区画(図2)を参考にして、お絵描きソフトで町丁目別の区画を描いてからカラー印刷しておくと良いでしょう。

 

地図

図1

 

地図

図2

 

(ポイント5)正しい集計法

町丁目別に、人口を集めておきましょう。そして、住民浸透度係数を計算しておきます(前回説明した通りです)。ポイントは、この係数を出すときの分母は、その町丁目の人口で良いのですが、分子がちょっとややこしいので注意してください。分子=(1ヵ月の客数)×(その町丁目に住んでいると言ったサンプルの数)/(調査したすべてのサンプル数)です。

  • この計算で、各町丁目別に住民浸透度係数が算出されます。この係数が5%以上なら、商圏「内」にあることになります。地図上で、それぞれの町丁目区域を5%以上、10%以上、20%以上というふうに色分けしてみましょう。商圏地図の出来上がりです(図4)。

 

商圏地図

図4

 

本文2766字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

以下今回は不要です。

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 


 

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