看板とメニュー看板の違い 連載49

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看板とメニュー看板の違い 連載49

店長の立地,視界性・看板,飲食店経営

2020/12/05 看板とメニュー看板の違い 連載49

連載49 4月号 [店長が知っていると得する立地の応用] 13回目

 

看板とメニュー看板の違い

 

看板は何のため

みなさんが、日頃何気なく使っている「看板」、今回は、この看板についてお話ししましょう。

まず、看板は何のためにあるか、わかりますか?

これは、「看」の字に秘密が隠されています。この字は、「手」と「目」から成り立っています。

ちょうど、両目の上に、手をかざしている状態を表しているのです。目の上に手をかざす動作はどんな時にするでしょうか。そうです、遠くにあるものを見ようとするとき、日の光が入らないように手をかざしますね。

つまり、「看」は、「遠くのものを見る」ことを意味しているのです。

ということは、看板は、「遠くから見える板」ということになります。ですから、遠くから見えない板は、看板とは言えないのです。

ところで、多くの場合、店舗間口の上方の壁に、店名や業態などを描いた横長の板のことを看板と呼んでいて、ほとんど「常識」になっています(写真1)。

間口 店写真1

 

 

しかし、これは慣例的にそう呼ばれているだけで、この看板を遠くから見つけることはたいていの場合できません。店前道路を通っている人が、店の前で立ち止まり、上を見上げた時、初めて見えるに過ぎません。

ということは、袖看板(写真2、3)であるとか、サインポール(写真4)であるとか、据置き看板(写真5)であるとか、そうしたものを看板と呼ぶことが本来正しいと言えます。なぜなら、そうした看板ならば、遠くからお店が位置している場所を見つけることができるからです。

 

袖看板

写真2

 

袖看板

写真3

 

マクドナルド サインポール

写真4

 

置き看板

 

写真5

 

 

ところで、飲食店ならば、たいていの場合、どんな料理があるかがわかるようにメニュー看板を出していることが多いですね(写真6、7)。

 

メニュー看板

写真6

 

 

写真7

メニュー看板

 

そして、このメニュー看板があるおかげで、道行く人々は、自分が欲しい料理を絵柄やコメント、値段などを見比べて、気に入れば店内に入っていきます。

そのためには、メニュー看板に、相当近寄って見る必要があります。

もちろん、数十メートルも離れたところからでも、見えるようにしているお店もありますが、これは、ある意味たいへん有効です。とりわけ、車ドライバーの接近速度が速いロードサイドにそうしたメニュー看板をよく見かけます。

 

看板設置の条件

看板であれ、メニュー看板であれ、遠くから見える必要があります。ですから、その設置にはおのずと条件があります。

1.見える距離、2.見せたい相手、3.他の看板との関係、4.看板のデザインの4つの観点から見て行きましょう。

1.見える距離

これは、店のお客の来店手段によって変わります。もし、そのほとんどが、徒歩で来店するのであれば、10m手前から見えている必要があります。そして、商店街の中などで人々が多く歩いているような場所ならば、そうした人々の陰に隠れてしまわないよう人の背丈以上に高いところに見えるようにしなくてはいけません。袖看板や高さのある据置き看板などです。

また、車で来店するお客様が多いようならば、看板は100m手前から見えなければいけません。それは、時速40kmで走る車にとって9秒間、時速50kmなら7秒間見えることです。

実際に、お店から100m離れた車道に出てみて、よく見てください。街路樹や電線電柱などに邪魔されて見えなくなっている(写真8)ようなことはありませんか?

 

視界障害

写真8

 

もし、見えないようなら、道路管理者の許可を得て、そうした視界障害物を除去することも感がなければなりません。

2.見せたい相手

見せたい相手が店前道路だけなら今話したことで十分です。でも、駅の改札口付近に人々にも見えるようにしたい、交差点を渡ってくる人や店を探して遠くからやってきてくれる人にも見えるようにしたい。そう考えるのであれば、やってできないことはありません。ビルのオーナーさんに頼んで、屋上やビル壁などに看板を設置させてもらうことができます。もちろん、それ相応の出費は覚悟しなければなりませんが、これは貴方の交渉力次第です。

3.他の看板との関係

商店街の中や、店舗が次々と連なるロードサイドでは、どこの店も赤色や橙色、黄色のような暖色系の看板を使っているというようなことが起こります(写真9)。

 

 

視界融合

写真9

 

これには、要注意です。人間の視覚は、同系色の色を一つのまとまりとして見てしまうという性質が備わっています。ですから、あなたの店も、他の看板と同じような色の看板を出してしまうとそれらの看板の中に埋もれてしまい「見えるはずなのに見えない」という融合現象を引き起こしてしまいます。こういうような場合は、看板の色や形で、他の看板との差別化を図らなければいけません。

4.看板のデザイン

もし、あなたの店がチェーン店の一つであるならば、看板デザインを店長だけの判断で変えることはできません。せいぜいチェーン経営者に進言ができるくらいでしょう。

しかし、チェーン店ではないならば、そして、あなたの裁量で行っても良いならば、看板のデザインは次の原則に従って作ってください。

第一に、誰もが覚えやすいシンプルな色、形であり特徴的であることです。第二に、看板に書かれる情報量はなるべく少ないことです。そして、第三は、一目見ただけで、あなたの店が、飲食店であり、何を売っているのかがすぐにわかることです。

簡単に言うと、デザインに凝り過ぎないことです。一般には読めないような難しい漢字やフランス語のような横文字を使うなんていうことはしないことです。

こうしたことは、メニュー看板にも言えることです。洗練され格好良いメニューデザインであったとしても、それがほとんど誰にも理解できないようなら意味をなさないでしょう。

たくさんのメニュー写真を掲載しているメニュー看板もよく見かけますが、道行く人々は看板を見て「読書」するのではないのですから、極力、情報量を絞ることをお勧めします。

「看板が見えない」・「メニュー看板が読めない」のでは、お客様は減っていくばかりです

。これを機に、看板、メニュー看板を見直してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

本文2361字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで出店調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業の経営者、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。

 

 

(今回不要です)

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第55G15号

 

 

 


 

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