自社店舗は最大の競合、でも互いの長所を活かす方策がある 連載41

(有)ソルブ 林原安徳

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自社店舗は最大の競合、でも互いの長所を活かす方策がある 連載41

店長の立地,店舗営業,販売促進,飲食店経営

2020/11/27 自社店舗は最大の競合、でも互いの長所を活かす方策がある 連載41

(第5回)連載41 8月号 [店長が知っていると得する立地の応用]

自社店舗がもう一つできたならチャンス

自社店舗は最大の競合、でも互いの長所を活かす方策がある

 

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さて、あなたの店舗にとって最大のライバル、競合はどのお店ですか?

と、聞かれれば、いつも必死に運営を頑張っているあなたは、即座に2つ、3つの店舗を挙げることができるのではないですか?

このライバルに、自店と同じ会社、ブランドの店を挙げた人はいますか?

そうです。自社、または自ブランドの店は、確かに最大のライバルだと言えるでしょう。

 

同じ商品を同じサービス形態で売る同じ名前(看板)の店ならば、人々が「どっちも同じだ」と考えても不思議ではありませんし、多くの場合、人々は2者択一で店を選びますから、自店舗の客数は激減し、売上は大ダメージを受けるのは当然でしょう。

それを恐れ、たいていのフランチャイズ契約書には、「既存店から○○メートル(○○キロメートル)以内に、新店を出してはならない」というような文言が入っていることがあります。

また、「うちのフランチャイジーのオーナー様は、その周辺に新店を出そうとするたびに、『そんな近いところに店を出されたら困る』と言うのでなかなか新店を出せない」とこぼすFC本部の方が多いのも事実です。

それほど、自社競合、自ブランド競合は怖いとされています。

 

しかし、そうやって怖がってばかりいてはいけません。

実は、うまくコントロールさえすれば、新たな自社店舗、自ブランド店舗の出現は、自店舗にとっても大いなチャンスをもたらすことがあるのです。

 

 

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例えば、ある有名なラーメンチェーン店が、既存店から450mのところに新店を出したことがあります(図1)。なぜこのようなことをしたかというと、既存店の受入れ体制が限界を超えたからです。駐車場も足りない、客席も足りない。では、どうしようか。せっかく来店してくれているお客様を待たすに忍びないと、経営者は判断し、近くに物件を探し新店を出しました。

しかし、その立地はお世辞にも良いとは言えません。幹線道路から、住宅地のある路地に200mほど引っ込んだ丘の上です。もちろん、車が頻繁に走行しているような道ではありません。その住宅地に何かの用事でもない限り誰も気づかないでしょう。唯一の利点は、客席と駐車はふんだんに設置できたということです。

果たして、結果は、その新店も既存店と同様の客数、売上が確保されたばかりか、既存店の売上減少も想定内に収まりました。

{視界性の良好な既存店でお客様に気付いていただき、応対しきれないお客様を新店にご案内する}という方法は見事にうまくいったのです。

 

そして、こういう役割分担を持たせた出店方法はひじょうに有効なので、多くのチェーンで試みられています。その方法もこのラーメンチェーンと同じように、既存店でキャッチ、新店でキャパシティ(広さ)が一般的です。

ファストフードのM社はすでに30年以上前、北千住でこれを行い成功しています。既存店は駅のすぐ前にありましたが客席がありませんでした。2号店はゆったりした客席を提供しました。これによって、既存店は売上の減少はあったものの、この店はテイクアウト用、新店はイートイン、くつろぎ用としてお客様が使い分けをするようになり、M社への来店頻度はアップしたのです。

ピザデリバリーのD社は、恵比須に既存店がありましたが繁盛し過ぎて、従業員の確保に手を焼いていました。そこで、近くに新店を出して顧客の分散化をしました。すると、既存店の運営に余裕が生まれ、従業員へのフォローが行き渡るようになり、人不足が解消、慢性的だった募集広告を減らすことができ、結果的に収益の増大をもたらしました。

 

では、最初からこうした明確な役割分担がないままに、自社または自ブランドの新店が近くにオープンしてしまう場合はどうでしょう? むしろ、現実にはこちらのケースの方が多いですね。

そして、不幸にも、新店の方がTG(交通発生源)に近い、TGからの視界性が良い、人々の動線上にあるといった場合です。既存店は、そのまま放っておくと大きなダメージを受けることになります。お客が既存店から新店のほうへ移行していくからです。

一度、移行してしまったお客様を取り戻すのは容易なことではありません。

 

ですから、既存店としては、顧客が完全に移行してしまう前に手を打つ必要があります。

 

競合店対策のステップ

 

ここは、通常の競合店対策と同じようなステップを踏みましょう。

第一に、自店舗(既存店)の強みと、新店の強みを比較します。

営業的観点も重要ですが、それ以上に、まず、店のハード面や立地面での比較が重要です。

表にあるように、店の規模や間口、最寄りのTGと直接視界性の評価、動線評価、さらに動線からの視界性評価、補助看板などについて比較することです。

第二に、自店の強みをさらに強化できることがあれば、その方法を列挙します。

例えば、自店のほうが客席数で優っているいるならば、それを人々に告知すべきでしょう。また、最寄りのTGが新店より近いところにあるならば、そのTGとのタイアップを考えるべきです。

第三に、実現可能で、結果の測定が可能か、コストが適正か、そして、自分のやる気が出る方法かを吟味します。

客席数なら、カッティングシートで作ってガラス窓に貼れば良いでしょう。TGとのタイアップなら、互いの招待券を交換し合うだけで済むかもしれません。仮に相手が映画館なら、映画の半券を利用するということもできます。

第四は、実行です。具体的な5W1H(注1)を考え、実行します。

第五は、実行後の評価です。成果が上がったかどうか。もし問題点があったらどうしたら解決できるか。きちんとまとめておきましょう(ここまで、やって一つの対策は実行したことになるのですから)。

 

競合店対策 強み比較表

 

自社、自ブランドの新店が出た時の最大のメリットは、上記のような活動が、相手(新店)にどれだけ影響を与えたかが、実測できる(教えてもらえる)ことです。これは、他社ライバルとかなり異なる点です。効果がわかれば、そのやり方に工夫をすることができます。何より、自分のモチベーションが上がるというものです。だから、チャンスでもあるのです。

 

本文2457字

 

 

 

はやしはら やすのり

売上予測コンサルタント。有限会社ソルブ代表。東京大学卒。日本マクドナルドで売上予測調査を担当。退社独立後、独自に深耕させた「立地判定/高精度売上予測」理論をもとに多くのチェーン企業、個人起業家をコンサルティングしている。著書に『実践 売上予測と立地判定』(商業界)、『最新版 これが「繁盛立地」だ!』(同文館出版)など。昭和31年生56才。http://www.sorb.co.jp

 

(今回不要です)

「統計てきめん」の地図使用承認(C)昭文社第51G083

 

 

 

 

 


 

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