タイアップするならどことすべきか? (TGの話) 連載40

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タイアップするならどことすべきか? (TGの話) 連載40

店長の立地,販売促進,飲食店経営

2020/11/26 タイアップするならどことすべきか? (TGの話) 連載40

(第4回)連載40 7月号 [店長が知っていると得する立地の応用]

タイアップするならどことすべきか? (TGの話)

立地のTG、マーケティングのTG

 

販売促進のための活動を怠っていると、客足が減り始め、売上は徐々に下降してくるものです。新商品の開発、導入、あるいは、日頃のQSC向上のための行動も立派な販売促進であるばかりか、飲食店としての大前提です。ですから、今更、販売促進をしなくてもなんとかなる。そう思っている人はいませんか?

大前提のことをいくらやったとしても、それが報われないことがあります。他の店も同様に努力しているからですね。他の店に真似のできない自店舗独自の販売促進を行うことができてこそ売上も順調に伸びるというものです。

今回は、あまりコストをかけないで、大きな成果を挙げられる「タイアップ」についてお話ししましょう。

一本の同じTV広告の中で、異なった企業、異なったブランドが宣伝されている、そういうCMを見たことはありませんか?これこそ究極のタイアップです。お互いにコストは半分でも、全額のときと同じような効果が得られるからです。TVCMの製作費、放映費は数億円に達することさえありますから、これは大きいです。

しかし、問題は、タイアップ先との相性です。

これは、お店がタイアップを考えるときも同じです。少なくとも同じ飲食店同士でのタイアップは成功する確率は低いでしょう。

かといって、まったく異なり過ぎていてもだめですね。

かく言う筆者も若かりし時、M社の店長の時代に、ガソリンスタンド(GS)というまったく異なった業種業態とタイアップしたことがあります。スタンプカードですね。

 

直前の場所

図1 直前の場所(実際の事例です)

これを見ると直前の場所は「自宅」が最も多く、次いで多いのが「買い物先」であることがわかります。そして、この買い物先が具体的にどこであるかを知ると、タイアップ先が見るかるのです。

 

 

結果は散々たるものでした。なぜでしょう?

それは、店への来店頻度がまったく違っていたからでした。M社の来店頻度は平均で月2

~3回、同様にGSでは、せいぜい1回です。

すると、M社のスタンプはどんどん貯まっていきますが、GSのスタンプがなかなか貯まりません。ですから、お客様は途中で飽きてしまい、期間中に最後まで到達できたお客様はごく少数になってしまいました。

このような失敗をしないためにも、相性が良いタイアップ相手を選ぶことは重要です。

 

しかし、ここではタイアップ先をもう少し広げて考えることをお勧めします。

 

タイアップ先を決める

 

タイアップ先の候補を見つけるにはどうしたら良いでしょうか?

ズバリ、お客様に聞くことです。

聞くと言っても、きちんとした用紙を用意しましょう。そして、この用紙をお客様に配り記入していただくのです。

質問は2問です。

A「お客様は、この店に来られる直前にどちらにいらっしゃいましたか?」

と、B「お客様は、この店を出られた直後、どちらに行かれますか?」

 

AとBの質問それぞれに、次のような選択肢を用意します。

  • 自宅 ②知人・友人・親戚宅 ③勤務先・仕事先 ④学校(小・中・高・大学生の場合)

⑤所用先 ⑥買い物先 ⑦その他

③~⑦とお答えになられた方にお聞きします。

差支えなければ、その施設名を教えてください(回答             )

 

この用紙は、A5サイズ(A4サイズの半分)くらいで作るとやりやすいでしょう。

もし、余白ができるようなら、お客様の年齢層、男女別、職業などの質問欄を作りましょう

(アンケート用紙参照)。

 

お客さまアンケート

アンケート用紙

このままお使いになっても構いませんので利用してみてください。

 

 

さて、この用紙で1000サンプル近く回答を集めてください。誤差を小さくするためにくれぐれも100サンプル以下で終わりにしないでください。

 

さて、ポイントは、“Aの直前であれ、Bの直前であれ、自宅、知人・友人・親戚宅と答えた人以外の回答にどのような施設が書かれているか”です。

 

ここに書かれた施設の中にこそ、あなたがタイアップすべき相手が書かれているのです。

それを集計してみましょう。

ア)○○スーパー 35人、イ)△△大学23人、ウ)□□市役所18人。。。。

 

のように、集計できるはずです。

そうです。あなたがタイアップすべきは、この上位に集計された施設なのです。

この例のように、○○スーパーが直前・直後として利用されているのなら、このスーパーマーケットとのタイアップを考えてみましょう。

お互いの持っているチラシを貼り合うという簡単なものから、先ほども出たスタンプラリーをやっても良いでしょう。

もちろん、この解答用紙の束と調査結果を持った上なら、先方に対して、お互いにタイアップすることがとても意味のあること、売上改善につながることを強調し説得することは簡単なはずです。

ちなみに、この直前直後の施設のことをマーケティングではTG(Traffic Generatorティージー)

と呼んでいます。

 

立地では、さらにこの概念を広げ、TGは「人々が集中する施設、またはその場所である」と定義されています。こうした違いはあるもののお店に影響を与えるTGを把握しておくということは、どんなお店においても重要な販売促進の種になるということです。

さあ、今日から準備しましょう。

 

直後の場所

図2 直後の場所

図1と同じ店で出た結果です。

比率こそ違え、直後においても「自宅」「買い物先」の順になっています。

 

 

 

(プロフィール)

林原安徳はやしはら やすのり
売上予測のプロ。経営コンサルタント。1956年さいたま市生。 東大(農)卒後、日本マクドナルド(株)出店調査部にて、「立地と売上予測」を基礎研究。退社独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業や個人を指導。主な著作「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メルマガを配信中。http://www.sorb.co.jp

 

 

 

 

 


 

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林原安徳:有)ソルブは、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。

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