間違っていないかチラシの配布法 連載37

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間違っていないかチラシの配布法 連載37

店長の立地,販売促進,飲食店経営

2020/11/23 間違っていないかチラシの配布法 連載37

今回から1年間12回にわたって、もっと店長の活躍する現場に近い「立地の話」をしていきましょう。いままでよりも一層応用がきき、かつ成果の上がるものになるはずです。

さて、今回はその1回目、チラシやクーポン券の配り方についてみていきましょう。

「そんなことは、もう知っている。何をいまさら」と思った方はいるかもしれませんね。

 

開始

 

しかし、実は、これ、「どこ」で配るかでその効果がまったく違うことを知っていましたか?

そうです。この「どこ」こそ、立地に関係していることです。

店舗前で、チラシやクーポンを配れば良いと単純に考えているとしたら、それは危ないことです。自店舗が所属している「マーケット」によって、配って良い場所とそうではない場所があります。

マーケットとは

では、「マーケット」とは何でしょう。マーケット=市場とは、立地においては、人々の流入度合い、あるいは、商業の発達度合を言います。

このマーケットはその大きさによって、4つに分類することができます。リトルマーケット、中域マーケット、広域マーケット、超広域マーケットの4つです(図表1参照)。

 

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この中で、チェーン店として繁盛し、利益を出しやすいのは、中域マーケット以上のマーケットです。こういうマーケットでは、地元の住民や就業者ばかりでなく、他の地域から購買目的で流入してくる割合が多く、それだけ多くの商売チャンスがあるからです。

これに対して、リトルマーケットは、地元に住んでいる人や昼間に働きに来ている人が圧倒的に多い割合です。そのため平日の昼間は、住民が流出してしまい、また、昼間に流入した就業者も夜は帰ってしまいその地域にいなくなってしまいます。もちろん、土曜、日祭日もいません。

 

チラシ・クーポン券の役割

ところで、チラシ・クーポン券の役割は何でしょう。もちろん、売上を上げることですが、売上を上げると言っても3つの着眼点がありますね(図表2)。

 

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売上=顧客数×来店頻度×客単価 の中でも、まず一番に大事なことは、顧客数を増やすことです。そのためには、一人でも多くの人にお店の存在を知ってもらうことです。

これがチラシの役割ですね。

これに対して、クーポン券の場合、たいていは「安価に」食事ができたりする代わりに、使用期限を設けることで来店頻度を上げることを目的とします。

 

さて、マーケットの違いが、これらの配布方法とどう関係してくるでしょうか?

まず、リトルマーケットです。

そもそもこのマーケットでは、顧客の来店範囲や顧客になりそうな人々の住む範囲は限られています。ですから、店の近くや店に向かう直前にいたであろう場所=TG=交通発生源=駅や大型商業施設で、チラシを撒いてもその効果は低くなります。クーポン券を配ってしまえばみすみす客単価を下げてしまうかもしれません。なぜなら、そうした場所は、既存客のほとんどがいるからです。

効果を上げるには、既存客が通る行動経路とは別のところでチラシを撒かなければなりません(図表3)。例えば、駅の東口に店があるのであれば、西口で配ります。

 

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図表3

リトルマーケットでのチラシ配布

駅の東口に店舗があります。駅からは4方向に向けて動線が形成されていますが、このうち1方向はみな店舗に向かってきますので、この動線上でチラシを撒くのは避け他の3方向に重点的に撒くことをお勧めします。西口で撒くことも商圏を広げる効果があります。

 

 

 

あるいは、店舗に直接影響を及ぼしている可能性が低いほうの商業施設の前で配布することです。とは言っても、リトルマーケットならばこれらの施設はさほど離れてはいないでしょうから、既存顧客が多少重複してしまうのは仕方ありません。

 

広域マーケット・超広域マーケットの場合

広域マーケットならば、流入してくる人々は回遊行動を起こしやすくなります。と同時にこうしたマーケットでは、毎日、異なった人が流入してくる傾向が強いですので、今日お客になってくれた人でも、二度目の来店はずっと先になってしまうかもしれません。

こういったマーケットこそ、店の前、あるいはきわめて店に近い場所で配布することが望ましいのです。つまり、今日、街に流入した人々を確実に、今日の来店につなげるためにチラシやクーポン券を配布するものだと思ってください。明日の来店や半年後の来店を期待するものではありません。

この配布の前提条件として、チラシを見たらすぐ目の前に店があることがわかることです。見ながら歩いていく場合も同様です。

仮に、やや離れた場所で配ってはならないのは、すぐ店が見つからないことを理由に捨てられたりするからです。

 

まとめ

チラシやクーポン券は、リトルマーケットの場合は、店から離れ、別のTGの近くで配布しましょう。広域マーケットのような場合は、店前やごく近い場所で配布しましょう。

 

 

 

(プロフィール)

林原安徳はやしはら やすのり
売上予測のプロ。経営コンサルタント。1956年さいたま市生. 東大(農)卒後、日本マクドナルド(株)出店調査部にて、「立地と売上予測」を基礎研究。退社独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業や個人を指導。主な著作「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メルマガを配信中。http://www.sorb.co.jp

 

 


 

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