売上予測の一番簡単な方法は「平均予測法」 連載26

(有)ソルブ 林原安徳

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売上予測の一番簡単な方法は「平均予測法」 連載26

店長の立地,売上予測,飲食店経営

2020/11/12 売上予測の一番簡単な方法は「平均予測法」 連載26

 

 

売上予測がそう簡単にできるものではない、精度を上げようと思ったらたいへんな努力がいる。安易に、立地判定チェックシートを作ったからといってそれだけで売上予測ができるものではない。

 
そういうお話しを先月号でしました。
しかし、だからと言って、立地判定について何の努力もしない、売上予測をしなくてよいことにはなりません。むしろ、どんな簡単なものでも良い、何よりも優先して売上予測が求められます。
それは、出店にあたって、必ず事業計画書を立てるからです。事業計画には、当然、売上計画がなくてはなりません。言うまでもなくこれがあって初めて経費等の計画も立てられます。
売上計画には文字通り、予測された「売上」がなくてはなりません。

つまり、望むと望まぬに限らず、売上予測はしなければなりません。
さて、売上予測の方法を知らないで、売上予測はできるでしょうか?カンと経験だけで売上予測しても良いものでしょうか?つまり、「月商800万円、えいやー」ってやって良いでしょうか?
もちろん、だめです。

 

 

平均予測表
確かに、ひじょうに経験豊富で、責任感の強い人ならそうした「えいやー」でも結構、現実に近い売上をはじき出すことがあります。これを筆者は頭から否定するものではありません。

でも、「えいやー」は、初心者はもちろんのこと、通常の店舗開発をする場面では、リスクが高すぎます。こういうことを続けていると、企業でさえ、必ず行き詰ります(事実、売上予測がデタラメだったために消滅した有名チェーンが少なからずあります)。

さて、今回、ご紹介する方法は、「平均予測法」と言って、一番簡単かつ客観的な(えいやーでない)方法です。
例えば、既存店が2店舗あったとします(事例1-A)。あるいは、参考にしたい同業店が2店舗あったとします。そして、それら2店舗の売上げ(月商、以下同様)が800万円と600万円だったとします。
平均予測法のルール1
既存店の売上の平均を求め、これを予測売上とします。
今の例では、平均は700万円ですから、次の店、すなわち3店舗目の予測売上は700万円です。
とても簡単ですね。
しかし、「そんなので良いの?」という読者の声が聞こえて来そうです。
良いのです。なぜ良いかと言えば、根拠がきわめて客観的だからです。それは、誰がやっても同じ答えが出るからです。
ただ、「いくら客観的と言っても、立地条件の違いが何も反映されていないではないか?」
という反論も出そうですね。
そこで、次のルールがあります。

 

 

平均予測法のルール2
既存店を比較して、立地上明らかに他より優れている具体的要因があり、そのために売上が高いと言え、かつ、予測する物件にも同じような立地要因がある場合には、平均より高い数字を予測売上とします。反対の場合は、反対にします。
つまり、事例1-Bのように、800万円の店の立地が乗降数の多い駅の近くにあって、もう一方はそうでなかったとします。そして、3店舗目の立地もこれに似て、駅に近いところにあったとします。
その場合は、平均の700万円ではなく、700万円以上800万円以下と売上予測致します。

とても簡単ですね。
では、事例2のような場合はどうでしょう。
A店からE店まで5店舗あって、そのうちの1店舗は他より低く、また別の1店舗は突出して高い売上です。ここでは、括弧内に新宿繁華街と書いてあります。つまり、ここだけどんな立地かその特徴を書いてあります。ほかはありません。
ここで、ルール1に従ってみましょう。平均を出す方法ですね。
計算式は次のようになります。
(800+600+300+1200+700)÷5=3600÷5=720
ですから、6店舗目の月商は、720万円と売上予測できます。

ここで、新店の立地が新宿繁華街でなかったとしましょう。すると新宿繁華街で1200万円売っている店とは立地が明らかに違うことになります。

 

 
すると、ルール2が働きます。
売上予測は、720万円以下300万円以上ということになります。

さて、ここでもう一つ、ルール3があります。
ルール3 多数の既存店がある場合は、その中で、最上位と最下位の実績を除いて平均を出す。
すると、ここの事例では300万円と1200万円を除くことになります。

 
計算式は、こうなります。
(800+600+700)÷3=700
これで、6店舗目の売上予測は700万円となります。

この「平均予測法」は、売上予測としては、決して高い精度にはなりませんが、そこそこの精度はあります。また、同業店がない、同業店の売上がわからないという場合は、1号店目、2号店目の売上予測ができません。

 
加えて、どんな立地要因の違いが、売上の違いになっているのかが推定できない場合(つまり、立地についての素養がないような場合)は、ルール2のやり方は難しいでしょう。
こうした難点があるにも関わらず、最初に、この方法を取り上げたのは、大きなメリットもあるからです。

 
まず、第一に、簡単であることです。
第二には、売上が300万円以下の店が多い場合、努力目標としてもけっこう有効なことが多いからです。
そして、第三には、この予測方法が、他のさまざまな予測方法の最低基準になります。

 

無予測予測

図表2

 

図表2は、実在する大手飲食チェーン企業甲社の15年前、全店で135店だったころの売上実績値(月商;千円単位)と予測値です。
予測は2号店から順次、平均予測法で行っています(この表はそのルール1のみで算出してあります。ですからこれを特に「無予測予測」と呼んでいます)。すぐわかるように、確かに、予測値に対して実績値は上や下にぶれています。中には520万円という予測に対して、1316万円という嬉しい実績を得ている品○▽店もあれば、576万円という予測に対して、236万円にしか届かなかった八○店もあります。そして、この表の一番右下に、38%という値が出ています。これが、この無予測予測の平均ハズレ度です。
このハズレ度が、実際の分析担当者がしっかり売上予測をしっかり行っているかを知る手掛かりになります。甲社の担当者は、ハズレ度はその頃15%でした。 つまり、ひじょうに「優秀」だと言うことができます。
みなさんも別のやり方で売上予測を行う際には、この平均予測法(無予測予測)でのハズレ度を計算し、比較してみてください。すると精度の向上があったのか、なかったのかタチマチにわかります。

 

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図表3

 
(プロフィール)
林原安徳はやしはら やすのり
売上予測コンサルタント。昭和31年さいたま市生まれ。 東京大学卒業後、日本マクドナルド(株)に入社。出店調査部にて、1,000店舗単位の成功を決める「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用する。
独立後、理論を独自に深耕させSORBICS(ソルビクス)と命名。これに基づき、チェーン展開する多くの企業や個人をコンサルティングしている。主な著作に「実践・売上予測と立地判定」(商業界)「最新版 これが繁盛立地だ!」(同文舘出版)。無料メルマガを配信中。立地道場を

 

 


 

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