連載1.(4月号)立地で最も大事なTGを無視したら失敗する

(有)ソルブ 林原安徳

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連載1.(4月号)立地で最も大事なTGを無視したら失敗する

店長の立地,飲食店経営

2020/10/18 連載1.(4月号)立地で最も大事なTGを無視したら失敗する

そろそろ春です。

今まで、休日はもっぱら“家で過ごす”を貫いてきた「巣ごもり」消費の人々も、ポカポカ陽気に誘われて、街や公園に繰り出してきます。

そうです。これからが勝負です。

私の事務所からは、眼下に「新宿御苑」を望むことができます。この公園は総理大臣を交えての“桜を見る会”を催すことでも有名で、テレビニュースでは毎年取り上げられます。

この春の桜見シーズン、土日祭日ともなると大勢の人達が、JR新宿駅からこの公園の門にかけて約500m、ゾロゾロと列をなして歩いていく姿を見ることができます。

 

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もちろん、“ゾロゾロ歩く列”だけでしたら、新宿駅の西口ならば、平日の朝・夕、毎日見られる通勤の光景です。そういう意味では珍しくも何ともない。

しかし、御苑の行列は、“レジャー動線”であって“繁盛動線”です。仕事で働くために行き交いする通勤の行列とはまったく異なります。

「新宿御苑」は、そうした“おいしい”動線を作り出す「交通発生源」なのです。

ちなみに、この動線は明治通りを超えてから公園の門は、300mの間、飲食店はなく、自動販売機さえも置いてない。

すると、誰が得するかというと、ヤタイの人達です。そうです、「屋台」が大繁盛です。たこ焼きやら、かき氷やら、とにかく飛ぶように売れる。

 

優良立地の基本TG

 

街中には、こうした“おいしい”動線を作り出す交通発生源が至るところにあります。

この交通発生源は、トラフィックジェネレーター(Traffic Generator)の日本語訳で、簡略化して、TG(ティージー)と呼んでいます。

 

ポイントは、お店の近くにTGがあることです。これが、立地上たいへん優位なことになります。 もしTGが複数あるならば、そのTGとTGの間に、日常行動線(これを略して「動線」と言います)ができ、これはもっと優位な状況です。

 

さて、このTGですが、都会では、駅がその一番影響力が強く、駅に近ければ近いほど立地は優位になります。同様に、公園もそうです。

大型小売店、たとえば、百貨店や大型スーパー、ディスカウントストア、ホームセンター、家電量販店など大勢の人が出入りする商業施設は、みなTGです。

さらに、多くの人達がTGとTGの間を行動するとき、その間に、大きな道路があって、信号待ちをするような場合、その横断歩道なり、交差点なりが、交通発生源、つまりTGになります。

車でやってきて、駐車場から歩いて店舗に向かうような場合、その駐車場もTGです。

大学や予備校などもTGになります。

 

■ 小型店はコバンザメ商法がベスト

 

飲食店など、面積100坪以下の店舗は、先ほどの「屋台」なども含めて、TGの近いところに出すことが最も重要です。昔から言われている「コバンザメ商法」です。

いいや、違う。自分の店は、単独でもじゅうぶんお客様を呼ぶことができる。

そうお考えの向きの方もいらっしゃるかもしれません。それはそれで、大事な信念ですので、いけないとは申しませんが、かのマクドナルドも、TGを近くに持っていない街中の店はほとんど退店したという事実だけは知っておいていただきたいと思います。

少なくとも、マクドナルドはブランドが完成したから、成功したのではなく、立地を選定して成功したから、ブランドが完成したのです。

これは、店舗を構えるほとんどすべての飲食業、小売業、サービス業に言えます。

 

例外はあります。デリバリー(宅配)サービスや、ハウスクリーニング(清掃)サービスなどのようにお店の人が顧客宅まで出向くようなシステムをとる店です。

 

お客のほうから、店に出向いてくれることを待っているからには、お客にとっては、店の商品やサービス以外の「その店に出向く理由」が不可欠です。

それは、お客の日常行動、とりわけ、買い物行動やレジャー行動などの「ついで」に寄れることです。この「ついで」ができるような立地でなければ、ほとんどの商売は衰退し、開店当初こそ大繁盛したとしても閉店に追い込まれることになるのです。

まず、TG、次にTG、その次にTG というふうに、TGを見つけ、そのTGを利用する人達の動機を見極め(お金を使おうとしている人達か、そうでないか)ること、これが立地を見ていく上での、基本中の基本です。

新宿御苑の屋台さん達もそのことを知っているからこそ、そこに屋台を開くのです。

 

 

飲食店経営2010年4月号

 


 

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