売上予測の重要性＝有為人材が育つこと

売上予測の重要性をまとめておこう。

第一に、売上予測がもたらす直接的な効果が大きいことである。

今更、論じるまでもないことだが、精度が高い売上予測ができるようになることで、リスクの低い安心した店舗展開ができる。もし、売上が高くなるとわかっているなら、その店に投資を増やして、お客さまにトコトン喜んでもらえる店づくりをすれば、売上が高いのみならず、評判も上がるし、ブランドイメージも高まる。どんなに客数を増やしても忙しさ、乱雑さを見せないデザインであれば、ブランドとしての余裕を見せることになる。

忙しくてんやわんやで落ち着きのない店にしないで済むだろう。

逆に、売上が多く見込まれないなら、投資を抑えるか、逆に投資を増やして人件費がかからないようにしてランニングコストを減らすことで、損益分岐点を下げる努力をするだろう。

もちろん、それでも利益が望めないようなら、最初から出店しなければ良いのだ。そして、売上予測をしないか、精度の低い同業他社にオープンしてもらえば良い。競合優位の戦略をとることができる。

出店のリスクが低ければ、盤石な出店戦略、ひいては、経営戦略を立てることができ、企業の成長は約束されたも同然である。

店舗展開をする企業の多くは、精度の高い売上予測ができないため、戦略は半年もたたないうちに、「絵に描いた餅」に変わる。これでは、投資家もあぶなくて投資ができない。

売上予測の直接的な「重要性」は、その精度が直接もたらす企業営の収益性改善と確実な成長性である。

売上予測には、第二の効果がある。こちらも重要性においては引けを取らない。

売上予測という難しい業務を続けるスタッフを育成するためには、じゅうぶんな時間と経営層の理解が必要である。

人材を揃えたり、鍛えたりするには、環境が必要である。助けも必要である。

それには経営層の理解がいる。

企業で１、２を争うほどの優秀な若い人材をこの売上予測分析に当たらせるのだからである。

そして、厳しいこの部門で実績を挙げさせ、会社の経営中枢に入れることができれば、きわめて洞察力のある人材を得ることは必定だ。

そのころには、「エイヤー」で決める根性論が優先する経営から、しっかりとした道理にもとづいた会社運営に変貌する。

むしろ、こちらのほうの効果、そして重要性が、売上予測にはあるのだということを、弊社は多くの支援した企業の変わりようを見てきて確信している。