ハフモデルで売上予測の精度が望めないそもそもの理由

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ハフモデルで売上予測の精度が望めないそもそもの理由

売上予測

2020/04/28 ハフモデルで売上予測の精度が望めないそもそもの理由

ハフモデルで売上予測をするということにスーパーマーケットなどの大型小売店業界はずっと固執してきた。

それは、ダイエーなどの大型店の展開が始まる1960年代からだ。

しかし、これは無謀なことだと分かったのはやっと21世紀に入ってからのようだ。いまだに古い考え方から抜けられない大型店もあるのだが。

 

そもそも、ハフモデルというのは、20世紀初頭に、アメリカで展開を始めた商業施設の売上予測をするために、発明された分析手法である。

 

この分析の前提にあることは、人が住んでいる街と商業施設がある空間がある程度、閉じられていることだ。その空間から外は、人がいない、住んでいない。店もない。

閉じられた空間の外は、砂漠であるとか、広大な畑や、森林、山や川、沼地というわけだ。

アメリカ大陸にはこうした閉じた空間はそこら中にあるので、これは決して、空想ではない。

 

さらに、この閉じられた空間に、人々の住む地域があちこちに点在して、人口が分かっていること、そして、商業施設があまり多くはない、数十とかせいぜい100止まりであることだ。

 

こうした場合に、商業施設(1)から商業施設(n)のどれに人々が買い物に行くかを計算する。

この計算に役立つ変数は、人々の住んでいる地域(1)~(m)の情報で、人口と場所(住所や緯度経度)はもっとも重要な指標である。

また、地域全体の需要(Z)が国勢調査などで判明していることも必要だ。

 

これで、人々がどの商業施設に行きたくなるだろうかとして、行きたい要因と行きたくなくなる要因を1つづつ挙げる。

行きたい要因は、商業施設の魅力というべきだが、これだけでは数値化できないから、この魅力を表す一番大きなものとして、「売り場面積S」を使うことが多い。

行きたくなくなる要因は、同様に、数値化しやすいもの、すなわち、商業施設までの距離Lを使う。

要するに、距離Lが大きくなればなるほど行きたくなくなる。逆に言えば、行きたい度合いは、距離Lに反比例する。そんな感じだ。

 

簡単に言うと、行きたい度合いは、商業施設(1)に対して、(売場面積S1)÷(距離L1)というわけである。

ところで、これは、地域(1)についての人々の行きたい度合いだから、D(11)=[地域(1):商業施設(1)へ行きたい度合い]=(売場面積S1)÷(距離L11)

と書こう。

すると、こういう度合いが商業施設の数nだけあるので、その全部を合計いたものを、DD(1) で表すとすると

DD(1)=D(11)+D(12)+・・・・+D(1n)

(売場面積S1)÷(距離L11)+(売場面積S2)÷(距離L12)+・・・+(売場面積Sn)÷(距離L1n)

となる。

 

すると、このDDとは、商業施設のぜーんぶに行きたいと思う全部の気持ちなので、それぞれの商業施設に行きたい気持ちとの比較ができる。

たとえば、商業施設(1)に行きたい気持ちの比率p(11)は、

P(11)=D(1)÷DD(1)

このp(11)は、商業施設(1)に行く確率と考えても良さそうだ。なぜなら、全施設へ行きたい気持ちの比率は1になるからだ。

 

で、この地域の人口をPOP(1)とすると、

商業施設(1)には、どれだけの人々が来るだろうか?それをM(1)で表せば

M(1)=POP(1)× P(11)+POP(2)× P(21)+・・・・+POP(k)× P(k1)

ということになる。kは地域の数である。

 

来店人数M(1)がわかれば、売上もすぐわかる。

 

つまり、ハフモデルは、こうやって順次当てはめて計算して出していく。

 

残念ながら、このモデルは日本ではかなり怪しいものになってしまう。日本にはほとんど閉じられた空間はない。また、商業施設は大小さまざまにあるため、その特定はかなりたいへんになる。

そもそも、日本の場合、たいていの場所は道路や航路で繋がっており、行く通りもの道があるので、距離ばかりが遠い、行きたくないという指標にもならない。

また、個別の立地状況があるためこの立地状況を要因に入れていないモデルは現実的ではないということも言える。

 

こんな複雑なデータ収集や計算を行うくらいだったら、重回帰モデルを作ってさっさと高い精度の売上予測をしてしまうほうが余程合理的と言うわけである。

 

000huff-store10km ハフ

埼玉県南部の10km圏には主な商業施設だけで1000店を越える。これに個人零細店を加えるとさらに増えるのは言うまでもない。

それに、この10km圏はけっして経済的に閉じてはいない。

 

 


 

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