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PC(ポテンシャルクラスター)の定義と、種類とそれらの威力
今日お話しするのは、ポテンシャルクラスターです。需要集合体を筆者が英訳したものです。英語の頭文字をとって、PC(ピーシー)と略称します。 これはどういうものかというと、要するに、人々が密集して住んでいるような場所を指します。もちろん、住民とは限らず、就業者であっても良いのです。
図1に示した通り、PCには3つの特徴があります。第一は、人々が密集していることです。第二は、その地域ないし空間が、物理的にいろいろなことで囲まれていて、容易に外に出にくいことです。 そして、第三は、PCから外に出る場合の出入り口が数か所、場合によっては1か所に限られていることです。 こうした3つの特徴があると、自然に、そのPCの出入り口付近や、そのPCから出て最初の幹線道路に出会う交差点は、そこの住民が、ほぼ毎日のように通り、知覚し、利用するようになります。 後者の場合、特に「PC由来のTG」と呼んでいます。
そして、PCの存在は、TGに並び、立地評価する上で、売上に最も影響がある要因と考えています。未だにこうした概念を知らずに、立地を云々するようでは、繁盛立地を見つけることはできません。
では、どんな具体例があるでしょうか。
まずは、図2や図3のように、住宅地が田畑や河川で囲まれているような区域、
さらに、図4のように、山の斜面に沿って開発された新興住宅地などがそうです。
また、大きな範囲で言えば、住宅がある湾岸地帯の多くは、PCだと言っても良いでしょう。周辺は、海や河川、大きな道路などで囲まれているからです(図5参照)。
逆に、小さな範囲で言えば、図6のような20階建て前後のちょっとした高層マンションでさえもPCと言うことができます。
では、どうして、こうしたPCが立地として有利なのかと言うと、その中に住む人々の共通する行動が推測しやすいからです。通勤や通学、あるいは買い物をするために、どこの道、どこの交差点を利用するかが容易にわかります。ですからPCですと、人々の共通する行動ベクトルを設定しやすいのです。
事実、高層マンションが1棟建っているだけで、その1階に開店した飲食店、コンビニ、スーパー、ファストフードなどは、それぞれ経営していけるだけの必要な客数を稼ぐことができることが多いのです。
ましてや、すでにお話ししたTG(ティージー、交通発生源)、例えば鉄道駅があれば、そのTGとPCとの動線上は、立地上たいへん有利と言うことができます。
街中のポテンシャルクラスター
ところで、街をよく実査して観察してみると、こうしたPCとよく似た状況であるような区域を見つけることができます。そこでこのPCのような状況を、「PC構造」と呼んでいます。
たとえば、図7は、
土地が丘状になっており右上に行くほど標高が上がっていき、また自動車道路に南側と西側に囲まれているためPC構造ができています。そして、左下に鉄道駅があるために、いくつかの限定された3本の動線が形成されます。これは、歩行者が横断できる場所が限られているからです。 その内、最も駅との距離が短く、陸橋を上り下りしないで済む中央の動線が人々に好まれており、必然的にこの動線沿いが好立地ということになります。
もう一つは、図8のように、
周りが交通量の多い幹線道路に囲まれているようなPC構造です。右上に鉄道駅がありますので、このPCでは、左下から右上に向かう行動ベクトルを設定できます。 こうした街ですと、たとえ駅からは見えない裏道のようなところでも、駅にそこそこ近いだけで、行動ベクトルの恩恵を受けますので、繁盛立地であることが多いのです。
郊外でもPCは見つけやすいものです。道路を車で走っていて、「○○団地入り口」というような交差点やバス停を見かけたらたいていはPCであることが多いので、地図で確認するほか、実際にその中を実査しておくことが不可欠です。
物件の紹介を受けたならば、TGばかりでなく、こうしたPCが控えているかをよく調べましょう。
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
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21/07/09
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今日お話しするのは、ポテンシャルクラスターです。需要集合体を筆者が英訳したものです。英語の頭文字をとって、PC(ピーシー)と略称します。
これはどういうものかというと、要するに、人々が密集して住んでいるような場所を指します。もちろん、住民とは限らず、就業者であっても良いのです。
図1に示した通り、PCには3つの特徴があります。第一は、人々が密集していることです。第二は、その地域ないし空間が、物理的にいろいろなことで囲まれていて、容易に外に出にくいことです。
そして、第三は、PCから外に出る場合の出入り口が数か所、場合によっては1か所に限られていることです。
こうした3つの特徴があると、自然に、そのPCの出入り口付近や、そのPCから出て最初の幹線道路に出会う交差点は、そこの住民が、ほぼ毎日のように通り、知覚し、利用するようになります。
後者の場合、特に「PC由来のTG」と呼んでいます。
そして、PCの存在は、TGに並び、立地評価する上で、売上に最も影響がある要因と考えています。未だにこうした概念を知らずに、立地を云々するようでは、繁盛立地を見つけることはできません。
では、どんな具体例があるでしょうか。
まずは、図2や図3のように、住宅地が田畑や河川で囲まれているような区域、
さらに、図4のように、山の斜面に沿って開発された新興住宅地などがそうです。
また、大きな範囲で言えば、住宅がある湾岸地帯の多くは、PCだと言っても良いでしょう。周辺は、海や河川、大きな道路などで囲まれているからです(図5参照)。
逆に、小さな範囲で言えば、図6のような20階建て前後のちょっとした高層マンションでさえもPCと言うことができます。
では、どうして、こうしたPCが立地として有利なのかと言うと、その中に住む人々の共通する行動が推測しやすいからです。通勤や通学、あるいは買い物をするために、どこの道、どこの交差点を利用するかが容易にわかります。ですからPCですと、人々の共通する行動ベクトルを設定しやすいのです。
事実、高層マンションが1棟建っているだけで、その1階に開店した飲食店、コンビニ、スーパー、ファストフードなどは、それぞれ経営していけるだけの必要な客数を稼ぐことができることが多いのです。
ましてや、すでにお話ししたTG(ティージー、交通発生源)、例えば鉄道駅があれば、そのTGとPCとの動線上は、立地上たいへん有利と言うことができます。
街中のポテンシャルクラスター
ところで、街をよく実査して観察してみると、こうしたPCとよく似た状況であるような区域を見つけることができます。そこでこのPCのような状況を、「PC構造」と呼んでいます。
街中のポテンシャルクラスター
ところで、街をよく実査して観察してみると、こうしたPCとよく似た状況であるような区域を見つけることができます。そこでこのPCのような状況を、「PC構造」と呼んでいます。
たとえば、図7は、
土地が丘状になっており右上に行くほど標高が上がっていき、また自動車道路に南側と西側に囲まれているためPC構造ができています。そして、左下に鉄道駅があるために、いくつかの限定された3本の動線が形成されます。これは、歩行者が横断できる場所が限られているからです。
その内、最も駅との距離が短く、陸橋を上り下りしないで済む中央の動線が人々に好まれており、必然的にこの動線沿いが好立地ということになります。
もう一つは、図8のように、
周りが交通量の多い幹線道路に囲まれているようなPC構造です。右上に鉄道駅がありますので、このPCでは、左下から右上に向かう行動ベクトルを設定できます。
こうした街ですと、たとえ駅からは見えない裏道のようなところでも、駅にそこそこ近いだけで、行動ベクトルの恩恵を受けますので、繁盛立地であることが多いのです。
郊外でもPCは見つけやすいものです。道路を車で走っていて、「○○団地入り口」というような交差点やバス停を見かけたらたいていはPCであることが多いので、地図で確認するほか、実際にその中を実査しておくことが不可欠です。
物件の紹介を受けたならば、TGばかりでなく、こうしたPCが控えているかをよく調べましょう。