048-711-7195
107-0062 東京都港区南青山2-2-15-942
月~金 9:00~18:00
明るい店・立地は売上が良い
【五感全てにアプローチしてお店の「明るさ」を演出する ~「明るさ」とは光の強さだけではない~】
いつも爽やかな笑顔を絶やさず、 誰にでも思いやりのある言葉をかけられる・・・・
そのような、 俗に言う「明るい」人は、 男女を問わず多くの人から好かれます。
これは、お店についても言えることです。
「明るい店」というものは、 多くの人に好かれ、繁盛するものなのです。
ここで言う「明るい」とは、 文字通りお店の照明や色使いが明るいことに加えて、 「店員が活気ある」「親しみ深い」ということも含まれます。
そして、多くのショップビジネス経営者は、 この「明るい店」を実現したいと思っているはずです。
少なくとも、 「陰気で暗いイメージの店」より、 ずっと良いと思っているでしょう。
事実、ごく一部の例外を除けば、 「お店は明るいと繁盛する」ものです。
今回は、立地の要因に、 この「明るい」という概念を落とし込んだ時、 どのように捉え、評価するべきかについてお話します。
これはまず、「知覚突出性が高い」ということを意味します。
知覚とは人間の五感のことです。
目/視覚、 耳/聴覚、 鼻/嗅覚、 口/味覚、 体/触覚、 の5つになります。
知覚突出性とは、これら五感での感じ取られやすさを意味します。
「目/視覚」については、これまでも度々お話ししてきましたが、 「視界性」と呼ばれるものについて、 です。
「視界性」=目で知覚する際のマイナスになりえる要因は、
①視界障害 障害物があってお店が見えないこと
②視界融合 周辺に自店の看板と似た形状・色彩の看板があり、 景色に溶け込んで判別しにくくなること
③視界退行 より目立つ大きな看板や有名な看板があり、 認識されにくくなること
④視界縮小 店前道路がカーブしている時に、 お店がカーブの内側にあり見えにくいこと
の4つが主なものになります。
これらのいずれもが発生しない物件であれば、 とても「明るい」物件であると、 ひとまず言えるでしょう。
店舗の知覚突出性において、最も重要なのが「視界性」、 つまり視覚へのアプローチですが、 実は、五感の他の感覚へのアプローチも、 大きな効果が見込める場合があるのです。
「耳/聴覚」については・・・・
店頭に取り付けたスピーカーから音楽を流したり、 お店のメニューなどについて録音したものを流したりして、 人々に訴えかけるというようなこともできます。
それこそ、 商店街や商業施設内においては、 よくBGMが流れているのを耳にすると思いますが、 あれは「聴覚的に明るくしよう」という試みであるわけです。
ただし、難点もあります。
自店1店舗だけで音声を流したとしても、 その音声が届く距離には限界があります。
かといって、大音量で流せば、 近隣迷惑になってしまいます。
そうしたことを踏まえると、聴覚へのアプローチとして、 最も効果が上がる可能性が高い行動とは、 「店員が道行く人に話しかけること」です。
その代表的な例が、 「いらっしゃい!いらっしゃい!」 と叫ぶことです。
八百屋など昔ながらの商店は特に、 店頭でそういったことをしてますね。
あれらは、 「見やすい看板を取り付けて視界性アップ」 というのと、同じような意味があるのです。
「鼻/嗅覚」については、 特に飲食店においては重要になります。
カレー店のカレーの臭い、 ドーナツ店の甘いドーナツの香り、 コーヒー店の焙煎されたコーヒー豆の香ばしい香り、 焼肉店の焼肉の臭い、 寒い日の石焼き芋の臭い・・・・
どれもが、強い知覚突出性を発揮します。
とはいえ、 どんな飲食業でも臭いで人々を誘引できるかというと、 さすがにこれにも限界があります。
店内からの排気口が通行人側に向けられていることは、 実はそれほど多くないからです。
また、特にお店が密集するエリアにおいては、 特に衣料品店などからは「臭いは困る」というクレームも来ます。
そうやって周りに迷惑をかけるわけにはいきませんので、 ビルの屋上から商店街の外に臭いが逃げていくように、 物件を設計しなければならないことが多々あるようです。
それでも、 もし可能であるならば、 「美味しそうな、入りたくなるような匂い」 を駆使したお客さんの誘引も、考えてみると良いでしょう。
「口/味覚」と「体/触覚」については、 対象に触れない限り感じることができない知覚です。
ここまでご紹介した3つの知覚に比べるとやや難しいのですが、 では何もやりようが無いのかというと、そんなことはありません。
これらの知覚は、 「他の知覚の補助的役割」をしながら、 大事な効果を発揮するものなのです。
例えば、店頭に泡立ったビールジョッキ(作り物)を飾ったとします。 すると、夏の暑い日には、それを見た人々に、 「冷たいビールが飲みたいなあ」 という感想を抱かせます。
これは目から入った情報が、「口/味覚」を刺激しているのです。 「冷たい」という「体/触覚」も同時に想起させます。
これらを最大限利用したアプローチとして代表的なものが、 店頭に置かれている「商品のショーケース」です。
お店で販売しているメニューの本物感を醸し、 道行く人々の視界に入るたび、その味覚を刺激します。
中には、その日のランチメニューを、 そのまま店頭に置いていることもありますね。 これは、昼時にそこを通る人々の味覚を否応なく刺激します。
ショーケースのみならず、他にも、 看板に書かれた文字がこの役割を果たすこともあります。
焼肉屋さんの看板に「ジュージュー」と書いてあれば、 熱い鉄板やジューシーさを感じるでしょう。
少なくとも、飲食店は看板などに、 メニューの写真やデザインが含まれていることは、 店名やロゴマークだけ描かれているよりも、 知覚突出性が高いと言えます。
単に「見える」という「目/視覚」だけでなく、 その他の知覚も想起させることができるからです。
もし、あなたの店の外に商品の写真がないならば、 作って貼ってみましょう。
ショーケースを買う予算があるなら、 ショーケースを置いて展示しましょう。
予算がないならば、せめて、 実物をランチの時間帯だけでも置いてみましょう。
こうした試みが、知覚突出性を改善します。 つまり、 お店を立地的に明るくすることに繋がるのです。
かといって、勿論、店頭をごちゃごちゃさせてしまうことで、 「視界障害」や「視界融合」を起こしてはいけないため、 その辺りはしっかりバランスを取ることが重要になってきます。
飲食店のみならず、他の業態においても、 「視界性=目/視界」以外の五感へのアプローチは、 様々な方法があると思います。
コンビニ・スーパーなどの小売店において、 店先に商品を陳列していることが多かったり、
コスメショップなどでも店頭に香りの強い商品を置いていたり、
店頭のスピーカーで音楽や呼び込み文句を流したり、
というようなことは、巷でよく見かけるものです。
こうした工夫を、ひとつひとつは効果が小さく、 劇的な変化は無いかもしれませんが・・・・
複数の五感へのアプローチを組み合わせるごとに、 効果も大きくなっていくものです。
どんな工夫ができるか、考えてみると良いでしょう。
これから出店する方は、 それを踏まえて店舗設計をしてください。
また、すでに店舗を運営されている方も、 可能なものはどんどん取り入れてみることをオススメします。
なお、立地上の「明るいお店」には、 「知覚突出性」以外にもあるのですが・・・・
それはまた別の機会にお話しようと思います。
2018.10.29 メルマガ「ソルブ通信」
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
TOP
【五感全てにアプローチしてお店の「明るさ」を演出する
~「明るさ」とは光の強さだけではない~】
いつも爽やかな笑顔を絶やさず、
誰にでも思いやりのある言葉をかけられる・・・・
そのような、 俗に言う「明るい」人は、
男女を問わず多くの人から好かれます。
これは、お店についても言えることです。
「明るい店」というものは、
多くの人に好かれ、繁盛するものなのです。
ここで言う「明るい」とは、
文字通りお店の照明や色使いが明るいことに加えて、
「店員が活気ある」「親しみ深い」ということも含まれます。
そして、多くのショップビジネス経営者は、
この「明るい店」を実現したいと思っているはずです。
少なくとも、 「陰気で暗いイメージの店」より、
ずっと良いと思っているでしょう。
事実、ごく一部の例外を除けば、
「お店は明るいと繁盛する」ものです。
今回は、立地の要因に、
この「明るい」という概念を落とし込んだ時、
どのように捉え、評価するべきかについてお話します。
これはまず、「知覚突出性が高い」ということを意味します。
知覚とは人間の五感のことです。
目/視覚、
耳/聴覚、
鼻/嗅覚、
口/味覚、
体/触覚、
の5つになります。
知覚突出性とは、これら五感での感じ取られやすさを意味します。
「目/視覚」については、これまでも度々お話ししてきましたが、
「視界性」と呼ばれるものについて、 です。
「視界性」=目で知覚する際のマイナスになりえる要因は、
①視界障害
障害物があってお店が見えないこと
②視界融合
周辺に自店の看板と似た形状・色彩の看板があり、
景色に溶け込んで判別しにくくなること
③視界退行
より目立つ大きな看板や有名な看板があり、
認識されにくくなること
④視界縮小
店前道路がカーブしている時に、
お店がカーブの内側にあり見えにくいこと
の4つが主なものになります。
これらのいずれもが発生しない物件であれば、
とても「明るい」物件であると、 ひとまず言えるでしょう。
店舗の知覚突出性において、最も重要なのが「視界性」、
つまり視覚へのアプローチですが、
実は、五感の他の感覚へのアプローチも、
大きな効果が見込める場合があるのです。
「耳/聴覚」については・・・・
店頭に取り付けたスピーカーから音楽を流したり、
お店のメニューなどについて録音したものを流したりして、
人々に訴えかけるというようなこともできます。
それこそ、 商店街や商業施設内においては、
よくBGMが流れているのを耳にすると思いますが、
あれは「聴覚的に明るくしよう」という試みであるわけです。
ただし、難点もあります。
自店1店舗だけで音声を流したとしても、
その音声が届く距離には限界があります。
かといって、大音量で流せば、
近隣迷惑になってしまいます。
そうしたことを踏まえると、聴覚へのアプローチとして、
最も効果が上がる可能性が高い行動とは、
「店員が道行く人に話しかけること」です。
その代表的な例が、
「いらっしゃい!いらっしゃい!」
と叫ぶことです。
八百屋など昔ながらの商店は特に、
店頭でそういったことをしてますね。
あれらは、
「見やすい看板を取り付けて視界性アップ」
というのと、同じような意味があるのです。
「鼻/嗅覚」については、
特に飲食店においては重要になります。
カレー店のカレーの臭い、
ドーナツ店の甘いドーナツの香り、
コーヒー店の焙煎されたコーヒー豆の香ばしい香り、
焼肉店の焼肉の臭い、
寒い日の石焼き芋の臭い・・・・
どれもが、強い知覚突出性を発揮します。
とはいえ、 どんな飲食業でも臭いで人々を誘引できるかというと、
さすがにこれにも限界があります。
店内からの排気口が通行人側に向けられていることは、
実はそれほど多くないからです。
また、特にお店が密集するエリアにおいては、
特に衣料品店などからは「臭いは困る」というクレームも来ます。
そうやって周りに迷惑をかけるわけにはいきませんので、
ビルの屋上から商店街の外に臭いが逃げていくように、
物件を設計しなければならないことが多々あるようです。
それでも、 もし可能であるならば、
「美味しそうな、入りたくなるような匂い」
を駆使したお客さんの誘引も、考えてみると良いでしょう。
「口/味覚」と「体/触覚」については、
対象に触れない限り感じることができない知覚です。
ここまでご紹介した3つの知覚に比べるとやや難しいのですが、
では何もやりようが無いのかというと、そんなことはありません。
これらの知覚は、 「他の知覚の補助的役割」をしながら、
大事な効果を発揮するものなのです。
例えば、店頭に泡立ったビールジョッキ(作り物)を飾ったとします。
すると、夏の暑い日には、それを見た人々に、
「冷たいビールが飲みたいなあ」
という感想を抱かせます。
これは目から入った情報が、「口/味覚」を刺激しているのです。
「冷たい」という「体/触覚」も同時に想起させます。
これらを最大限利用したアプローチとして代表的なものが、
店頭に置かれている「商品のショーケース」です。
お店で販売しているメニューの本物感を醸し、
道行く人々の視界に入るたび、その味覚を刺激します。
中には、その日のランチメニューを、
そのまま店頭に置いていることもありますね。
これは、昼時にそこを通る人々の味覚を否応なく刺激します。
ショーケースのみならず、他にも、
看板に書かれた文字がこの役割を果たすこともあります。
焼肉屋さんの看板に「ジュージュー」と書いてあれば、
熱い鉄板やジューシーさを感じるでしょう。
少なくとも、飲食店は看板などに、
メニューの写真やデザインが含まれていることは、
店名やロゴマークだけ描かれているよりも、
知覚突出性が高いと言えます。
単に「見える」という「目/視覚」だけでなく、
その他の知覚も想起させることができるからです。
もし、あなたの店の外に商品の写真がないならば、
作って貼ってみましょう。
ショーケースを買う予算があるなら、
ショーケースを置いて展示しましょう。
予算がないならば、せめて、
実物をランチの時間帯だけでも置いてみましょう。
こうした試みが、知覚突出性を改善します。
つまり、 お店を立地的に明るくすることに繋がるのです。
かといって、勿論、店頭をごちゃごちゃさせてしまうことで、
「視界障害」や「視界融合」を起こしてはいけないため、
その辺りはしっかりバランスを取ることが重要になってきます。
飲食店のみならず、他の業態においても、
「視界性=目/視界」以外の五感へのアプローチは、
様々な方法があると思います。
コンビニ・スーパーなどの小売店において、
店先に商品を陳列していることが多かったり、
コスメショップなどでも店頭に香りの強い商品を置いていたり、
店頭のスピーカーで音楽や呼び込み文句を流したり、
というようなことは、巷でよく見かけるものです。
こうした工夫を、ひとつひとつは効果が小さく、
劇的な変化は無いかもしれませんが・・・・
複数の五感へのアプローチを組み合わせるごとに、
効果も大きくなっていくものです。
どんな工夫ができるか、考えてみると良いでしょう。
これから出店する方は、
それを踏まえて店舗設計をしてください。
また、すでに店舗を運営されている方も、
可能なものはどんどん取り入れてみることをオススメします。
なお、立地上の「明るいお店」には、
「知覚突出性」以外にもあるのですが・・・・
それはまた別の機会にお話しようと思います。
2018.10.29 メルマガ「ソルブ通信」
私は、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
有)ソルブ 林原安徳
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆