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商圏調査で売上を上げる3つの方法-1
商圏調査で売上を上げる3つの方法 -1
まず「目的編」。
商圏調査をやろう その1.目的編
「商圏調査をやろう」と言われると、「何から手を付けたら良いかわからない」、「商圏調査って何をすることなの?」、「商圏調査して、どんなメリットがあるの」などと店長のあなたは思うかもしれませんね。今回と次回に分けてこうした疑問に答える話しをしましょう。
今回は「目的編」、次回は「実践編」です。
商圏調査の目的
商圏調査の目的は、ずばり「効率的に売上を伸ばすこと」です。もちろん、この中には、「客数を増やすこと」、「購入単価を上げること」、「同伴者人数を増やすこと」、「ファンを増やすこと」、「競合店からお客を取り返すこと」などが含まれます。
単に、売上を伸ばすことだけなら、店長ご自身や従業員が時間と労力をかけしゃかりきになってサービス向上を図ればできるでしょう。ここでのポイントは、「効率的」なことです。
売上を上げるための様々な活動を効率的にできるようにすることです。
もちろん、商圏調査をするためには、ある程度の時間と労力が必要です。でも、かけた労力の何倍もの収穫が得られるようになります。だから、重要なのです。
商圏調査は何をすること?
もっともシンプルに言うならば、2つのことをすることです。1つは、お客様へのアンケート調査。もう1つは、商圏地図を作り分析することです。
どちらも大事ですが、じゅうぶん意義や内容を理解していないと、1つ目を終えた段階で、もういいやということになりかねませんから、よく理解してください。
お客様へのアンケート 用紙見本のダウンロード
お客様の一人一人をよく知っていて、わざわざアンケートしなくてもほとんどのことはわかるというのであれば必要ないかもしれません。
でも、この際、店長のあなたがそういう方であっても、アンケート調査というフォーマル(公式)なことをやってみてください。すると普段は伝えていなかったことが明らかになることがあるものです。例えば、「いつも、駅の方から来るから、帰りがけについでに寄ってくれている」と思っていたお客様でも、正式に住所を聞いたら、それが駅向こうの地域であって、「遠くなる所をわざわざ来てくれている」ことが分かったりして、そのお客様の素晴らしさがわかったりもするのです。
もちろん、忙しくてあまりお客様と日常的な会話なんてできません。そういう店長のあなたでしたら、ぜひともアンケートしてください。
アンケートだからといって、○×や選択肢に答えるばかりではありません。お客様の生の意見もその場でお聞きする絶好のチャンスでもあります。今まで遠慮して言えなかった人でも匿名で答えて誰が答えたかわからないというような状況では、本音を書いてくれます。
もう一つ、このアンケートは商品やサービスに関わる質問はほとんどしないでけっこうです。そういう点のアンケート用紙ならどこの店にでもありますね。でも、商圏調査では、当たり前ですが「商圏に関わる」質問が中心になります。「どちらにお住まいですか?」とか「ご来店前にどちらにいましたか?」、「このお店を出た後、どちらに向かわれますか?」、「そこは、どこですか?」というような質問です。
ですから、お客様から、料理やサービスについての評価はききません。お店のことで聞くとしたら、来店動機のところです。「お客様が本日ご来店になった一番大きな理由は何でしょうか?」の質問に、選択肢として、「店が広いから」、「料理・サービスが良いから」、「雰囲気が良いから」などのように入ってくるくらいです。ですから、安心して、調査をしてください。
ただ、QSC(品質・サービス・清潔さ)があまりひどいと手厳しく言われたり書かれたりするかもしれません。
商圏地図を作り、分析
アンケート調査が終わったら、さあ集計です。
集計で、一番まっさきにやるべきことは、お客様がどこから来店したのか、あるいは、どちらにお住まい(お勤め)なのかを集計し、商圏地図を作ることです。
最もフォーマルに実施するときは、アンケート調査の段階で「専用地図」を用いることですが、そこまでの準備をしなくても簡易的にできます。お客様の住所が「渋谷区千駄ヶ谷5丁目33番16号シャトレー新宿御苑901号」だとします。
それでも、全部ではなく「渋谷区千駄ヶ谷5丁目」までのところを答えてもらえば良いのです。
名前や電話番号はもちろん質問しませんし、住所も「丁目」までだったら、「個人を特定」することにはなりませんので、「個人情報」にもなりません。
でも、「丁目」まできいておくだけで、立派な商圏地図を作ることができます。
というのも、たいていの市区では、「〇〇町△丁目」毎に、人口や世帯数というデータが集計され、明らかになっている(注)からです。
例えば、人口が500人と分かっているA町X丁目から、お店にお客様が50人来ていることが分かれば、その比率は10%だということがわかります。
この10%のことを「住民浸透度係数」と呼びます。この係数が5%以上なら、そこは、立派な商圏「内」ということにする。
これが、正しい商圏の把握の方法です。
つまり、お客様から、「住所、または、直前にいた場所の住所」を「丁目」単位で聞き出すことができれば、商圏地図を作ることができるのです
商圏地図さえ、出来上がれば、すぐ分析ができます。
住民浸透度係数の大きさによって、色分けをすると図3のような図になるからです。
図3
色分けは、5%以上、10%以上、20%以上で色を濃くしたりすると分かりやすいでしょう。
するとお店が中心に描かれていますが、そのすぐ周辺は、濃い色になります。お店の近くから多くのお客様が来店されているで当然のことですね。そして、お店から離れるにしたがって、色は薄くなっていき、最外周あたりは色塗りされません。
まず、すぐ分かるのは、店に近いのに色塗りされていない地域が必ず見つかるということです。
Aがそうです。Bは店から遠いから良いとしてもAは困りものですね。
そこで、このAを重点的に攻めて行けば、お客様が効率よく増えていくということになりますね。ただし、その区域に、競合店があるのかもしれませんから、実際はその場所に行ってみる必要があります。
注 「〇〇市 丁目 人口」などとインターネットで検索するとたいていは簡単に入手することができます。
図1
図1は広島市の「人口・世帯数(町丁目別)」の画面ですが、この中から、年月を指定してクリックすると、図2のようにエクセルの表としてダウンロードすることができます。
図2
その2.実践編
商圏調査の目的は何でしたっけ?そうです。お店の販売促進、お客さまやファンを増やす活動を「効率的」にできるようにすることでしたね。
では、その商圏調査はお客さまへのアンケート調査で行います。具体的にはどうやって行えば良いのか。今回はこれを説明します。
アンケート調査の5つのポイント
(ポイント1)正しい調査の実施方法
いろいろなやり方がありますが、なるべくやってほしいやり方は、お客さまから直接回答をいただく、「面接方式」です。これは文字通り、お客さまと対面して、質問と回答を順番に行います。この方式の良いところは最も精度が高い回答が得られる点です。しかし、その代わり、手間がかかるのも事実です。人手が足りない、簡素化したいという場合は、アンケート用紙と地図をテーブルに置いておき、注文品などが届くまでの時間を利用して記入してもらう「据置き方式」でも構いません。
アンケート調査を思いつきだけで初めてはいけません。しっかりとした準備をします。いつ何をすべきかを計画しましょう。そして、調査をする人達への説明会は必ず行わなければいけません。
アンケートに答えてくれた人に、「感謝」の気持ちを示すために渡すちょっとしたものです。これにお金をかける必要はありません。安く手に入りお客さまに気に入ってもらえそうならどんなものでもけっこうです。小さなボールペン、鉛筆、店のロゴいりコースター等アイデアを出してください。
もちろん、特別にその日だけアルバイトを採用しても良いですし、本社スタッフに応援を求めても良いでしょう。お客さまと直接話しを交わすことで店への愛着が高まったり、従業員の人間的成長に繋がるからです。お客さまの方も普段言えないことでも、こうした時ははっきり言ってくれることが多く、これを聞いて正しい対応ができるのも店の従業員ならではということがあります。
というのも、人はみな偉くなるとなかなか現場のことを顧みなくなるものです。でも、飲食業でこれをやってしまうと商品も内装もサービスの仕方がどんどんチグハグなものになり、やがて客数減、売上減に繋がります。お客さまと直接話ができて、その本音を聞き出せる良い機会です。社長なら、経営幹部なら必ず従業員とは違う大事なヒントを得ることができるはずです。
調査日には、開店時から、「店内でアンケート調査を行っています」という趣旨のポスターをよく見える所に貼っておきましょう。これは、お客さまに不審がられることを防いだり、調査する従業員の助けにもなります。
(ポイント2)正しいサンプリング
(ポイント3)正しいアンケート用紙
アンケート用紙は、対面式と据置き式で、多少フォーマットが異なりますが共通点は次の項目が入っていることです。
目的編でも書きましたが、お客さまの個人情報を聞くことはできません。ですから、住所も、町丁目別に区分けした図形を描き、番号を振った地図(図3)を用意しておき、この番号を選んでもらうという手法をとります。
お客さまが店に来る直前にどちらにいらしたかを問うものです。これは、その地域を同じ地図を使って聞くとともに、どんな場所なのかを抽象的に聞いておきます。例えば、「自宅、勤務先、学校、買い物先、所用先、レジャー、その他」のようにです。
この時、「差支えなければ」と前置きした上で、その施設名を聞いておくと、販売促進に役立ちます。その施設と何らかのタイアップができるかもしれないからです。
「お客様は、当店を何回くらいご利用されていますか?」という質問です。この答えには「①初めて、②年に1回くらい、③2,3か月に1回、④月に1回くらい、⑤月2~3回、⑥週1回くらい、⑦週2回以上、⑧ほぼ毎日」を用意しておきます。
これは、性別、年齢、結婚有無、職業などを指します。それぞれ、①男、②女 のように答えの選択肢に番号を振っておき、番号を選んでもらえるようにします。
必ず、最後に、お客様のご意見を聞いたり、書いたりできるような欄を作って置かなければいけません。何も書いたり行ってくれなかったりしますが、それはお客さまの自由です。この欄があることで、お客さまは自分のことを大事にしてくれているという感覚を抱きますし、大事な意見を言ってくれることもあるからです。
(ポイント4)正しい地図
住所や直前の場所を知るためには地図が必要です。街中の店なら1km圏、車での来客もあるなら3km圏、郊外の立地なら5km圏くらいを網羅するような地図を用意しましょう。
キレイに作るには、電子地図ソフトウェアを使って原図(図1)を用意してから、町丁目別の区画(図2)を参考にして、お絵描きソフトで町丁目別の区画を描いてからカラー印刷しておくと良いでしょう。
(ポイント5)正しい集計法
町丁目別に、人口を集めておきましょう。そして、住民浸透度係数を計算しておきます(前回説明した通りです)。ポイントは、この係数を出すときの分母は、その町丁目の人口で良いのですが、分子がちょっとややこしいので注意してください。分子=(1ヵ月の客数)×(その町丁目に住んでいると言ったサンプルの数)/(調査したすべてのサンプル数)です。
ではどうやって売上げを伸ばせば良いのかに絞ってお話ししましょう。 どんな商売にも共通することなのですが、売上げを伸ばす方法は3つしかありません。 1)お客さんを増やす。2)来店頻度を上げる。3)購買単価を上げる、この3つです。
商圏調査で売上を上げる3つの方法 -2 店長の皆さんは、この3つのことを実現するために日々運営に奮闘しているのですね。店の前で大きな声を出して勧誘に頑張るのは、一人でも多くのお客さんを獲得したいからですね。これは1)の実現。 店のQSCの水準を上げたり、FUN(楽しみ)の要素を増やしたりするのは、また来店したいという気持ちを持ってもらいたいからですね。これは2)の実現。さらに、「今日は、○○がお勧めですよ。」、「もう1杯お持ちしましょうか?」とお客さんに語り掛けるのは、3)の実現です。 では、立地として考えたときは、どうなるでしょうか。もちろん、商圏調査の結果が役に立つのです。 そして、あなたは、販促用のチラシを作るとします。予算は限られていますから、周辺全域に撒くことはできません。あなたはどんなチラシをどこに撒いたら効率的でしょうか。 1)お客さんを増やす これを実現するには、今まで店のことを知らなかった人に来店していただくわけですから、作るべきチラシは、「ご来店者にもれなく○○を無料プレゼント」というような誰でも魅力を感じる内容にすべきでしょう。 そして、チラシを撒くべきエリアは次の3つです。
商圏調査で売上を上げる3つの方法 -3
A.住民浸透度係数が低いエリア 人口が多いにも関わらず、店に来るお客さんが少なければこの係数は低い値になります。20%以上もあるエリアなら十分ですから、そこに撒くより5%前後のエリアを狙って撒いた方が効果的です。 B.ターゲット層が多いエリア お店が狙っているターゲット層はそれぞれ違うはずです。例えば、
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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商圏調査で売上を上げる3つの方法 -1
まず「目的編」。
商圏調査をやろう その1.目的編
「商圏調査をやろう」と言われると、「何から手を付けたら良いかわからない」、「商圏調査って何をすることなの?」、「商圏調査して、どんなメリットがあるの」などと店長のあなたは思うかもしれませんね。今回と次回に分けてこうした疑問に答える話しをしましょう。
今回は「目的編」、次回は「実践編」です。
商圏調査の目的
商圏調査の目的は、ずばり「効率的に売上を伸ばすこと」です。もちろん、この中には、「客数を増やすこと」、「購入単価を上げること」、「同伴者人数を増やすこと」、「ファンを増やすこと」、「競合店からお客を取り返すこと」などが含まれます。
単に、売上を伸ばすことだけなら、店長ご自身や従業員が時間と労力をかけしゃかりきになってサービス向上を図ればできるでしょう。ここでのポイントは、「効率的」なことです。
売上を上げるための様々な活動を効率的にできるようにすることです。
もちろん、商圏調査をするためには、ある程度の時間と労力が必要です。でも、かけた労力の何倍もの収穫が得られるようになります。だから、重要なのです。
商圏調査は何をすること?
もっともシンプルに言うならば、2つのことをすることです。1つは、お客様へのアンケート調査。もう1つは、商圏地図を作り分析することです。
どちらも大事ですが、じゅうぶん意義や内容を理解していないと、1つ目を終えた段階で、もういいやということになりかねませんから、よく理解してください。
お客様へのアンケート 用紙見本のダウンロード
お客様の一人一人をよく知っていて、わざわざアンケートしなくてもほとんどのことはわかるというのであれば必要ないかもしれません。
でも、この際、店長のあなたがそういう方であっても、アンケート調査というフォーマル(公式)なことをやってみてください。すると普段は伝えていなかったことが明らかになることがあるものです。例えば、「いつも、駅の方から来るから、帰りがけについでに寄ってくれている」と思っていたお客様でも、正式に住所を聞いたら、それが駅向こうの地域であって、「遠くなる所をわざわざ来てくれている」ことが分かったりして、そのお客様の素晴らしさがわかったりもするのです。
もちろん、忙しくてあまりお客様と日常的な会話なんてできません。そういう店長のあなたでしたら、ぜひともアンケートしてください。
アンケートだからといって、○×や選択肢に答えるばかりではありません。お客様の生の意見もその場でお聞きする絶好のチャンスでもあります。今まで遠慮して言えなかった人でも匿名で答えて誰が答えたかわからないというような状況では、本音を書いてくれます。
もう一つ、このアンケートは商品やサービスに関わる質問はほとんどしないでけっこうです。そういう点のアンケート用紙ならどこの店にでもありますね。でも、商圏調査では、当たり前ですが「商圏に関わる」質問が中心になります。「どちらにお住まいですか?」とか「ご来店前にどちらにいましたか?」、「このお店を出た後、どちらに向かわれますか?」、「そこは、どこですか?」というような質問です。
ですから、お客様から、料理やサービスについての評価はききません。お店のことで聞くとしたら、来店動機のところです。「お客様が本日ご来店になった一番大きな理由は何でしょうか?」の質問に、選択肢として、「店が広いから」、「料理・サービスが良いから」、「雰囲気が良いから」などのように入ってくるくらいです。ですから、安心して、調査をしてください。
ただ、QSC(品質・サービス・清潔さ)があまりひどいと手厳しく言われたり書かれたりするかもしれません。
商圏地図を作り、分析
アンケート調査が終わったら、さあ集計です。
集計で、一番まっさきにやるべきことは、お客様がどこから来店したのか、あるいは、どちらにお住まい(お勤め)なのかを集計し、商圏地図を作ることです。
最もフォーマルに実施するときは、アンケート調査の段階で「専用地図」を用いることですが、そこまでの準備をしなくても簡易的にできます。お客様の住所が「渋谷区千駄ヶ谷5丁目33番16号シャトレー新宿御苑901号」だとします。
それでも、全部ではなく「渋谷区千駄ヶ谷5丁目」までのところを答えてもらえば良いのです。
名前や電話番号はもちろん質問しませんし、住所も「丁目」までだったら、「個人を特定」することにはなりませんので、「個人情報」にもなりません。
でも、「丁目」まできいておくだけで、立派な商圏地図を作ることができます。
というのも、たいていの市区では、「〇〇町△丁目」毎に、人口や世帯数というデータが集計され、明らかになっている(注)からです。
例えば、人口が500人と分かっているA町X丁目から、お店にお客様が50人来ていることが分かれば、その比率は10%だということがわかります。
この10%のことを「住民浸透度係数」と呼びます。この係数が5%以上なら、そこは、立派な商圏「内」ということにする。
これが、正しい商圏の把握の方法です。
つまり、お客様から、「住所、または、直前にいた場所の住所」を「丁目」単位で聞き出すことができれば、商圏地図を作ることができるのです
商圏地図さえ、出来上がれば、すぐ分析ができます。
住民浸透度係数の大きさによって、色分けをすると図3のような図になるからです。
図3
色分けは、5%以上、10%以上、20%以上で色を濃くしたりすると分かりやすいでしょう。
するとお店が中心に描かれていますが、そのすぐ周辺は、濃い色になります。お店の近くから多くのお客様が来店されているで当然のことですね。そして、お店から離れるにしたがって、色は薄くなっていき、最外周あたりは色塗りされません。
まず、すぐ分かるのは、店に近いのに色塗りされていない地域が必ず見つかるということです。
Aがそうです。Bは店から遠いから良いとしてもAは困りものですね。
そこで、このAを重点的に攻めて行けば、お客様が効率よく増えていくということになりますね。ただし、その区域に、競合店があるのかもしれませんから、実際はその場所に行ってみる必要があります。
注 「〇〇市 丁目 人口」などとインターネットで検索するとたいていは簡単に入手することができます。
図1
図1は広島市の「人口・世帯数(町丁目別)」の画面ですが、この中から、年月を指定してクリックすると、図2のようにエクセルの表としてダウンロードすることができます。
図2
その2.実践編
商圏調査の目的は何でしたっけ?そうです。お店の販売促進、お客さまやファンを増やす活動を「効率的」にできるようにすることでしたね。
では、その商圏調査はお客さまへのアンケート調査で行います。具体的にはどうやって行えば良いのか。今回はこれを説明します。
アンケート調査の5つのポイント
(ポイント1)正しい調査の実施方法
いろいろなやり方がありますが、なるべくやってほしいやり方は、お客さまから直接回答をいただく、「面接方式」です。これは文字通り、お客さまと対面して、質問と回答を順番に行います。この方式の良いところは最も精度が高い回答が得られる点です。しかし、その代わり、手間がかかるのも事実です。人手が足りない、簡素化したいという場合は、アンケート用紙と地図をテーブルに置いておき、注文品などが届くまでの時間を利用して記入してもらう「据置き方式」でも構いません。
アンケート調査を思いつきだけで初めてはいけません。しっかりとした準備をします。いつ何をすべきかを計画しましょう。そして、調査をする人達への説明会は必ず行わなければいけません。
アンケートに答えてくれた人に、「感謝」の気持ちを示すために渡すちょっとしたものです。これにお金をかける必要はありません。安く手に入りお客さまに気に入ってもらえそうならどんなものでもけっこうです。小さなボールペン、鉛筆、店のロゴいりコースター等アイデアを出してください。
もちろん、特別にその日だけアルバイトを採用しても良いですし、本社スタッフに応援を求めても良いでしょう。お客さまと直接話しを交わすことで店への愛着が高まったり、従業員の人間的成長に繋がるからです。お客さまの方も普段言えないことでも、こうした時ははっきり言ってくれることが多く、これを聞いて正しい対応ができるのも店の従業員ならではということがあります。
というのも、人はみな偉くなるとなかなか現場のことを顧みなくなるものです。でも、飲食業でこれをやってしまうと商品も内装もサービスの仕方がどんどんチグハグなものになり、やがて客数減、売上減に繋がります。お客さまと直接話ができて、その本音を聞き出せる良い機会です。社長なら、経営幹部なら必ず従業員とは違う大事なヒントを得ることができるはずです。
調査日には、開店時から、「店内でアンケート調査を行っています」という趣旨のポスターをよく見える所に貼っておきましょう。これは、お客さまに不審がられることを防いだり、調査する従業員の助けにもなります。
(ポイント2)正しいサンプリング
(ポイント3)正しいアンケート用紙
アンケート用紙は、対面式と据置き式で、多少フォーマットが異なりますが共通点は次の項目が入っていることです。
目的編でも書きましたが、お客さまの個人情報を聞くことはできません。ですから、住所も、町丁目別に区分けした図形を描き、番号を振った地図(図3)を用意しておき、この番号を選んでもらうという手法をとります。
お客さまが店に来る直前にどちらにいらしたかを問うものです。これは、その地域を同じ地図を使って聞くとともに、どんな場所なのかを抽象的に聞いておきます。例えば、「自宅、勤務先、学校、買い物先、所用先、レジャー、その他」のようにです。
この時、「差支えなければ」と前置きした上で、その施設名を聞いておくと、販売促進に役立ちます。その施設と何らかのタイアップができるかもしれないからです。
「お客様は、当店を何回くらいご利用されていますか?」という質問です。この答えには「①初めて、②年に1回くらい、③2,3か月に1回、④月に1回くらい、⑤月2~3回、⑥週1回くらい、⑦週2回以上、⑧ほぼ毎日」を用意しておきます。
これは、性別、年齢、結婚有無、職業などを指します。それぞれ、①男、②女 のように答えの選択肢に番号を振っておき、番号を選んでもらえるようにします。
必ず、最後に、お客様のご意見を聞いたり、書いたりできるような欄を作って置かなければいけません。何も書いたり行ってくれなかったりしますが、それはお客さまの自由です。この欄があることで、お客さまは自分のことを大事にしてくれているという感覚を抱きますし、大事な意見を言ってくれることもあるからです。
(ポイント4)正しい地図
住所や直前の場所を知るためには地図が必要です。街中の店なら1km圏、車での来客もあるなら3km圏、郊外の立地なら5km圏くらいを網羅するような地図を用意しましょう。
キレイに作るには、電子地図ソフトウェアを使って原図(図1)を用意してから、町丁目別の区画(図2)を参考にして、お絵描きソフトで町丁目別の区画を描いてからカラー印刷しておくと良いでしょう。
図1
(ポイント5)正しい集計法
町丁目別に、人口を集めておきましょう。そして、住民浸透度係数を計算しておきます(前回説明した通りです)。ポイントは、この係数を出すときの分母は、その町丁目の人口で良いのですが、分子がちょっとややこしいので注意してください。分子=(1ヵ月の客数)×(その町丁目に住んでいると言ったサンプルの数)/(調査したすべてのサンプル数)です。
ではどうやって売上げを伸ばせば良いのかに絞ってお話ししましょう。
どんな商売にも共通することなのですが、売上げを伸ばす方法は3つしかありません。
1)お客さんを増やす。2)来店頻度を上げる。3)購買単価を上げる、この3つです。
商圏調査で売上を上げる3つの方法 -2
店長の皆さんは、この3つのことを実現するために日々運営に奮闘しているのですね。店の前で大きな声を出して勧誘に頑張るのは、一人でも多くのお客さんを獲得したいからですね。これは1)の実現。
店のQSCの水準を上げたり、FUN(楽しみ)の要素を増やしたりするのは、また来店したいという気持ちを持ってもらいたいからですね。これは2)の実現。さらに、「今日は、○○がお勧めですよ。」、「もう1杯お持ちしましょうか?」とお客さんに語り掛けるのは、3)の実現です。
では、立地として考えたときは、どうなるでしょうか。もちろん、商圏調査の結果が役に立つのです。
そして、あなたは、販促用のチラシを作るとします。予算は限られていますから、周辺全域に撒くことはできません。あなたはどんなチラシをどこに撒いたら効率的でしょうか。
1)お客さんを増やす
これを実現するには、今まで店のことを知らなかった人に来店していただくわけですから、作るべきチラシは、「ご来店者にもれなく○○を無料プレゼント」というような誰でも魅力を感じる内容にすべきでしょう。
そして、チラシを撒くべきエリアは次の3つです。
商圏調査で売上を上げる3つの方法 -3
A.住民浸透度係数が低いエリア
人口が多いにも関わらず、店に来るお客さんが少なければこの係数は低い値になります。20%以上もあるエリアなら十分ですから、そこに撒くより5%前後のエリアを狙って撒いた方が効果的です。
B.ターゲット層が多いエリア
お店が狙っているターゲット層はそれぞれ違うはずです。例えば、