八百幸成城店の商圏分析-2

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八百幸成城店の商圏分析-2

商圏,食品商業

2017/12/16 八百幸成城店の商圏分析-2

八百幸成城店の商圏を見れば、商圏分析の方法がわかる。その2

2アクセス面

鉄道と鉄道の間 本当は難しい場所

しかし、立地上問題がないわけではない。物件の北1.5kmには、ほぼ東西に京王線が走っており、しかも、駅近にはスーパーストアが複数出店している。

また、南1.2kmにも小田急線があり同様のていを成している。

したがって、物件の南北への商圏拡大はほぼ望み薄と言えよう。

また、西200mには「NTT東日本などの巨大な敷地(約65000坪)」があり、東200mにも「総合工科高(約17000坪)」があり、東西方向への商圏拡大に制約を与えている。

そもそも、駅と駅の中間地点は、商圏形成が難しい立地である。なぜなら、駅に近いところに住んでいる人はその駅に向かう習慣ができており、その反対方向(物件へ向かう方向)には向かいにくいからである。

通常なら、危険な立地と呼ばざるを得ない。

 

3対競合面

現在、地図で確認できるだけでも、スーパーストアは3km圏内で50店、2km圏内で27店あるが、1km圏内は西友調布入間店だけとなっている。その西友は、八百幸成城店と同じ道路の北200mに位置する。駐車場は27台(八百幸は24台)、売場面積は997㎡(同962㎡)であり、立地上は大きな違いがない(注4)。

したがって、互いに年収別のどのあたりを顧客ターゲットとして考えているかによって、品揃え、価格帯、品質他のサービスを変えていくことが可能であり、競合というよりも市場拡大する関係にあると見られる。

ただし、この地域(商圏)では、多少のデフレ経済の影響を受けつつも 安さが勝負 品質は2の次と言った商売は受け入れられないことは確かだと分析できる。

 

4なぜ、ここで実験するのかの推理

さて、1の条件を満たす市区はどこにあるだろうか?とりわけ、八百幸成城店が意識しているであろう“平均所得(年収)”の高いところはどこであろうか?

1位:港区、2位:千代田区、3位:渋谷区、6位:中央区、7位:文京区、8位:目黒区、12位:新宿区、13位:武蔵野市、14位:品川区、15位:杉並区、18位:国立市、20位:三鷹市、・・・

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20位以内に東京都内が世田谷区(11位)を含め、12市区、実に人口の単純合計だけで348万人である(注5)。

 

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ただし、人口密度においては、ほぼどの市区も10000人から2000人/㎢台にあるものの、千代田区は5000人/㎢ほどしかないので除外しても良いだろう(注6)。

最後に、人口伸び率だが、千代田区を含めこれら東京都内の市区はすべて増加傾向にある(注7)。同じ市区でも部分的には減少がみられても、探せば増加傾向を示す地域が確実にあるということだ。

とはいえ、都心での空間的余裕は少なく小型店でも300坪の物件を探すことは容易ではない。探す方法はどうなのだろうか?

 

5将来的に、応用できるか

日本のGDPは1997以来20年間停滞したままであり、一般消費者の購買力は著しく下がっている。これは全国的、かつ地方の商業地においては壊滅的ダメージを与えている。

その中で、経済的勝ち組、負け組の選別が進行しており、特に人々が東京へと回帰している事実もうかがわれる。ということは、安さ・コスパが店選択の大きな理由とされたこの20年と違う新たなコンセプト打ち出しに共鳴する消費者が必ずいることを示している。

仮に、日本経済が2020年頃までに本格回復するのであれば、八百幸のような先行者はノウハウの蓄積が速くなるとともに、出店を拡げていく余地がじゅうぶんあると言える。

すでに、分析したように、少なくとも都内には、高密度・高収入・人口増加中の地域が増えており、都内でさえ、世田谷区を含め11市区での展開が見えていると言える(表)。

ただし、さらに日本のデフレ経済が悪化すれば、こういった客層の減少がさらに進み、立地の厳しい店から順に難しい舵取りを余儀なくさせるであろう。

 

 

 

4:八百幸成城店は、店の1F部分を駐車場とするピロティ形式で、2Fが売場であるが、エレベータ、エスカレータという(上り・下り)の方法があるので、顧客への利便性に問題はない。

5:平成2811日住民基本台帳人口・世帯数、平成27年(11日から同年1231日まで)人口動態(市区町村別)(日本人住民)

6:ウェブサイト 「全国の市区町村の人口・面積・人口密度ランキング」2017101日現在の自治体構成 (最新)791,23,744,183村)より

7:平成27国勢調査(総務省統計局)都道府県・市区町村別主要統計表

 

 

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