競合指数の出し方(売上予測を重回帰分析で行う手法8)

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競合指数の出し方(売上予測を重回帰分析で行う手法8)

売上予測

2017/11/04 競合指数の出し方(売上予測を重回帰分析で行う手法8)

売上予測の手法 その5 重回帰分析を使った売上予測 8 競合指数

 

売上予測モデル(重回帰モデル)を作る時に厄介なのは、同業店の扱いをどのように考えるかです。

 

同業店が自店の顧客を奪っていくだけの存在ならば、それは競合店と呼んでよいかもしれません。

しかし、同業店が、自店舗のターゲットとしている層の人々を連れてきてくれる存在だとしたら、競合店というより、ライバル店と呼んだ方が良いかもしれません。

 

この違いは単に考え方の相違とばかりは言えず、実際に次のような事例があるのです。

つまりは、同業店が自店舗の隣りに出店したら、自店舗の客数も売上も上がった。自店舗の賃貸契約が切れてしまうので、すぐ近くに新たな店舗を出したら契約期間が重なったので自店舗同士になった。この時の売上は半分にはならず30%減で済んだ。

 

とまれ、このあたりの売上に対する同業店や自社競合店の影響はまだまだ研究し甲斐があるというものです。

 

仮に、同業店が競合店として、自社の顧客を奪っていくだけの存在だと仮定して話をすすめましょう。

このとき、この競合性の強度はどうやって数値化して(競合指数と呼びます)良いでしょうか?

 

もっとも簡単な競合指数の作り方は、「半径○km内にある競合店の数」というものでしょう。

距離の影響もあるのではないか、と思う分析者は、「500m圏内にある競合店の数×5+1km圏内にある競合店の数×2」というふうにして、近い距離にある競合店をより強く評価するやり方もあるでしょう。

しかし、これらのやり方・数値化には、問題が1つ残されています。500mとか1kmに限りなく近い店はどう評価すると良いのでしょう?499mなら5点、501mなら2点というのはいかにも、意図的で良い感じではありませんね。

 

そこで、こういう場合は、距離Lが遠いほど、数値が低くなるような関数を使うと便利です。

例えば、Y=1/X 反比例の関数です(これは、X=0 の時に Yは無限大になってしまうので扱いには注意を要します)。

おすすめは、指数関数です。別名、減衰曲線とも、成長曲線とも言われます

Y=1/(1+a・exp(bX))

下の曲線は、a=0.01、b=0.04 の時の減衰曲線です。

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この曲線の書き方を1回マスターしてしまえば、いろいろな立地の現象に応用が効きます。

 

たとえば、複数の駅からの近さや遠さ、複数のTGからの近さや遠さ、自社競合、その他・・・

これならば、距離というものが、499mから501mにちょっと変化したくらいで、競合指数が大きな変化をするようなことはありません。

 

距離以外にも、競合指数の要因として加えるべきことがらがあります。

例えば、売場面積とか駐車場といった物件の持つハードの条件、あるいは、ブランド力や営業力、開店順序といったソフトの面なども加味すると精度の高い競合指数を得ることができます。

 

他社競合と自社競合の2種類が考えられる場合は、それらは別々に評価したほうが良いでしょう。

仮に、説明変数が10個以上になりそうな場合は、それぞれをウェイト掛けして足し合わせ(線形変換)ても良いでしょう。

 

 

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