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敷地が広い立地
「1週間でできる立地判定」敷地が広い立地【第4回】 敷地が広い立地
事業所や住宅、店舗や工場などが密集した市街地ではかなり困難なことではあるかもしれませんが、「敷地が広い立地」はきわめて良い立地である場合が多いのです。
「敷地」というと「それは立地とは違うのではないか?」と疑問を呈するかもしれませんが、物件それ自体も「立地の一部」であることに注意しましょう。
立地とは、人々がその場所にいかに来所しやすいかを表すことです。その場合、物件前の道路がどうなっているか、また、周辺の環境がどうなっているかを考えることはいの一番にしなければなりません。これまでに、お話ししたTG(交通発生源)、PC(需要集合体)、IC(情報発信源)はいずれも、物件以外のことについてのことでした。
立地とは、それら要因と物件そのものとの地理的な関係や心理的な関係になります。すると、物件それ自体の状態がどのようであるかも重要なことだということになります。
仮に、物件(店舗建物を含む敷地)の道路側間口が狭くて、自動車の出入りがしずらい、また、道路側に出した看板が店側車線の手前の建物や街路樹、別の看板に隠れて見えづらいということになると、上記のような有利な要因があったとしてもその効果をじゅうぶん受けることができません。
これらは、それぞれIN/OUT評価、視界性評価と関係してくることですが、その多くの原因は、敷地の狭さにあります。
間口が狭いは言うに及ばず、さらに店舗が道路からセットバックしている、駐車場に自動車が停められない、看板設置場所が限られてしまう等々です。
こうした状況を一挙に解決してくれるのが、敷地の広さです。
もちろん、冒頭で言ったように、市街地区では経済条件から言ってそういう広い敷地は望むべくもないかもしれません。
では、市街地を離れたらどうでしょう。そうすると、広い敷地であるにもかかわらず、半分、3分の1の経済条件で借りられることがあります。
道路に面した側で15m、時には30mものゆとりをもった間口を取ることができます。駐車台数も10台から多い時は30台近くも用意できる。サインポールも敷地の端に設置することで、敷地手前まで街路樹があったとしても、それらの街路樹による視界性難には陥りません。時には大型トラックも止められる場合もあります。
図1と写真1は、決して郊外とは言えない都心で現実に存在している店です。
もちろん、郊外なら、必ずこうした「広い敷地」が立地の基本です。狭い敷地、手前に大きな建物ができてしまってドライバー視界を遮られてしまうような立地に決して出してはいけません。
もちろん、そこは経済条件との相談は言うまでもないことですが、敷地は大きければ大きいほど良い。仮に、店舗一つでは余るような敷地であれば、他の業種業態の店舗と組んで利用すれば済みます。もちろん、この場合は、駐車場を共有することはもちろん互いの看板が視界性を妨げないように配慮しなければなりません。
また、逆に、店数を欲張り過ぎてはいけません。間口が十分あるからといって、A店の出口とB店の入り口が共有されてしまうようなことがあってはいけません。図面に描いた段階でしっかりチェックしておかないとこういう滑稽な事態も起きるのでよくよく注意してください。
「敷地が広い」という考え方からいくと、大きなショッピングモール(SM)内に出店することは賢い出店の一つでしょう。
ただし、この場合でも、自店に来られる顧客用駐車場が、じゅうぶんに確保できるか、できれば無制限に多く使えるかを事前に確認しておきましょう。
メイン道路から直接INできて、メイン道路へ直接OUTできることも重要なポイントです。これができず、SM敷地内をさんざん迂回させられた後にやっと物件前にたどり着くというような場所であってはいけません。
地方の大きなSMであればあるほど、その周辺は宅地化されていないたくさんの土地が空いています。そういう場合はSMの敷地にこだわることはありません。その周辺に「広い敷地を確保」することができます(図3)。
ところで、敷地が広くなれば、賃料が上がります。この点を苦慮する場合が出てきます。そういうような場合、最初から、広いほうを選択するのではなく、まずは、やや狭い敷地から始めます。そして、この段階で収益上の余裕が生まれそうならば、敷地を拡げていきます。この場合、敷地(または駐車台数)がX倍に増えると売上、来店数はXの平方根倍に増えることが経験則上知られていることですので目安として覚えておくと良いでしょう。具体的には、敷地が2倍になると、売上はその平方根、1.4倍に増えるのです。
同じ敷地が広いとは言っても、メイン道路側の間口が狭く、側道側の間口が広いというケースもあります(図4)。これでは、視界性が良くなるとは限らず、また、直接のIN/OUTも困難になることが多いですので注意が必要です。
図1 、写真1
東京の湾岸部、木場駅近くに出店しているL店
敷地面積はほぼ300坪、加えて側道も使えるので実質的面積はもっと広い。この側道を含めると間口は35mにも達する。駐車場には時折、トラックも停車しています。
図2 、写真2
東京都江戸川区の篠崎駅から直線距離で500mに出店しているS店。敷地面積は500坪、間口はメイン道路側で45mある。加えて、周辺は空き地が多いため、この店のサインポールの視界性評価はきわめて良好です。
図3
本文にある通り、ショッピングモール内に出店が無理でも、この図にあるように、右上のショッピングモール周辺は宅地化されていないことが多く、田畑の一角を宅地化して出店することもできます。
図4
敷地は650坪あるもののメイン道路から出入りするための間口の幅は5mしかなく、きわめてINが難しい。そのため予め側道からINできることを知っている人しかこの店を利用しないことになります。
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
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事業所や住宅、店舗や工場などが密集した市街地ではかなり困難なことではあるかもしれませんが、「敷地が広い立地」はきわめて良い立地である場合が多いのです。
「敷地」というと「それは立地とは違うのではないか?」と疑問を呈するかもしれませんが、物件それ自体も「立地の一部」であることに注意しましょう。
立地とは、人々がその場所にいかに来所しやすいかを表すことです。その場合、物件前の道路がどうなっているか、また、周辺の環境がどうなっているかを考えることはいの一番にしなければなりません。これまでに、お話ししたTG(交通発生源)、PC(需要集合体)、IC(情報発信源)はいずれも、物件以外のことについてのことでした。
立地とは、それら要因と物件そのものとの地理的な関係や心理的な関係になります。すると、物件それ自体の状態がどのようであるかも重要なことだということになります。
仮に、物件(店舗建物を含む敷地)の道路側間口が狭くて、自動車の出入りがしずらい、また、道路側に出した看板が店側車線の手前の建物や街路樹、別の看板に隠れて見えづらいということになると、上記のような有利な要因があったとしてもその効果をじゅうぶん受けることができません。
これらは、それぞれIN/OUT評価、視界性評価と関係してくることですが、その多くの原因は、敷地の狭さにあります。
間口が狭いは言うに及ばず、さらに店舗が道路からセットバックしている、駐車場に自動車が停められない、看板設置場所が限られてしまう等々です。
こうした状況を一挙に解決してくれるのが、敷地の広さです。
もちろん、冒頭で言ったように、市街地区では経済条件から言ってそういう広い敷地は望むべくもないかもしれません。
では、市街地を離れたらどうでしょう。そうすると、広い敷地であるにもかかわらず、半分、3分の1の経済条件で借りられることがあります。
道路に面した側で15m、時には30mものゆとりをもった間口を取ることができます。駐車台数も10台から多い時は30台近くも用意できる。サインポールも敷地の端に設置することで、敷地手前まで街路樹があったとしても、それらの街路樹による視界性難には陥りません。時には大型トラックも止められる場合もあります。
図1と写真1は、決して郊外とは言えない都心で現実に存在している店です。
もちろん、郊外なら、必ずこうした「広い敷地」が立地の基本です。狭い敷地、手前に大きな建物ができてしまってドライバー視界を遮られてしまうような立地に決して出してはいけません。
もちろん、そこは経済条件との相談は言うまでもないことですが、敷地は大きければ大きいほど良い。仮に、店舗一つでは余るような敷地であれば、他の業種業態の店舗と組んで利用すれば済みます。もちろん、この場合は、駐車場を共有することはもちろん互いの看板が視界性を妨げないように配慮しなければなりません。
また、逆に、店数を欲張り過ぎてはいけません。間口が十分あるからといって、A店の出口とB店の入り口が共有されてしまうようなことがあってはいけません。図面に描いた段階でしっかりチェックしておかないとこういう滑稽な事態も起きるのでよくよく注意してください。
「敷地が広い」という考え方からいくと、大きなショッピングモール(SM)内に出店することは賢い出店の一つでしょう。
ただし、この場合でも、自店に来られる顧客用駐車場が、じゅうぶんに確保できるか、できれば無制限に多く使えるかを事前に確認しておきましょう。
メイン道路から直接INできて、メイン道路へ直接OUTできることも重要なポイントです。これができず、SM敷地内をさんざん迂回させられた後にやっと物件前にたどり着くというような場所であってはいけません。
地方の大きなSMであればあるほど、その周辺は宅地化されていないたくさんの土地が空いています。そういう場合はSMの敷地にこだわることはありません。その周辺に「広い敷地を確保」することができます(図3)。
ところで、敷地が広くなれば、賃料が上がります。この点を苦慮する場合が出てきます。そういうような場合、最初から、広いほうを選択するのではなく、まずは、やや狭い敷地から始めます。そして、この段階で収益上の余裕が生まれそうならば、敷地を拡げていきます。この場合、敷地(または駐車台数)がX倍に増えると売上、来店数はXの平方根倍に増えることが経験則上知られていることですので目安として覚えておくと良いでしょう。具体的には、敷地が2倍になると、売上はその平方根、1.4倍に増えるのです。
同じ敷地が広いとは言っても、メイン道路側の間口が狭く、側道側の間口が広いというケースもあります(図4)。これでは、視界性が良くなるとは限らず、また、直接のIN/OUTも困難になることが多いですので注意が必要です。
図1 、写真1
東京の湾岸部、木場駅近くに出店しているL店
敷地面積はほぼ300坪、加えて側道も使えるので実質的面積はもっと広い。この側道を含めると間口は35mにも達する。駐車場には時折、トラックも停車しています。
図2 、写真2
東京都江戸川区の篠崎駅から直線距離で500mに出店しているS店。敷地面積は500坪、間口はメイン道路側で45mある。加えて、周辺は空き地が多いため、この店のサインポールの視界性評価はきわめて良好です。
図3
本文にある通り、ショッピングモール内に出店が無理でも、この図にあるように、右上のショッピングモール周辺は宅地化されていないことが多く、田畑の一角を宅地化して出店することもできます。
図4
敷地は650坪あるもののメイン道路から出入りするための間口の幅は5mしかなく、きわめてINが難しい。そのため予め側道からINできることを知っている人しかこの店を利用しないことになります。