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地域に知ってもらえる立地
「1週間でできる立地判定」【第3回】地域の人に知ってもらえる理由がある立地
「地域の人に知ってもらえる理由がある立地」
これまで、TG(交通発生源)として駅や商業施設、また、「PC(ポテンシャルクラスター)由来のTG」を紹介してきました。みなさんのご存じの地域でそういう事例を見つけることができたでしょうか?これらは、単に、人々が集まってくるような場所だからという理由だけで、繁盛立地と言えるわけではありません。集まってきて、「覚えてもらえる、知ってもらえる」立地だから、自分以外の人にも伝えることができる、人々にその場所についての情報が伝わっていく、そういう立地だから繁盛するのです。つまり、本来なら利用しないような人にでも簡単に教えられる立地だからです。
「××駅○○口の出た所」、「○×量販店前」あるいは「○□住宅街入口」と言えば、多くの人が「ああ、あそこのことだな」と連想してもらえるわけです。この点が重要です。
仮に、コンビニが、TGの回りでしか成立しない、例えばマクドナルドがあるようなベストの立地でしか繁盛しないというのであれば5万店近くの店は出せませんでした(注1)。
では、どういう立地なのでしょうか?
ここまででお分かりのように、「地域の人に知ってもらえる理由」がある立地です。TGはその一つに過ぎません。
地域の人々が必ず月に1度、週に1度、日に1度は目にしたり、耳にしたりして気にする立地です。例えば、通勤や通学、あるいは買い物に使う道路がそうです。
それ以外にも、小・中学校、あるいは幼稚園・保育園、学習塾や専門学校といった教育施設があります。さらには、公民館、図書館、病院、公園、支所といった公共施設、ゴルフ練習場や体育館、運動場などの比較的大きなスポーツ施設や娯楽施設などもあるでしょう。
こういう施設や場所では、地域の人々が高い頻度で訪れますし、情報交換も盛んです。したがって、これらの施設の近くなら、それだけ「場所についての情報」も早く高い頻度で伝わる可能性があることになります。
ですから、物件を調査する際に、その近くに、こうした「情報発信源(I/C:インフォメーションセンター)」があるかどうかもチェックしておきましょう。
駅の重要性
さて、「地域の人に知ってもらえる理由」がある立地は、それだけでしょうか?
ここで、もう一度、駅について振り返ってみましょう。駅はTG(交通発生源)であって、駅の近く、駅から見える距離にある場所は、繁盛立地だと、すでに書きました。
しかし、駅の効果はそればかりではありません。
人々の交通を発生させるばかりでなく、人々を吸い寄せる働きもあります。つまり、地域のわりと広い範囲から人々を集めてきます。
ということは、駅から多少離れていようと、駅から見えなかろうと、人々を吸い寄せる「日常行動線」を作り出しているのです。
もちろん、人々は、原則的に、道路上を行くわけですから、その状況は幹に向かってだんだんと葉脈が太くなっていく葉や、海に向かうにつれて幅が広がっていく河川のようです。そして、葉脈や川が合流するところが必ずできます。これが交差点やT字路です。
そうです、こうした角地こそ、コンビニエンスストアが最も繁盛しやすい立地と言えます。地域の人々が日常、駅に向かう際に、どんなところで、“合流”しているか、その立地を探すことです。
そして、その合流地点が、単なる合流にとどまらずに、信号機があるため一時停止しなければならない等、人々の視界が広がるようなら、これに越した立地はありません。
単に、人々が合流しているだけなら、駅に近いほうの道沿いが良いことになりますが、人は歩き始めてしまっていると容易に足を止めることができませんので、その合流地点より立地は劣ることになります。
そして、“合流地点”が良いことは、車で行動する人にも当てはまります。むしろ、車のほうが、信号などで強制的に停止させられることがあるかどうかが、大きく影響します。
なぜなら、運転中のドライバーは回りをキョロキョロするわけにはいかないからです(わき見運転は事故につながりますね)。
仮に、この合流地点に、さきほどのI/C(情報発信源)があれば最上の立地ということになります。
つまり、幼稚園が角地にある合流地点は、それがない角地よりも立地としては良いのです。これは、徒歩、自転車、車いずれで来店する場合においても共通します。
さあ、この一週間で、あなたの店の回りに“合流地点”、そしてI/Cがいくつあるか探してみましょう。
キャプション
図(合流地点)
駅に向かう人々は、○で囲んだ交差点に矢印のように合流してきます。しかも、その合流地点は、小学校前でありそれは地域への情報発信源でもあるのです。したがって、その合流交差点にきわめて近接している点でこの物件は優れた立地にあると言えます。
図(合流地点2)
駅の周辺よりも、店のある周辺のほうが人々が多く住んでいます。そういうような場合、駅前で出店するより、この交差点のような合流地点がベストの繁盛立地といえます。
図(葉脈)
葉の隅々まで養分が吸い上げられ、逆に葉で合成された成分が戻っていく葉脈は、人々が行動する動線とよく似ています。幹に向かうほど脈は太くなっていきます。
図(アマゾン川)
河川も葉脈と同様に、川の流れにしたがって下流にいくにつれ、幅が広がっていきます。
海への出口を、駅などのTGに置き換えると、人々の日常行動とよく似ていることがわかります。
Photo1
人々が合流する交差点角地にある上、I/C(情報センター)の区民館(photo2)が近くにあるため、その場所の認知は広がりやすい立地だ。手前に、区民館への案内標識が写っている。
注1 コンビニエンスストア総数46,905店(JFA調べ 2012年12月)、マクドナルドは3300店(同社HPより)
。
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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「1週間でできる立地判定」【第3回】地域の人に知ってもらえる理由がある立地
「地域の人に知ってもらえる理由がある立地」
これまで、TG(交通発生源)として駅や商業施設、また、「PC(ポテンシャルクラスター)由来のTG」を紹介してきました。みなさんのご存じの地域でそういう事例を見つけることができたでしょうか?これらは、単に、人々が集まってくるような場所だからという理由だけで、繁盛立地と言えるわけではありません。集まってきて、「覚えてもらえる、知ってもらえる」立地だから、自分以外の人にも伝えることができる、人々にその場所についての情報が伝わっていく、そういう立地だから繁盛するのです。つまり、本来なら利用しないような人にでも簡単に教えられる立地だからです。
「××駅○○口の出た所」、「○×量販店前」あるいは「○□住宅街入口」と言えば、多くの人が「ああ、あそこのことだな」と連想してもらえるわけです。この点が重要です。
仮に、コンビニが、TGの回りでしか成立しない、例えばマクドナルドがあるようなベストの立地でしか繁盛しないというのであれば5万店近くの店は出せませんでした(注1)。
では、どういう立地なのでしょうか?
ここまででお分かりのように、「地域の人に知ってもらえる理由」がある立地です。TGはその一つに過ぎません。
地域の人々が必ず月に1度、週に1度、日に1度は目にしたり、耳にしたりして気にする立地です。例えば、通勤や通学、あるいは買い物に使う道路がそうです。
それ以外にも、小・中学校、あるいは幼稚園・保育園、学習塾や専門学校といった教育施設があります。さらには、公民館、図書館、病院、公園、支所といった公共施設、ゴルフ練習場や体育館、運動場などの比較的大きなスポーツ施設や娯楽施設などもあるでしょう。
こういう施設や場所では、地域の人々が高い頻度で訪れますし、情報交換も盛んです。したがって、これらの施設の近くなら、それだけ「場所についての情報」も早く高い頻度で伝わる可能性があることになります。
ですから、物件を調査する際に、その近くに、こうした「情報発信源(I/C:インフォメーションセンター)」があるかどうかもチェックしておきましょう。
駅の重要性
さて、「地域の人に知ってもらえる理由」がある立地は、それだけでしょうか?
ここで、もう一度、駅について振り返ってみましょう。駅はTG(交通発生源)であって、駅の近く、駅から見える距離にある場所は、繁盛立地だと、すでに書きました。
しかし、駅の効果はそればかりではありません。
人々の交通を発生させるばかりでなく、人々を吸い寄せる働きもあります。つまり、地域のわりと広い範囲から人々を集めてきます。
ということは、駅から多少離れていようと、駅から見えなかろうと、人々を吸い寄せる「日常行動線」を作り出しているのです。
もちろん、人々は、原則的に、道路上を行くわけですから、その状況は幹に向かってだんだんと葉脈が太くなっていく葉や、海に向かうにつれて幅が広がっていく河川のようです。そして、葉脈や川が合流するところが必ずできます。これが交差点やT字路です。
そうです、こうした角地こそ、コンビニエンスストアが最も繁盛しやすい立地と言えます。地域の人々が日常、駅に向かう際に、どんなところで、“合流”しているか、その立地を探すことです。
そして、その合流地点が、単なる合流にとどまらずに、信号機があるため一時停止しなければならない等、人々の視界が広がるようなら、これに越した立地はありません。
単に、人々が合流しているだけなら、駅に近いほうの道沿いが良いことになりますが、人は歩き始めてしまっていると容易に足を止めることができませんので、その合流地点より立地は劣ることになります。
そして、“合流地点”が良いことは、車で行動する人にも当てはまります。むしろ、車のほうが、信号などで強制的に停止させられることがあるかどうかが、大きく影響します。
なぜなら、運転中のドライバーは回りをキョロキョロするわけにはいかないからです(わき見運転は事故につながりますね)。
仮に、この合流地点に、さきほどのI/C(情報発信源)があれば最上の立地ということになります。
つまり、幼稚園が角地にある合流地点は、それがない角地よりも立地としては良いのです。これは、徒歩、自転車、車いずれで来店する場合においても共通します。
さあ、この一週間で、あなたの店の回りに“合流地点”、そしてI/Cがいくつあるか探してみましょう。
キャプション
図(合流地点)
駅に向かう人々は、○で囲んだ交差点に矢印のように合流してきます。しかも、その合流地点は、小学校前でありそれは地域への情報発信源でもあるのです。したがって、その合流交差点にきわめて近接している点でこの物件は優れた立地にあると言えます。
図(合流地点2)
駅の周辺よりも、店のある周辺のほうが人々が多く住んでいます。そういうような場合、駅前で出店するより、この交差点のような合流地点がベストの繁盛立地といえます。
図(葉脈)
葉の隅々まで養分が吸い上げられ、逆に葉で合成された成分が戻っていく葉脈は、人々が行動する動線とよく似ています。幹に向かうほど脈は太くなっていきます。
図(アマゾン川)
河川も葉脈と同様に、川の流れにしたがって下流にいくにつれ、幅が広がっていきます。
海への出口を、駅などのTGに置き換えると、人々の日常行動とよく似ていることがわかります。
Photo1
人々が合流する交差点角地にある上、I/C(情報センター)の区民館(photo2)が近くにあるため、その場所の認知は広がりやすい立地だ。手前に、区民館への案内標識が写っている。
注1 コンビニエンスストア総数46,905店(JFA調べ 2012年12月)、マクドナルドは3300店(同社HPより)
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