048-711-7195
107-0062 東京都港区南青山2-2-15-942
月~金 9:00~18:00
立川駅から南武線の隣駅 西国立
西国立駅は立川駅から南武線の隣駅で、その乗降数は19,498人(※注)、500m圏人口は10,986人と少ない中、10店舗が競争する激戦地です。
駅周辺のほとんどは駅から500m近く離れており、その効果が直接届かない店ばかりです。そこで、今回は地域を3ゾーンに分けて立地を見てまいります。
[A]ゾーン(立川通り沿い)
店1(セブンイレブン)は、立川駅南口の最も栄えた商店街の延長線上で、中央線線路を南北に貫く利便性の高い道路、立川通りとの交差点にほど近い場所に位置しています。
駐車場8台分のスペース、加えて広い間口を有しているため、通行人のみならず広域から車での来店が期待できる立地です。残念ながら、両隣にビルがあるため店側通行車からの視界性にやや難があります。
店2(ファミリーマート)は、店1と店3に挟まれた上に、人々が店前を通る必然性に欠け、また駐車場がないため車客の吸引もできません。きわめて難しい立地です。すでに閉店しています。
店3(セブンイレブン)は、立川とそこから3km離れた国立の南側地域をほぼ直線的に繋いでいる利便性が高い自動車道路との交差点角地に位置しています。歩道も整備されており、この交差点が周辺で最も強いTG(交通発生源)になっていることが、駐車場がない不利をじゅうぶんカバーしています。
[B]ゾーン(錦通り沿い)
店4(ローソン)は錦通りに面しているものの、車道幅が狭く、切り下げ(進入間口)も4・8mと狭く、3台分の駐車場しかありません。ただし、すぐ近くに客室数100を超えるホテルや20階建てのマンションがあり周辺需要は高い状況です。加えて、信号付き横断歩道がほぼ直前にあるため、店の後背ばかりでなく、前面の人々の到達が容易です。まずまずの立地と言えます。
店5(ローソンストア100)は、さらに間口が狭いばかりか、駐車場がありません。また、店の後背にある自動車教習所は大きなTGではありませんが、立川駅からの送迎バスで生徒を往復させているためそのポテンシャルを吸引できません。難しい立地です。
店6(セブンイレブン)は、広い駐車場(車13台分)を持ち、間口も広く、かつ店前に、信号付き横断歩道を有しており、車客も徒歩客も来店しやすい申し分のない立地にあります
[C]ゾーン(住宅街)
店7(チコマート)の立地は、よく陥りやすい誤った考えで出店してしまったのでしょう、すでに閉店しております。
店8(ファミリーマート)は、店3と同じ道路に沿っているものの、こちらには9台分の広い駐車場があり、かつ、道路がカーブしているため店側車線からの視界性も良好な上、交差点角地にあります。好条件を備えており良好な立地であると言えます。
店9(ローソン)は、一見何の変哲もない住宅街の十字路に出店しているように見えますが、店前道路は、店3や店8の面する道路とほぼ並行に走っている抜け道的役割を果たしている道路です。信号機が少ないのでむしろ利便性はこの道のほうが高いと言えるでしょう。したがって、駐車場9台分とゆったり取れていることが、この立地を良好にしています。
店10(ファミリーマート)は、唯一、西国立駅の強い影響を受ける立地にあります。周辺には、大きな総合病院や14階建ての大きなマンションなどがあり、今なおポテンシャルは増加の一途を辿っています。
店1のここを学べ 図2
側道を活用せよ
ほとんど定石だと思うが、側道があったならばこれを最大限活用することだ。具体的には、側道と店舗敷地の間に障害となるものは何も設置しないことだ(破線)。この店の場合、看板をわざと間口の中央に設置することで、車の進入にも退出にも広い間口が確保され、車の出入りがひじょうに楽になっている(矢印)。
店7のここを教訓とせよ 図3
誤ったセオリーがある。①住宅密集地であれば良い。②店前道路幅は広ければ良い。③角地であれば良い。しかし、これら3条件を満たしても、人々が店前を通る必然性がなかったり、道路が行き止まりになっていたりすれば、ほとんど意味をなさない。
近未来予測
この地域は、1年で7店から3増2減して8店になっていますが、今後もこうした一進一退は続くでしょう。空き地や駐車場になっている場所が有効活用され、立川駅にも近いこともあって住民が増加すると予測されますが、立地を外した店舗は他の店の影響を大きく受けて撤退せざるを得なくなるからです。
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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立川駅から南武線の隣駅 西国立
西国立駅は立川駅から南武線の隣駅で、その乗降数は19,498人(※注)、500m圏人口は10,986人と少ない中、10店舗が競争する激戦地です。
駅周辺のほとんどは駅から500m近く離れており、その効果が直接届かない店ばかりです。そこで、今回は地域を3ゾーンに分けて立地を見てまいります。
[A]ゾーン(立川通り沿い)
店1(セブンイレブン)は、立川駅南口の最も栄えた商店街の延長線上で、中央線線路を南北に貫く利便性の高い道路、立川通りとの交差点にほど近い場所に位置しています。
駐車場8台分のスペース、加えて広い間口を有しているため、通行人のみならず広域から車での来店が期待できる立地です。残念ながら、両隣にビルがあるため店側通行車からの視界性にやや難があります。
店2(ファミリーマート)は、店1と店3に挟まれた上に、人々が店前を通る必然性に欠け、また駐車場がないため車客の吸引もできません。きわめて難しい立地です。すでに閉店しています。
店3(セブンイレブン)は、立川とそこから3km離れた国立の南側地域をほぼ直線的に繋いでいる利便性が高い自動車道路との交差点角地に位置しています。歩道も整備されており、この交差点が周辺で最も強いTG(交通発生源)になっていることが、駐車場がない不利をじゅうぶんカバーしています。
[B]ゾーン(錦通り沿い)
店4(ローソン)は錦通りに面しているものの、車道幅が狭く、切り下げ(進入間口)も4・8mと狭く、3台分の駐車場しかありません。ただし、すぐ近くに客室数100を超えるホテルや20階建てのマンションがあり周辺需要は高い状況です。加えて、信号付き横断歩道がほぼ直前にあるため、店の後背ばかりでなく、前面の人々の到達が容易です。まずまずの立地と言えます。
店5(ローソンストア100)は、さらに間口が狭いばかりか、駐車場がありません。また、店の後背にある自動車教習所は大きなTGではありませんが、立川駅からの送迎バスで生徒を往復させているためそのポテンシャルを吸引できません。難しい立地です。
店6(セブンイレブン)は、広い駐車場(車13台分)を持ち、間口も広く、かつ店前に、信号付き横断歩道を有しており、車客も徒歩客も来店しやすい申し分のない立地にあります
[C]ゾーン(住宅街)
店7(チコマート)の立地は、よく陥りやすい誤った考えで出店してしまったのでしょう、すでに閉店しております。
店8(ファミリーマート)は、店3と同じ道路に沿っているものの、こちらには9台分の広い駐車場があり、かつ、道路がカーブしているため店側車線からの視界性も良好な上、交差点角地にあります。好条件を備えており良好な立地であると言えます。
店9(ローソン)は、一見何の変哲もない住宅街の十字路に出店しているように見えますが、店前道路は、店3や店8の面する道路とほぼ並行に走っている抜け道的役割を果たしている道路です。信号機が少ないのでむしろ利便性はこの道のほうが高いと言えるでしょう。したがって、駐車場9台分とゆったり取れていることが、この立地を良好にしています。
店10(ファミリーマート)は、唯一、西国立駅の強い影響を受ける立地にあります。周辺には、大きな総合病院や14階建ての大きなマンションなどがあり、今なおポテンシャルは増加の一途を辿っています。
店1のここを学べ 図2
側道を活用せよ
ほとんど定石だと思うが、側道があったならばこれを最大限活用することだ。具体的には、側道と店舗敷地の間に障害となるものは何も設置しないことだ(破線)。この店の場合、看板をわざと間口の中央に設置することで、車の進入にも退出にも広い間口が確保され、車の出入りがひじょうに楽になっている(矢印)。
店7のここを教訓とせよ 図3
誤ったセオリーがある。①住宅密集地であれば良い。②店前道路幅は広ければ良い。③角地であれば良い。しかし、これら3条件を満たしても、人々が店前を通る必然性がなかったり、道路が行き止まりになっていたりすれば、ほとんど意味をなさない。
近未来予測
この地域は、1年で7店から3増2減して8店になっていますが、今後もこうした一進一退は続くでしょう。空き地や駐車場になっている場所が有効活用され、立川駅にも近いこともあって住民が増加すると予測されますが、立地を外した店舗は他の店の影響を大きく受けて撤退せざるを得なくなるからです。
※注 2008年度、駅別乗降者数総覧‘11(株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所)より