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都会で3強が激戦 東中野駅
都会の人口密集地で3強が激戦 東中野駅
今回は、新宿駅から近くて人口が密集しており、500圏内で人口が17545人と前回の東小金井の2倍以上ある東中野駅周辺を取り上げます。ここではセブン、ローソン、ファミリーマートの3強をが多数出店し、激突しています。ここは1店当りの支持人口は1、247人しかいません。500m圏に14店、その周辺を含めると20店あります。
A.駅前商店街(仮称)駅までの距離と視界性で激戦中(6店舗)
駅の東改札を出て、南に階段を降りるとすぐ目の前に、店舗1が出店しています。
ここを通るほぼ100%の人が知覚することができ、入店も間口が2か所あってひじょうに容易です。言うまでもなく、ここはベストです。5点満点で立地を総合評価するとしたら4点です。1点の減点は、この駅口の利用者はほかに比べた少なさです。また、他の大きなTGが見当たらないためです。
その南に道なりに向かうと、店舗2が出店しています。
この商店街はふだんから人通りが少なく、むしろ自動車の往来が多いような道路です。したがって、店が道路の両方向少なくとも100m以上手前から知覚できるなら良いのですが、道路がカーブしていてそれは困難です。また、やや駅側にY字形の信号付交差点がありますがここからの視界性もよくありません。ここの評価は1です。
さらに南下すると、店舗3があります。
ここも視界性がよくありません。しかし、この店を囲むように10階建て以上の中高層マンションが新築されていますので、これがPC(ポテンシャルクラスター:需要集合体)となっています。この評価は2です。
さて、駅を北に出てこの商店街を行くと、最初の交差点(TG)に面して、店舗20と店舗21が出店しています。
いずれも駅から来る人々には視界性がよく、店舗の存在に気づかない人はいないでしょう。
店舗20は評価3を与えられますが、店舗21は駅とは反対方向から近づいてくる人には全く見えません。
ですから評価は2になります。
店舗19は駅から500m以上離れているばかりか、TGとなる交差点もなく立地評価の付けようがない場所です。この1年の間に閉店してしまいました。
B.大久保通り 自動車をとるか、歩行者だけでいくか。競争は弱い2店舗。
駅からの距離は500m以上、ここまで来ると、駅の影響はほとんどありません。むしろ、大久保通りを走る自動車客をいかにキャッチすることができるかが問われます。その点では、店舗4には、狭いながら2台分の駐車場があります。また、通りを東から西へ向けて走る自動車からの視界性は良好です。評価は3を付けられます。
これに対して、店舗5には駐車場がありません。店前はバス停になっていることもあって、駐停車もできません。
山手通りとの交差点は歩行者が集まって来るTGがあり、ここからの視界性が良いので、この立地ならば評価3を付けられます。
C.山手通り 車は無視できないが、TGの有無が立地の良否を決める大激戦
山手通りは、言うまでもなく、東京の大動脈の一つです。広域から自動車が集まり通過していきます。そういう意味では、駐車場があることが立地上大きな優位になります。しかし、ここのような都心ではそれはきわめて難しいことです。
ですから、車はあきらめて、周辺住民が徒歩や自転車でやって来てくれそうか見ます。
具体的に言えば、信号のある横断歩道、交差点や鉄道駅のようなTGがあるかどうかです。
この点、店舗6はそうしたTGがありませんので、評価は1です。
店舗7も店舗8も店の直前が、信号のある横断歩道=TGです。
しかも、この2店舗は、駅から来ると信号で立ち止まってよく見える西側に位置していますので、帰宅時の心理的に余裕のある人々が訪れることが多い立地になります。店舗7の評価は3、より駅に近い店舗8は4を付けられます。
店舗9は、横断歩道まで30メートルほど離れていますので、評価は3です。
店舗10はTGは駅との間にあるスーパーマーケット「サミット」や公設駐輪場があって、そういう人達が容易に寄ることができますので、評価は3を付けても良いでしょう。
店舗11は、物件は半地階ですが、駅西口改札(TG)を北側に出た時の正面に位置しております。もちろん、その出入り口からの視界性は良好ですので、ここは5点=満点です。
さらに、北上しますと、早稲田通りとの交差点に面するように、店舗15と店舗16が出店しています。
店舗16は、地下鉄出入り口にも隣接していますので、ここも文句なく評価は5点。
交差点から150m離れたところに店舗17がありますが、ここはTGも動線もありません。これでは立地評価は1とせざるを得ません。
D.ギンザ通り 生業店がひしめく商店街を独り占めする1店舗
ここには、店舗12が出店していますが、この商店街を利用している人や周辺に住む人しか来ることができません。
他の街からの流入はありませんが、北へと住宅は続いていますので人通りは絶えることはありません。店の前を通る限り、店を知覚しない人はいませんので、通行人からの視界性も良好です。この商店街の入り口付近に同業店がないことから、コンビニとしての立地評価は3を付けられます。
E.早稲田通り 通行人をいかに惹きつけるか 3店舗各様の戦い方 店舗13は、規模は小さいながら交差点の横断歩道(TG)の直前にあります。したがって、評価は3を付けられます。
その東隣り70mのところに店舗14が出店しています。
しかし、ここには交差点はありません。ただ、よく見ると店の東17mには、地下鉄の出入り口があり、西側に隣接するように、専門学校があります。生徒数は約1000人ですから、この学校と駅口との動線上に店は位置していることになります。これは優位点です。したがって、評価も3です。
早稲田通りと、最初に書いたA駅前商店街との交差点に店舗18が出店しています。
強いTGに面しているので評価4を付けることができます。
総括
しばらく、再開発とは縁の薄かった東中野駅も、97年に地下鉄大江戸線の駅が近接して開設され、山手通りの拡幅工事が仕上がり、さらに、大きな駅ビルも近々完成する予定となっています。今後、この駅周辺への流入が増え、活発になってていくでしょう。しかし、当分は、明らかにコンビニ数が過剰で、立地評価の低い店舗は苦戦を強いられていると推測されます。すでに閉店した店を含め、3割程度が移転、撤退を余儀なくされる可能性が高いと予測されます。
プロフィール】
はやしはら やすのり 東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。http://www.sorb.co.jp
東中野駅周辺のコンビニ 立地状況
駅前商店街
23/06/12
22/05/20
21/12/30
21/08/04
21/08/03
21/08/01
21/07/31
21/07/10
21/07/09
21/07/08
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都会の人口密集地で3強が激戦 東中野駅
今回は、新宿駅から近くて人口が密集しており、500圏内で人口が17545人と前回の東小金井の2倍以上ある東中野駅周辺を取り上げます。ここではセブン、ローソン、ファミリーマートの3強をが多数出店し、激突しています。ここは1店当りの支持人口は1、247人しかいません。500m圏に14店、その周辺を含めると20店あります。
A.駅前商店街(仮称)駅までの距離と視界性で激戦中(6店舗)
駅の東改札を出て、南に階段を降りるとすぐ目の前に、店舗1が出店しています。
ここを通るほぼ100%の人が知覚することができ、入店も間口が2か所あってひじょうに容易です。言うまでもなく、ここはベストです。5点満点で立地を総合評価するとしたら4点です。1点の減点は、この駅口の利用者はほかに比べた少なさです。また、他の大きなTGが見当たらないためです。
その南に道なりに向かうと、店舗2が出店しています。
この商店街はふだんから人通りが少なく、むしろ自動車の往来が多いような道路です。したがって、店が道路の両方向少なくとも100m以上手前から知覚できるなら良いのですが、道路がカーブしていてそれは困難です。また、やや駅側にY字形の信号付交差点がありますがここからの視界性もよくありません。ここの評価は1です。
さらに南下すると、店舗3があります。
ここも視界性がよくありません。しかし、この店を囲むように10階建て以上の中高層マンションが新築されていますので、これがPC(ポテンシャルクラスター:需要集合体)となっています。この評価は2です。
さて、駅を北に出てこの商店街を行くと、最初の交差点(TG)に面して、店舗20と店舗21が出店しています。
いずれも駅から来る人々には視界性がよく、店舗の存在に気づかない人はいないでしょう。
店舗20は評価3を与えられますが、店舗21は駅とは反対方向から近づいてくる人には全く見えません。
ですから評価は2になります。
店舗19は駅から500m以上離れているばかりか、TGとなる交差点もなく立地評価の付けようがない場所です。この1年の間に閉店してしまいました。
B.大久保通り 自動車をとるか、歩行者だけでいくか。競争は弱い2店舗。
駅からの距離は500m以上、ここまで来ると、駅の影響はほとんどありません。むしろ、大久保通りを走る自動車客をいかにキャッチすることができるかが問われます。その点では、店舗4には、狭いながら2台分の駐車場があります。また、通りを東から西へ向けて走る自動車からの視界性は良好です。評価は3を付けられます。
これに対して、店舗5には駐車場がありません。店前はバス停になっていることもあって、駐停車もできません。
山手通りとの交差点は歩行者が集まって来るTGがあり、ここからの視界性が良いので、この立地ならば評価3を付けられます。
C.山手通り 車は無視できないが、TGの有無が立地の良否を決める大激戦
山手通りは、言うまでもなく、東京の大動脈の一つです。広域から自動車が集まり通過していきます。そういう意味では、駐車場があることが立地上大きな優位になります。しかし、ここのような都心ではそれはきわめて難しいことです。
ですから、車はあきらめて、周辺住民が徒歩や自転車でやって来てくれそうか見ます。
具体的に言えば、信号のある横断歩道、交差点や鉄道駅のようなTGがあるかどうかです。
この点、店舗6はそうしたTGがありませんので、評価は1です。
店舗7も店舗8も店の直前が、信号のある横断歩道=TGです。
しかも、この2店舗は、駅から来ると信号で立ち止まってよく見える西側に位置していますので、帰宅時の心理的に余裕のある人々が訪れることが多い立地になります。店舗7の評価は3、より駅に近い店舗8は4を付けられます。
店舗9は、横断歩道まで30メートルほど離れていますので、評価は3です。
店舗10はTGは駅との間にあるスーパーマーケット「サミット」や公設駐輪場があって、そういう人達が容易に寄ることができますので、評価は3を付けても良いでしょう。
店舗11は、物件は半地階ですが、駅西口改札(TG)を北側に出た時の正面に位置しております。もちろん、その出入り口からの視界性は良好ですので、ここは5点=満点です。
さらに、北上しますと、早稲田通りとの交差点に面するように、店舗15と店舗16が出店しています。
店舗16は、地下鉄出入り口にも隣接していますので、ここも文句なく評価は5点。
交差点から150m離れたところに店舗17がありますが、ここはTGも動線もありません。これでは立地評価は1とせざるを得ません。
D.ギンザ通り 生業店がひしめく商店街を独り占めする1店舗
ここには、店舗12が出店していますが、この商店街を利用している人や周辺に住む人しか来ることができません。
他の街からの流入はありませんが、北へと住宅は続いていますので人通りは絶えることはありません。店の前を通る限り、店を知覚しない人はいませんので、通行人からの視界性も良好です。この商店街の入り口付近に同業店がないことから、コンビニとしての立地評価は3を付けられます。
E.早稲田通り 通行人をいかに惹きつけるか 3店舗各様の戦い方
店舗13は、規模は小さいながら交差点の横断歩道(TG)の直前にあります。したがって、評価は3を付けられます。
その東隣り70mのところに店舗14が出店しています。
しかし、ここには交差点はありません。ただ、よく見ると店の東17mには、地下鉄の出入り口があり、西側に隣接するように、専門学校があります。生徒数は約1000人ですから、この学校と駅口との動線上に店は位置していることになります。これは優位点です。したがって、評価も3です。
早稲田通りと、最初に書いたA駅前商店街との交差点に店舗18が出店しています。
強いTGに面しているので評価4を付けることができます。
総括
しばらく、再開発とは縁の薄かった東中野駅も、97年に地下鉄大江戸線の駅が近接して開設され、山手通りの拡幅工事が仕上がり、さらに、大きな駅ビルも近々完成する予定となっています。今後、この駅周辺への流入が増え、活発になってていくでしょう。しかし、当分は、明らかにコンビニ数が過剰で、立地評価の低い店舗は苦戦を強いられていると推測されます。すでに閉店した店を含め、3割程度が移転、撤退を余儀なくされる可能性が高いと予測されます。
プロフィール】
はやしはら やすのり
東京大学卒業後、日本マクドナルドで「立地と売上予測」を基礎研究し実践応用。 現在はチェーン展開する多くの企業や起業家をコンサルティングしている。毎月開催しているセミナー“立地道場”は個人にも店舗開発プロにも人気がある。http://www.sorb.co.jp
東中野駅周辺のコンビニ 立地状況
駅前商店街