駅の近くの立地で出店する・ベスト中のベスト

②セブン中央区役所前店
この店の最大のＴＧは、地下鉄有楽町線「新富町駅」である。店舗は、その駅口の一つに付けて立地している。ここも、原理・原則を外していない。
特に、この地域は周囲を、八丁堀駅（４５千人）、築地駅（７８千人）、東銀座駅（８９千人）、銀座一丁目駅（３７千人）、宝町駅（１９千人）に囲まれており、人々の行動方向はそれぞれの駅に向けて分散している。
もし、新富町駅口に付けていなければ、半径２００ｍ円内のポテンシャルでさえ、その吸引は難しくなるのは明らかである。
ＴＧはもう一つある。それは、「中央区役所」である。これが変形の交差点を挟んで反対側にあり、その玄関口からセブンを知覚できる。
実は、新富町は小さいながら商店街を形成しており、その中心部には既にＡＭＰＭが出店している。小規模ながら時代物のビル１Ｆ部分をうまく改良して出店している。
しかし、ＡＭＰＭの方は駅から１００ｍ離れている。ほぼベストでセブンが出店されたためそのダメージは大きいだろう。
この例に漏れず、後発で出店する時は競合店に優る立地を選び、先発で出店する時は、自店より優位な立地がないことを確認して出店することが肝要である。
この近くで、もう一ヶ所ベストを挙げるとすれば、この駅の東側出入口の交差点角地である。この場所なら東方向へほぼ５００ｍ続く商圏が確保できるからである。
余談になるが、上記２店とも、高齢者の比率が著しく高い（各２７・６％、２４・７％／全国平均１４・５％）。今後の日本の消費構造を支えるのは高齢者である。したがって、将来を考えたさまざまな試行錯誤を行うにはうってつけの立地でもある。

③セブン赤坂１丁目店
中央区役所店同様、駅口の直近に出店している（溜池山王駅、新駅）。加えて、もう一つのＴＧは、高速道路下の大きな交差点である。
その交差点から、この店を知覚することができる。さらにマクロに見れば、物件の南には全日空ホテル、アークヒルズなど有名な大規模施設があり、北側・西側には赤坂の商業集積地域が広がる。したがって、店前はこれらを結ぶ主動線でもある。
この場所は、大手ファストフードにとっても垂涎の的に違いない、ベスト中のベストとも言える。こうした場所をリクルーター個人の力に依らず難なく契約できたとすれば、その情報収集力に敬服せざるを得ない。
物件は森ビル管理のテナント出店であるが、日本有数のビル保有企業との何らかの提携ができているのだろうか。