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月~金 9:00~18:00
売上アップを実現できるアンケート調査の方法
来店したお客様の意見を聞き、より良いお店を作って、売上げアップ。
これが、 「お客様アンケート」の目的です。
ところで、この「お客様アンケート」誰が始めたかわかりませんが、どこのチェーン店に行っても、テーブルに置いている。こういう方法で取ろうとするアンケートは、 無意味です。
決して、お客様の本音を引き出すことはできず、ましてやお店の運営に役立つことありません。
ただテーブルの上に置いてあるアンケートに、積極的に答えようとする人は、どれくらいいるか?
ほとんどのお客様は、アンケートに気付かないか、気付いてもわざわざ時間を使って記入しようとは考えません。
こうしたものに記入をしてくれるのは、お店を気に入ってくれていて、よりよくなってほしいと考える、いわば「ロイヤルカスタマー」と言えるお客様だけです。
ですから、こうした一部のお客様の意見だけを吸い上げても、正しい「顧客の意見」は見えてきません。
では、 目的にそったお客様アンケートをするには、どうしたら良いか。そのポイントを、10箇条として、まとめました。
第1条 従業員が直接やりとりをすること
お客様アンケートは、お店の人がお客様に、直接手渡ししてお願いすることです。
「もっとお客様に喜んでもらえるお店にしたいと思っております。アンケートにご協力いただけますか? 」
この一言を添えてお渡しします。これがあるとないとでは、回答の正確さと誠実さはまったく違ってきます。
第2条 期間や時間を決めておこなうこと
お客様アンケートは、年がら年中毎日やるものではありません。期間を決めてその期間の間だけ行います。一番のお勧めは1週間です。 平日は月曜日から金曜日。土曜日や日曜日もやりましょう。 お店が休みでない日は全部です。それに、実施する時間も設定が必要です。オープン後から、ランチタイムなどの忙しい時間、そしてアイドルタイムのやや暇な時間も、まんべんなくおこなってください。
第3条 来店したお客様の全員に対しておこなうこと
来店された人、全員に対して行いましょう。アンケート結果の偏りをなくすため、これは大切なことです。
「うちは女性客がターゲットだから、男性客の意見は聞かなくてもいい」 など、 間違っても思ってはいけません。
なお、例えばですが・・・・ちょっと怖そうな顔したお客さんだと、聞くのがはばかられるかもしれません。 また、小学生の子供に聞いても意味がない、と思えてしまうかもしれません。
しかし、そういった人々にも、 しっかり、アンケートを取るようにしてください。
「あの人は取らなくていい」「この人は取る」そういった選り好みをしているうちに、 アンケートの内容に偏りが生まれ、どんどん意味の薄いものになってしまいます。
第4条 きっぱり答えられる質問を用意すること
次は、肝心のアンケートの中身についてです。
よく見かける「○○はどうですか?」形式のアンケートは、実はお客様にとって答えにくいものです。
自由記入ですと、どんなことを書こうか、文章を考える手間が発生して書きにくいですし、「良い」と答えるべきか、「ほぼ良い」と答えるべきか、迷ってしまったり、お店の人に対する遠慮もうまれやすいものです。
そこで、きっぱり答えられる質問を用意することをお勧めします。
基本的には、 何でも「5段階評価で言うとどれですか」と、 選択制にしてしまうことです。
例えば、「お店の清潔さ」「サービスの質」などなど・・・・5段階評価であれば、お客様は自分の感覚と合う数字に、マルをつけるだけで終わります。
こうしておくと、 お客様が答えやすいのみならず、アンケートを集計する時にも、便利です。
例えば、男女別や年齢層別に平均値を算出すれば、どんな層の方々がどんな感想を持っているのか、一目で分かるようなデータが取れます。
第5条 絶対に無理強いしないこと
お客様に嫌がられることはあまりないことなのですが、そういうことがあってもおかしくはありません。
そういう場合は、「ありがとうございます。失礼いたします」と言って早々に引き下がることです。
それほどお客様に負担はかけないものであれば、なんとかお答えいただきたいところでしょうが、そこで押してしまってはいけません。
なお、当然のことですが、「何だよ。一昨日も同じこと聞かれたよ」と言われた場合もきちんと謝罪しましょう。
同じお客様に二度聞いてしまうことも、起こり得ることです。
「申し訳ございません。先日はご協力ありがとうございました」 ときちんとお伝えして引き下がれば、問題が発生することはほぼありません。
第6条 5W1Hを使って自由記入欄を作ること
第4条にあるように、アンケート内容はまず、答えやすい選択制のものであることが望ましいですが、それだけでは、お客様の本音を聞き出しきることはできません。
したがって、 より深い部分の本音を聞き出すには、5W1Hを聞くような質問を作るようにしましょう。
5W1Hとは、例えば以下のような質問です。
「お客様はどのようなところ(What)がお店で気に入っていますか? 」 「お客様はどうしたら(How)もっと気軽に入ってこられますか?」のような感じですね。
こうした質問を設けた上で、アンケート回答用紙に、大きな四角の解答欄を書いておくことです。 そうするとお客様は思う存分、書きたいことを書けるようになります。
勿論、こうした自由記入欄だけではいけません。 第4条のような選択制の質問があってこそ、こうした自由記入欄に意見を書いてもらいやすくなるのです。
第7条 個人を特定できる情報は聞かないこと
今は個人情報の保護をとても大切にする時代です。
ですから、質問がお客様の個人情報につながらないように工夫しなければいけません。
Wikipediaによると、「個人情報とは、 生存する個人に関する情報であって、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるもの」と定義されています。
ですから、名前や住所、電話番号は聞いてはいけません。 しかし、裏を返せば、 「特定の個人が識別」されなければ、個人情報にはならない、ということでもあります。
ですので、例えば、お名前を聞く代わりに、「性別と年齢階級(5才刻み)」を聞きます。
お客様の所在の正確な位置まで分からなくても、エリアさえ分かれば商圏分析には十分です。
第8条 立地に関する質問を入れること
見たところ、これが抜けているアンケートが多く、それでは非常にもったいないと言えます。
立地に関する質問を入れるだけで、売上げをアップさせるヒントがたくさん見つかります。
アンケートはお店の中身(営業)について聞くものと思われがちですが、決してそれだけに留まるものではないのです。
お客様アンケートからできる立地改善が、数多くあります。
では、立地の質問とは具体的にどんなことを聞いたら良いでしょうか。
それは、以下の3つについて聞けていれば、十分です。
①この店に来る直前にいた場所 ②この店を出た直後に行く場所 ③お客様が住んでいる地名
例えば、
Q.「お客様は当店にいらっしゃる前にどちらにいましたか? 」
というような質問項目を作り、その回答として、以下のような選択肢を作っておきます。
・自宅 ・知人/友人/親戚宅 ・勤務先 ・学校 ・所用先/買い物先 ・30分以上運転していた ・その他
です。 そして、所用先や買い物先とお答えになった方には、 「差し支えなければその場所を教えてください」とお聞きします。
そこで答えていただいた場所(施設)が、あなたのお店にとってのTGとなっている可能性があります。
それが分かれば、そのTGとのタイアップで販促をすることで、売上げがアップすることを期待できるでしょう。
第9条 地図を一緒につけておくこと
これは、第8条に繋がる話です。
「その場所を教えてください」と聞いても、それが自宅ならともかく、それ以外の場所の地名はなかなか覚えていないものです。
そこで、 お店周辺の簡単な地図を用意しておくと良いでしょう。 インターネットで簡単に入手できる、Google Mapを印刷したようなもので十分です。
第10条 質問の数は適切にすること
アンケート用紙の質問は、多すぎても少なすぎてもいけません。
だいたい、7問から10問くらいがベストです。
多少増えても構いませんが、20問以上になると、お客様にかかる心理的な負担が大きすぎます。 よほど大きな見返り(謝礼金など)がないと、正確には答えてくれないでしょう。
これは、用紙を渡して答えていただくものでも、店員が直接お聞きするものでも、同じです。
以上が、アンケート作りの10箇条です。
こうしたことをきちんと踏まえることで、実施する意味のあるアンケートが作れます。
なお、当然のことですが、アンケートは、お客様に聞いたらそれで終わり、というものではありません。
お客様が、どの質問にどう答えたか、 集計する必要があります。
この集計をしても、特に何の傾向も読み取れなければ、意味あるアンケート調査をしたことにはなりません。
そんな悲惨なことにならないために、上の10箇条はあります。 よく守るよう、 心がけていただきたいものです。
また、こうして実施されたアンケートは、いったい何件の結果が得られれば良いのでしょうか。
ベストは1000件です。
統計的に十分優位と見られるのは、それくらいの数が集まった時です。
しかし現実的に、一日のお客様が100人にも満たない、というような場合もあるでしょう。
そうした小型店にとっては、難しいハードルかも知れません。
その時は、何度も実施して、集められた数が300以上になれば、 まずは合格としましょう。
ただし、100や200では、答えに偏りが出る場合が多く、本当に正しいお客様の意見が聞けた、 とは言い切れません。
なるべく多くを集められるよう、そこは工夫と努力が必要ですね。
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決して、お客様の本音を引き出すことはできず、ましてやお店の運営に役立つことありません。
ただテーブルの上に置いてあるアンケートに、積極的に答えようとする人は、どれくらいいるか?
ほとんどのお客様は、アンケートに気付かないか、気付いてもわざわざ時間を使って記入しようとは考えません。
こうしたものに記入をしてくれるのは、お店を気に入ってくれていて、よりよくなってほしいと考える、いわば「ロイヤルカスタマー」と言えるお客様だけです。
ですから、こうした一部のお客様の意見だけを吸い上げても、正しい「顧客の意見」は見えてきません。
では、 目的にそったお客様アンケートをするには、どうしたら良いか。そのポイントを、10箇条として、まとめました。
第1条 従業員が直接やりとりをすること
お客様アンケートは、お店の人がお客様に、直接手渡ししてお願いすることです。
「もっとお客様に喜んでもらえるお店にしたいと思っております。アンケートにご協力いただけますか? 」
この一言を添えてお渡しします。これがあるとないとでは、回答の正確さと誠実さはまったく違ってきます。
第2条 期間や時間を決めておこなうこと
お客様アンケートは、年がら年中毎日やるものではありません。期間を決めてその期間の間だけ行います。一番のお勧めは1週間です。
平日は月曜日から金曜日。土曜日や日曜日もやりましょう。 お店が休みでない日は全部です。それに、実施する時間も設定が必要です。オープン後から、ランチタイムなどの忙しい時間、そしてアイドルタイムのやや暇な時間も、まんべんなくおこなってください。
第3条 来店したお客様の全員に対しておこなうこと
来店された人、全員に対して行いましょう。アンケート結果の偏りをなくすため、これは大切なことです。
「うちは女性客がターゲットだから、男性客の意見は聞かなくてもいい」
など、 間違っても思ってはいけません。
なお、例えばですが・・・・ちょっと怖そうな顔したお客さんだと、聞くのがはばかられるかもしれません。
また、小学生の子供に聞いても意味がない、と思えてしまうかもしれません。
しかし、そういった人々にも、 しっかり、アンケートを取るようにしてください。
「あの人は取らなくていい」「この人は取る」そういった選り好みをしているうちに、
アンケートの内容に偏りが生まれ、どんどん意味の薄いものになってしまいます。
第4条 きっぱり答えられる質問を用意すること
次は、肝心のアンケートの中身についてです。
よく見かける「○○はどうですか?」形式のアンケートは、実はお客様にとって答えにくいものです。
自由記入ですと、どんなことを書こうか、文章を考える手間が発生して書きにくいですし、「良い」と答えるべきか、「ほぼ良い」と答えるべきか、迷ってしまったり、お店の人に対する遠慮もうまれやすいものです。
そこで、きっぱり答えられる質問を用意することをお勧めします。
基本的には、 何でも「5段階評価で言うとどれですか」と、
選択制にしてしまうことです。
例えば、「お店の清潔さ」「サービスの質」などなど・・・・5段階評価であれば、お客様は自分の感覚と合う数字に、マルをつけるだけで終わります。
こうしておくと、 お客様が答えやすいのみならず、アンケートを集計する時にも、便利です。
例えば、男女別や年齢層別に平均値を算出すれば、どんな層の方々がどんな感想を持っているのか、一目で分かるようなデータが取れます。
第5条 絶対に無理強いしないこと
お客様に嫌がられることはあまりないことなのですが、そういうことがあってもおかしくはありません。
そういう場合は、「ありがとうございます。失礼いたします」と言って早々に引き下がることです。
それほどお客様に負担はかけないものであれば、なんとかお答えいただきたいところでしょうが、そこで押してしまってはいけません。
なお、当然のことですが、「何だよ。一昨日も同じこと聞かれたよ」と言われた場合もきちんと謝罪しましょう。
同じお客様に二度聞いてしまうことも、起こり得ることです。
「申し訳ございません。先日はご協力ありがとうございました」
ときちんとお伝えして引き下がれば、問題が発生することはほぼありません。
第6条 5W1Hを使って自由記入欄を作ること
第4条にあるように、アンケート内容はまず、答えやすい選択制のものであることが望ましいですが、それだけでは、お客様の本音を聞き出しきることはできません。
したがって、 より深い部分の本音を聞き出すには、5W1Hを聞くような質問を作るようにしましょう。
5W1Hとは、例えば以下のような質問です。
「お客様はどのようなところ(What)がお店で気に入っていますか? 」
「お客様はどうしたら(How)もっと気軽に入ってこられますか?」のような感じですね。
こうした質問を設けた上で、アンケート回答用紙に、大きな四角の解答欄を書いておくことです。
そうするとお客様は思う存分、書きたいことを書けるようになります。
勿論、こうした自由記入欄だけではいけません。
第4条のような選択制の質問があってこそ、こうした自由記入欄に意見を書いてもらいやすくなるのです。
第7条 個人を特定できる情報は聞かないこと
今は個人情報の保護をとても大切にする時代です。
ですから、質問がお客様の個人情報につながらないように工夫しなければいけません。
Wikipediaによると、「個人情報とは、 生存する個人に関する情報であって、その情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるもの」と定義されています。
ですから、名前や住所、電話番号は聞いてはいけません。
しかし、裏を返せば、 「特定の個人が識別」されなければ、個人情報にはならない、ということでもあります。
ですので、例えば、お名前を聞く代わりに、「性別と年齢階級(5才刻み)」を聞きます。
お客様の所在の正確な位置まで分からなくても、エリアさえ分かれば商圏分析には十分です。
第8条 立地に関する質問を入れること
見たところ、これが抜けているアンケートが多く、それでは非常にもったいないと言えます。
立地に関する質問を入れるだけで、売上げをアップさせるヒントがたくさん見つかります。
アンケートはお店の中身(営業)について聞くものと思われがちですが、決してそれだけに留まるものではないのです。
お客様アンケートからできる立地改善が、数多くあります。
では、立地の質問とは具体的にどんなことを聞いたら良いでしょうか。
それは、以下の3つについて聞けていれば、十分です。
①この店に来る直前にいた場所
②この店を出た直後に行く場所
③お客様が住んでいる地名
例えば、
Q.「お客様は当店にいらっしゃる前にどちらにいましたか? 」
というような質問項目を作り、その回答として、以下のような選択肢を作っておきます。
・自宅
・知人/友人/親戚宅
・勤務先
・学校
・所用先/買い物先
・30分以上運転していた
・その他
です。
そして、所用先や買い物先とお答えになった方には、 「差し支えなければその場所を教えてください」とお聞きします。
そこで答えていただいた場所(施設)が、あなたのお店にとってのTGとなっている可能性があります。
それが分かれば、そのTGとのタイアップで販促をすることで、売上げがアップすることを期待できるでしょう。
第9条 地図を一緒につけておくこと
これは、第8条に繋がる話です。
「その場所を教えてください」と聞いても、それが自宅ならともかく、それ以外の場所の地名はなかなか覚えていないものです。
そこで、 お店周辺の簡単な地図を用意しておくと良いでしょう。
インターネットで簡単に入手できる、Google Mapを印刷したようなもので十分です。
第10条 質問の数は適切にすること
アンケート用紙の質問は、多すぎても少なすぎてもいけません。
だいたい、7問から10問くらいがベストです。
多少増えても構いませんが、20問以上になると、お客様にかかる心理的な負担が大きすぎます。
よほど大きな見返り(謝礼金など)がないと、正確には答えてくれないでしょう。
これは、用紙を渡して答えていただくものでも、店員が直接お聞きするものでも、同じです。
以上が、アンケート作りの10箇条です。
こうしたことをきちんと踏まえることで、実施する意味のあるアンケートが作れます。
なお、当然のことですが、アンケートは、お客様に聞いたらそれで終わり、というものではありません。
お客様が、どの質問にどう答えたか、 集計する必要があります。
この集計をしても、特に何の傾向も読み取れなければ、意味あるアンケート調査をしたことにはなりません。
そんな悲惨なことにならないために、上の10箇条はあります。
よく守るよう、 心がけていただきたいものです。
また、こうして実施されたアンケートは、いったい何件の結果が得られれば良いのでしょうか。
ベストは1000件です。
統計的に十分優位と見られるのは、それくらいの数が集まった時です。
しかし現実的に、一日のお客様が100人にも満たない、というような場合もあるでしょう。
そうした小型店にとっては、難しいハードルかも知れません。
その時は、何度も実施して、集められた数が300以上になれば、 まずは合格としましょう。
ただし、100や200では、答えに偏りが出る場合が多く、本当に正しいお客様の意見が聞けた、
とは言い切れません。
なるべく多くを集められるよう、そこは工夫と努力が必要ですね。
私は、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
有)ソルブ 林原安徳
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