しかし、売上予測には向かない「キャッチ率法」

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しかし、売上予測には向かない「キャッチ率法」

売上予測

2018/12/28 しかし、売上予測には向かない「キャッチ率法」

そして、人です。
男と女を分けて計測する。では、自転車で通りかかる人は計測対象に入れますか?自転車を押して歩く人はどうでしょう?車椅子に乗った人は?乳母車に乗った幼児はどうですか?いずれも自分で歩いていません。含めるとしたら、親に抱っこされた子供は数えますか?お腹の大きなお母さんはどうしましょう。2人と数えますか?
よく起きる問題は、子供がイタズラして、何度も何度も同じ計測員の前を横切ることです。イタズラではないにしても、同じ人が、搬出入など何かの理由で何度も往復することはありえます。私は、目の前を何百人と言うお神輿担ぎの人や関係者に通過されたことがあります。デモだってあります。
計測対象をしっかり決めておかなければ、「常識の範囲」という範囲は計測者によってマチマチになってしまいます。
③計測時の難
そこまで、厳密に決めたとしても、最後はこの問題が残ります。同じ計測場所で同じ時間帯、自動車を計測しても、計測結果は決して同じになりません(図表3)。

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計測によって2,3割の違いが出ても不思議ではありません。道路にしても、街にしても、まったく状況が同じ日などという日は1日ないからです。常に毎日が異なります。「似てる」だけに過ぎません。時には、「似てさえもない」日があります。
その中のたった一日、しかも、一部の時間だけ取り出して、交通量を計測する意味がどこにあるのでしょう。そんなに正確にしたいなら、店をオープンした後、一日中計測することです。そうすれば、少なくとも、その日の計測結果ですから、事実として正確なはずです。でも、これでは、意味がありませんね。

 

キャッチ率はどうやって算出するのか
こうして交通量には3つの難があることが分かりました。つまり、交通量とは、とってもあやふやな数値で、これを「事実」として扱うのは避けたほうが無難です。一つの目安でしかありません。
その目安に、キャッチ率を掛ける。そして、やはり、このキャッチ率も回転率と同じくらい曲者です。この値がいくつになるか、そのような公式統計はありません。ですから、調べて自分で作るしかありません。
たとえば、ある有名なファストフードの交通量と客数、そしてキャッチ率を算出したものが図表4です。問題のキャッチ率、下は数%から上は50%近くにもなっています。店前を通る人の実に2人に1人がこの店を利用していることになります。驚くべき数値です。これほど店によって、あるいは立地によってキャッチ率が違うのは、困り者です。
初めてお店を出そうと計画している人が、よく陥るワナがここにあります。交通量を朝から晩まで、時には深夜や休日も真面目に数える。ここまでは素晴らしいことです。ですが、ここから売上予測するために、「100人に3人は来店してくれるだろう」とか、「10人に1人は軽いはずだ」と決めつけてしまう。
しかし、「正しい」キャッチ率など、そもそも無いのですから、誰もこれを咎め立てする人はいません。せいぜい「その数字、少し甘くないかしら」と感覚的に言うのがやっとでしょう。
「深夜も含めて、7351人が店前を通っていますから、キャッチ率2%として1日147人は来てくれます。客単価1000円と低く見積もっても1日14.7万円。1か月で、その30倍として月商441万円です。これなら、じゅうぶんやっていけます」
この考えの筋道に間違いはありません。しかし、多くの失敗者の失敗理由がこうした「甘い思い込み」にあることもまた事実です。
交通量とキャッチ率、あなたは決して惑わされないようにしてください。

 

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