郊外ロードサイドの立地良否-2

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郊外ロードサイドの立地良否-2

立地について,飲食店経営

2018/08/19 郊外ロードサイドの立地良否-2

もっと具体的に言うならば、東京都心から見て、西方向にある八王子、立川地域は、西から東に行動ベクトルがあるため、商圏は東西に広がります。また、反対に東方向にある千葉県では、東から西へ行動ベクトルができるため商圏はやはり東西方向に広がります。

同様に、都心より北方向にある埼玉県では、北から南へ向けて行動ベクトルができますので、商圏は南北に広がります。

 

重要なことは、通勤・通学で、ミクロ的(微視的)には駅やバス停、スーパー、ショッピングセンターといったいろいろな場所、いろいろな方向に向かって人々は行動していても、マクロ的(巨視的)には、周辺広域にわたって大きな似たような方向性がある行動をしているということです。

 

それまで、郊外ロードサイド店の立地は、店前交通量やショッピングセンターなどの商業施設との位置関係、視界性評価やインアウト評価程度と、頼りにできる指標がひじょうに少なかったものでした。ですから、この行動ベクトルという概念とそれに伴う商圏設定が生まれたことは、立地の考え方を大きく前進させました。

 

行動ベクトルの描き方

ところで、行動ベクトルの意味はわかっても、その描き方が分かっていないと困りますね。もちろん、前回で説明したように、ひじょうに狭い範囲では、例えば、駅や商業施設へ向けた矢印を描けばそれで済みます。しかし、広域の場合ではどうでしょうか?

一番簡単な方法は、東京都新宿区余丁町(東経139438秒、北緯354135秒)へ向けて矢印を描くことです。

東京の西、八王子バイパス周辺で、その行動ベクトルを描くと、図3のようになります。

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ただこの方法は、東京都とその周辺の3県でしか通用しません。それ以外の場所で行動ベクトルを描くには、それなりの計算方法を用いなければなりません。ここでは詳述できませんが、描画のヒントを言えば、「人々は大きな商業集積に向かって行動する」ということです。ですから、特定地点での行動ベクトルを描くには、ここから大きな半径の地域全体の商業集積分布を抽出し、その重心となる地点を見つけ出すことが必要です。

それには、商業統計という国が発表した統計データと、それらを地図上に表現でき、計算できるソフトウェアの存在が欠かせません。

こうして計算して描いたものは、例えば図4の宇都宮周辺のようになります。この図からわかるように、行動ベクトルは必ずしも都市の中心部に向かっているとは限らないことがわかります。

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さて、図5のような物件が、南北に伸びる道路沿いに見つかりました。ここの立地は良いと言えるでしょうか?ただし、行動ベクトルは西北から南東に向かっています。そして、その南東に多くの人々が住んでいます。描かれた多角形は、物件から5分で来られる範囲を自動描画させたものです。

結論から言うと、この立地はリスクが大きいのです。なぜなら、行動ベクトルが向かってくる西北地域に人々が少ない。そして、商圏は、行動ベクトルの方向とはやや違うので、南北には広がりません。その代わり東西に広がることが推測されるのですが、南東の人々の行動ベクトルは物件方向に向いておらず、顧客になりにくいと考えられるからです。

 

このように、郊外ロードサイド立地の良否判定には「行動ベクトル」がたいへん役立ちます。むしろ、行動ベクトルという概念を立地に適用しないと的確な判断は到底できないと言うべきでしょう。

 

 

 

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私は、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
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