行動ベクトルを見極める-2

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行動ベクトルを見極める-2

立地について,飲食店経営

2018/08/18 行動ベクトルを見極める-2

 

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例えば、図1のように、「人々が住んでいる地区」から、鉄道駅のほうに、行動ベクトルがあるとします。そこで、自然に形成される動線は、図2の動線Aになります。人々は「大きな通り」があるとその通りを優先して通ろうという無意識な行動が生まれるからです。

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そして、この同じような道路沿いで、店舗候補として、物件Pと物件Qがあったとします。

どちらのほうが良い立地と言えるでしょうか。

一見すると、いずれの物件も、人々が自然に形成した動線Aに沿っていません。ですから、いずれの店前通行量は少ないでしょうから、いずれも良くない立地と判断するのが妥当です。

しかし、それでも、物件Qのほうは駅に近いので、こちらを良いと判断する人がいるかもしれません。

 

これを行動ベクトルに当てはめて考えるとどうなるでしょうか。物件Pは、簡単に人々の動線を変化させることができますね。それは、動線Aを行ったときと道のり距離がいっしょだからです。

これとは異なり物件Qのほうは、折り返して戻ってくる分だけ道のり距離が長くなってしまいます。

つまり、こういった状況の時は、物件PのほうがQよりも立地が良いことになります。

たとえ店ができる前に、ほとんど通行量がないような場合でもそれは言えます。あなたの店の商品とサービスが人々を惹き付けるようなものである限り、物件Pで繁盛することは可能なのです。

立地は通行量がすべてではないと言われる所以の一つでもあります。

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ところで、行動ベクトルは、このような狭い範囲でのみで活用できるばかりではありません。図4のように、10キロメートルとか20キロメートルといったひじょうに広い領域でも同じようなことが言えます。大きな街があれば、周辺の人々の行動ベクトルはみなその街の中心へ向きます。

するとどんなことが言えるかというと、この行動ベクトルに逆らった方向や、行動ベクトルと直角な方向には、商圏が広がりにくくなるのです。

 

そればかりではありません。既存店周辺の行動ベクトルに沿った方向に、新しいお店を出すと、既存店の評判を聞きつけた人まで多く来店するので、繁盛しやすいという現象が生まれます(図3)。

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これとは別に、こうした行動ベクトルをまったく無視して、共通性のまったくない地域に新しい店をいくつ出しても、せっかくの評判がほとんど伝わらず、繁盛しないというようなことさえ起こります。いわゆる有名チェーン店が失敗してしまう出店配置を調べてみるとそうした傾向が顕著に見えて来ます。

 

このように「行動ベクトル」は、お店の有利な立地を見つけることから大きなチェーン企業の店舗配置や出店戦略を考える上でもたいへん有効な概念です。

 

 

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私は、立地と高精度/売上予測で「不振店」を根絶します。
有)ソルブ(StoreOpeningRiskBusters) 林原安徳
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