‘売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その10

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‘売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その10

売上予測

2018/04/19 ‘売上予測 モデルをエクセルの重回帰分析で作ろう その10

そもそも、なぜ、重回帰分析をすると売上予測ができるのか?

 

重回帰分析とは、重回帰モデルを作る解析のことを言う。

重回帰モデルというのは、実績値(売上や客数)を用いて、理論値が実績値と限りなく近い値になるように

多元1次関数でできた数式の各係数を数学計算によって導くもののことを言う。

多元1次関数とは、Yt=a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0 という形式のことだ。

ここで、Ytは理論値、a1、・・・・an、およびa0は、各係数、X1、X2、・・・Xnは、各サンプルの項目データということになる。

ここでYmを実績値(売上や客数)とすると

理論値が実績値と限りなく近い値になる」とは、

|Ym-Yt| ・・・ YmとYtの差の絶対値、

または、

(Ym-Yt)の2乗 のいずれかの値が、「最小に」なることを意味している。

計算は後者のほうがやりやすいので、後者を使う。

最初は、Ymは実績値(売上や客数)で、分かっている数値だが、Ytはまだわかっていないので、Ytの代わりに

上記の多元1次関数を入れる。

つまり、[Ym-(a1・X1+a2・X2+・・・・・+an・Xn+a0)]の2乗 のほうだ。

 

ちなみに、「最小に」するのは、1サンプルだけではない。用いているすべてのサンプルについて、「最小に」しなければならない。

これは、(Ym-Yt)の2乗 の合計(すべてのサンプル)を「最小に」するという意味だ。

 

分かりやすくするために、サンプル数は4つ、変数を2つにしよう。

すると、

F1=(Ym1-Yt1)の2乗

F2=(Ym2-Yt2)の2乗

F3=(Ym3-Yt3)の2乗

F4=(Ym4-Yt4)の2乗

 

F=F1+F2+F3+F4

(Ym1-Yt1)の2乗+(Ym2-Yt2)の2乗+(Ym3-Yt3)の2乗+(Ym4-Yt4)の2乗

[Ym1-(a1・X11+a2・X21+a0)]の2乗+[Ym2-(a1・X12+a2・X22+a0)]の2乗

 +[Ym3-(a1・X13+a2・X23+a0)]の2乗+[Ym4-(a1・X14+a2・X24+a0)]の2乗

この式で、a1、a2、a0 はまだ決まっていない数値。

Ym1、Ym2、Ym3、Ym4 は、既に判明している数値、実績値(売上や客数)

X11、X21、X12,X22,X13,X23、X14、X24 も既に判明している数値、説明変数(各種立地指数)だ。

 

ということは、この式は、a1、a2、a0 が未知の2次関数であることがわかる。

 

ここで、a1、a2、a0 が未知の2次関数であるから、それぞれ a1、a2、a0 を変数とした2次曲線で

それぞれが、

F(a1)=p1×(a1-q1)の2乗+r1 (p1、q1、r1は固定値、p1>0)という形式に変換できる(放物線である)。

Fが最小値をとるということは、その放物線において、もっとも低い値をとる時、つまり、a1=q1 になる時を意味する。

これを数学的に表現すれば

F(a1)の微分=0

同様に

F(a2)の微分=0、F(a0)の微分=0

この3つの微分=0 がすべて成り立つことを意味する。

すなわち、F(a1)=p1・a1の2乗ー2・p1・q1・a1・・・・なので

F(a2)の微分=2p1*a1ー2・p1・q1=0

a1=q1 となり、上記を証明できる。

もちろん、a2=q2、a3=q3 である。

 

サンプル数は4つ、変数を2つだから、これで良いのだが、サンプル数が4つのまま、変数が3になったりすると

実は解けない。

それは、サンプル数が2つで変数が1の場合を考えれば容易にわかるはずだ。

それは、YとXの1次曲線、すなわち、常に直線になってしまう。

直線になってしまうということは、x、yの値がどんなものであろうと、直線が描けるのであるから、

xに何の意味もないデタラメを入れても良いということになる。

 

つまり、もしサンプル数がn個あるなら、変数はn-2個以下でなければならない。

1jikyokusen

 

 
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